Galaxy Z Flip レビュー:やっと「日常で使える」折りたたみスマホの登場だ!

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  • author Sam Rutherford - Gizmodo US
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Galaxy Z Flip レビュー:やっと「日常で使える」折りたたみスマホの登場だ!
Image: Sam Rutherford/Gizmodo US


Samsungの縦型折りたたみスマートフォンGalaxy Z Flip保護レイヤーが傷つきやすい=画面が傷だらけになりやすいかもという話で、ガラススクリーンだけど(みんなが思ってる)ガラススクリーンではないと言われてしまっているモヤモヤZ Flip。先日、サイズ感がいい&壊さなくてほっとしたくらいしか言えなかった超短時間の24時間レビューを公開しました。さてさて、お待たせしました。米Gizmodo編集部が、がっつりZ Flip使ってきました。いわく、これぞレビューするに値する、話題にすべき折りたたみスマホだ!とのこと。これで折りたたみスマートフォンは一過性のものではないと確信できたと米Gizmodoに言わしめたZ Flip。以下、米Gizmodoのレビューです。


前の折りたたみスマートフォンでいろいろありましたから、折りたたみスマホのレビューって…と言いたくなる気持ちもわかる。わかるけれど、待ってください。今回のGalaxy Z Flipはレビューに値する端末。やっと本当の意味で注目すべき折りたたみスマホが初めて出てきたんです。

僕が思うZ Flipに贈る最大の賛辞、それは、従来のスマートフォンぽいということ。バチーンと気持ちよく半分に閉じることができる機能が付いているけれど、使い勝手は今までのスマホと同じ。1400ドルもする端末への賛辞がそれかよと思う人もいるでしょうが、そうなんです。つまり、僕が言いたいのは、折りたたみの第2モデルとしてZ Flipはかなりアップデートされているということ。

Samsung Galaxy Z Flip

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

これは何?:6.7インチの最新折りたたみスマートフォン

価格:1380ドル(日本国内価格:約18万円)
好きなところ:滑らかでコンパクトなデザイン。バッテリー持ちのよさ、耐久性がアップしたスクリーンとヒンジ、サイドにある指紋認証センサ
好きじゃないところ:モノラルスピーカー、耐水性低い、外のスクリーンがもうすこし大きければな、片手で開けにくい、高い

開くとスクリーンがこれだけ大きいという感動

そもそも、Galaxy Foldにしろ、Huawei Mate Xにしろ、Moto Razrにしろ、どことなく特別に準備された部屋の中で、白い手袋はめて丁寧に大事に扱ってこそみたいな雰囲気ありました。落とさないでー、ゴミはいるようなところ行かないでー、自分デリケートだからーみたいなビクビクした気を感じました。が、Z Flipにはそれがない。何というか、Z Flipからは安定した自信のようなものを感じます。閉じた状態は非常にコンパクト。とても持ちやすく、実用的な大きさで、ポケットにも、何も入らなさそうなミニバッグにも潜り込めます。

開くと6.7インチスクリーン(2636x1080、FHD+)に、10MPのセルフィーカメラ。閉じた時の大きさが3.5インチx2.9インチなことを考えれば、開くことでこれだけスクリーンが大きくなるというのはけっこう感動もの。Galaxy S20 Ultraのスクリーンが6.9インチで、これとほぼ同じと思うとすごいです。S20 Ultraは折りたためませんからね、持ち運びの便利さで言えばZ Flip本当スゴイ。

折りたためるガラススクリーンを保護する工夫

端末のエッジ部分にはプラスティックのベゼルがあります。これが、閉じるときにスクリーンにダメージを与えないバンパー&細かいゴミが内部に入り込ませないためのブロックという二役を担当しています。サイドのボリュームとロックボタンには指紋認証センサが搭載。動き自体は問題ないのですが、個人的にはもう少し下にあれば開いた状態でも届きやすいんだけどなと思います。

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

Z Flipの超薄ガラススクリーンですが、なんでしょうねぇ。3歩進んで2歩戻ったアップグレードとでも言いましょうか。ガラススクリーンはガラススクリーンなんですが、すでにあちこちで報道されているように、プラスティックの保護レイヤーがあるんです。つまり、実際に指が触れるのは、超薄ガラススクリーンではなく、この保護レイヤー。結果、ガラススクリーン自体がいかに耐久性があがろうが、保護レイヤーに鍵やペン、むしろ爪でも傷が付いてしまうというね。

シワはあるけど実用上は特に気にならず

一方でGalaxy Foldで酷評された曲がる部分のシワ・ヨレ。これ、Z Flipにもあることはあるんですが、そんなに気にならないんです。特に、正面から見ると気にならないですね。シワ・ヨレは間違いなくある。触ると凹凸も感じます。ただ、気にならない。Z Flip使うとわかりますけど、曲がる部分=開いた時の画面中央ってそんなに触らないんです。ウェブサイトやTwitter見てスクロールしてても、真ん中はそんなに。

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シワはある。ただ、ディスプレイが付いている状態だとほぼ気にならない。
Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

1.1インチの外側スクリーン

Z Flipの設定からジェスチャーセンサをONにすると、指紋認証センサ下スワイプで通知をひらけるのですが、これ重要。開くと縦横比21:9なので、画面上部から片手で通知だすのほぼ無理ですから。

