ドリキャスのネタ元? 幻となったN64コントローラー用セカンド・スクリーン周辺機器

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  • author Andrew Liszewski - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
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ドリキャスのネタ元? 幻となったN64コントローラー用セカンド・スクリーン周辺機器
Image: Shane Battye/Twitter

もし発売されていたら、コレありきのゲームも出たかもしれませんね。

テレビゲーム史上、NINTENDO64のコントローラーほど重たいものはありませんでした。あれは任天堂機に初の3Dスティックが搭載されただけでなく、背面には拡張コネクタがあり、コントローラパックを挿してデータを保存したり、電池入りの重い振動パックを挿してブルブルと震えたりもしました。

あの当時、その重さに加えて2つ目のスクリーンというアクセサリーまで登場しそうだったのですが…そのアイディアは幻のまま潰えてしまい、別のゲーム機に搭載された(のかもしれない)のでした。

Twitterで紹介される

もしみなさんがクラシックな家庭用ゲーム機、それも世に出ることのなかったハードウェアや周辺機器に少しでも興味があるなら、懐かしのゲーム機や開発システムといった収蔵品を公開している、Shane Battyeさんをフォローしてみましょう。

彼は数カ月前、本製品よりもよさそうな3Dスティックが搭載された、珍しいN64コントローラーの試作品画像を公開しました。また彼は先週、もしレトロなサッカーゲームが好きだったら、このアイディアはうれしいものかもしれない…というさらに貴重なお宝を披露してくれました。

幻の後付けスクリーン

それは昔のElectronic Gaming Monthly誌(以下EGM)で紹介されていたもので、デイン・ガルデンという人物が開発した、後付けする小さな第2のディスプレイ

その雰囲気はニンテンドーDSのデュアル・スクリーンに似ており、メインで見るテレビとは別に、N64コントローラーを握っている人の手許でゲーミング要素を見ることができる、というもの。ガルデン氏いわく、この案はサッカーゲームで、自分がどの選択肢を選んだのかを覗き見ようとする彼の兄弟のズルから閃いたのだそうです。

とはいえDSのセカンド・スクリーンとは異なり、これはタッチスクリーン機能もなく、白黒で解像度も非常に限られていたのだそうです。

N64のシークレット・スクリーンの試作品です。これはドリームキャストのビジュアルメモリを彷彿とさせる機能を持つコントローラー用の周辺機器でしたが、ビジュアルメモリが発売される前に作られました…

マルチ・スクリーンであるメリット

ハードウェアに制約がある上で、ゲーム内で行なう選択肢やオプション変更を隣のプレイヤーに内緒にできる機能は、確かに興味深いことと思われます。サッカーのようなスポーツゲームでは、試合や主軸選手の選択が勝利の鍵となるでしょうし、戦略ゲームでは第2のスクリーンがもたらすメリットは数多いでしょう。

インターネットが普及する前は、ひとつの据え置き機とテレビ画面を、マルチプレイヤー全員で共有する必要がありましたよね。仲間たちを信用して、「目をつぶっててね」なんて頼んでも、皆が薄目を開けてチラ見するのなんて普通のことでした。

ドリキャスがアイディアを引き継いだかもしれない

ガルデン氏によるこの追加画面は結局製品化されることはなく、2018年にebayでオークションにかけられることとなりました。そしてその競売には、EGM誌の周辺機器に関する記事も掲載されていました。そこには開発に関する興味深い詳細情報と共に、まもなく登場するドリームキャストに関する内容も同じページに掲載されていたのです。

ガルデン氏は、彼の発明がセガの技術者たちを触発し、のちにビジュアルメモリを作ることになったのではないか? と信じています。ビジュアルメモリは、スクリーン搭載のメモリーカードで、ドリキャスのコントローラーに挿して追加機能を楽しみ、ミニゲームも遊べるものでした(さらにこの流れはソニーのPocketStationへと続きました)。

彼の主張はまだ不確定ですが、特許申請も含めて、開発された時期から考えてもドリキャスの中に引き継がれた可能性はゼロではないかもしれません。

当時この追加スクリーンが世に出ていたら、どんなゲームでどんな楽しみ方ができたのか考えるとワクワクしてきますね。

Source: nintendolife, Twitter