通知と言えば、外側には小さな1.1インチスクリーンが付いていて、通知やカレンダーのアラート、音楽再生などがここでできます。さらにセルフィー画面にもなるので、世界最小のビューファインダーということになりますね。世界最小なだけあってとにかく小さい。セルフィー画面になるとはいえ、画面に顔がおさまらないことも。画面がもう少し大きければいいのにという気持ちと、ソーシャルメディアやアプリからの通知に辟易しているので、小さな画面で通知があまり見えないというのも悪くないかもという気持ちのせめぎ合い。画面小さいから、メインの画面で何でもやらざるをえない=思いっきりパカパカできる回数が増えてちょっと嬉しいかも。

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Z Flipと6.9インチのS20 Ultraを比較
Image: Sam Rutherford/Gizmodo US


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ほぼ同じサイズ
Image: Sam Rutherford/Gizmodo US


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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US


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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US


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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US


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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US


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通常の16:9コンテンツを見ると、縦横比21:9のZ Flip画面には黒スペースが多くなることに
Image: Sam Rutherford/Gizmodo US


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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US


ヒンジ部:水には弱そう

閉じていればディスプレイはしっかり保護されています。とはいえ、残念なことに水に弱い。一応、端末内部には疎水性コーティングが施されてはいるのですが、これは湿気や霧程度から保護するもので、水中に落としてもいいというわけではないので無理はせぬように。また、ヒンジ部分にはホコリやチリの内部浸入を防ぐために小さなブラシみたいな加工もあるのですが、これがどれほど役にたっているかは時間が立たないと何とも言えません。ということで、今までよりもボディ、スクリーン、ヒンジともに強固な折りたたみスマホではあるものの、従来の前面背面ガラスのスマホに比べたらまだ弱いということは覚えておいてください。友達に「みせて、触らせて」と言われたら、まぁ躊躇しますよね。

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

しっかりとしたスペック

折りたたみというギミックだけに走らず、Z Flipはスペックもしっかりしているのがいいですね。ミッドレンジ端末よりもずっといいし、同じ折りたたみのMoto Razrよりもちろん上です。ヘッドフォンジャックやmicroSDカードスロットは時代の流れにのってZ Flipにもありませんが、チップはQualcomm Snapragon 855+だし、RAMは8Gだし、容量も256GBあります。でも、Galaxyシリーズの他端末と違い、端末下部にあるスピーカーのみ=モノサウンドというのがちょっと残念ですね。

バッテリーは上々。3300mAhで、Gizmodoの動画再生テストでは、13時間29分を記録。これ、PIxel 4 XL(12時間36分)よりも約1時間多く、OnePlus 7 Pro(13時間36分)とはほぼ同等。でも、Galaxy S10+(15時間09s分)にはかないませんでした。ワイヤレス充電、リバースワイヤレス充電に対応。

カメラ性能:Galaxy S10とだいたい同じ

メインカメラとなる12MPのリアカメラと同じく12MPの超広角カメラは、ほぼGalaxy S10と同じで、少々イメージプロセッサがいいかなくらい。Z Flipで撮影した写真は綺麗だしとくに文句はありませんが、Galaxy S20シリーズに搭載されたより大きなセンサーは、Z Flipにはなし。あと、Galaxyあるあるなのですが、ちょっと写真の黄色が強めですね。ホワイトバランスはPixel 4がベストですね。望遠カメラがないのは(なくてもいいんだけど)ちょっと驚きました。

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リンクの氷のテクスチャはZ Flipの方が詳細まで捉えている一方、全体的に青いのが気になる
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Galaxy S10と比較するとほぼ同じ。Z Flipの方がちょっとだけディティールが細かいかな
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Pixel 4と比べると黄色い
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暗所撮影はやっぱりPixel 4の勝ち。GoogleのNight Sightさすがです
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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US


日常的にちゃんと持ち歩ける端末

耐水仕様じゃない、スクリーンが本当のガラススクリーンよりは脆いなど、いくつか残念な点はあるものの、それでもZ Flipはありな端末だと思います。初代Samsung折りたたみスマホのGalaxy Foldからここまで改良したかと感心します。Foldにあったパネルの溝とぐにゃぐにゃディスプレイを排除し、折りたたみ第2世代となったZ Flipは、日常でちゃんと持ち歩ける端末です。ビクビクしなくていい端末です。小さめサイズは手の収まりがいいし、90度で開いて置けるのは写真を撮るとき三脚がわりになって便利。

Z Flipの1番の問題は、やっぱりその価格でしょうね。ただ、初代Razrが15年前に証明してみせたように、ライフスタイルにフォーカスしたちょっとユニークな端末にもちゃんと居場所=市場と需要が十分ありますからね。同市場にいるMoto Razrと比較すれば、コスト、スペック、バッテリー、カメラ、耐久性、すべてにおいてZ Flipの勝ち。前モデルでの失敗から名誉挽回するための端末、それがZ Flip。購入を検討してもいい端末です。

みんな買った方がいいよ!とは言ってません。なんせ1400ドルですし。僕は買いましたけども。純粋に興味があったから、Z Flipの超薄ガラスディスプレイが開閉にどれだけ耐えられるのかテストしたかったから。1週間ほど使ってみて思うのは、折りたたみスマホは一過性の流行では終わらないだろうということ。

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

まとめ

・画面にシワ・ヨレはある。あるけど、そこまで気にならないし、前よりも明らかに耐久性があがっている。
・内部コーティングがされてはいるものの、耐水性は低い。
・バッテリーもパフォーマンスも上々。サイドにある指紋認証センサもスピーディ。
・パチーンと閉じるのが快感。壊れるかもとビクビクしなくていいのが嬉しい。
・片手で開けにくい。

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