地震計でもわかる、コロナによる世界中の人々の活動減少

  • 9,823

  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • そうこ
  • X
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
地震計でもわかる、コロナによる世界中の人々の活動減少
Photo: Getty

新型コロナウイルスによる外出自粛・禁止でどれだけ人々の活動が減っているかが、世界中にある地震計からもわかります。

地震計は、地殻を通じて地震波を検知しますが、この時、工事や車などの動き、人々の活動による揺れもノイズとして拾ってしまいます。これを踏まえた上で、ベルギー天文台の地質&地震学者のThomas Lecocq氏が、天文台の地震計をチェックしてみると、ブリュッセルの活動量は通常平日時よりも冬季休暇中に近い数字になっていたといいます。ブリュッセルだけでなく、世界中の地震計が同じような数値をだしています。

200330humannoise
ここ2週間、減少する人間の活動によるノイズ。
Graphic: Thomas Lecocq

米Gizmodoの取材に対し、Lecocq氏いわく、「雪が降れば静かに、マラソン大会があれば人々が走るのが見える」くらい人間の様々な動きが地震計の数字に表れるといいます。Lecocq氏は、地震計からも新型コロナウイルスのインパクトがうかがえるとコメントし、SNSにグラフを投稿しています。

アメリカ地質調査所の地震学者Susan Hough氏は、米Gizmodoのメール取材にて「みんなが家にいて動かなければ、日中のノイズレベルも通常の夜中ぐらいになる」と回答。その他、例えばイギリスで高速道路近くに設置された地震計も、フランスニュージーランドに設置された地震計も通常よりも低いノイズレベルを観測。

Lecocq氏いわく、人間の活動というノイズが著しく減少されることで、地震学者にとっては除外すべきノイズの少ない今はチャンス。普段は人の動きで消されてしまいがちな高周波数な動き(風邪や地下水面など)を、より検知可能。また、動きだけでなく可聴騒音も減少しており、可聴騒音と振動ノイズの相関性や、地震学のデータから都心部での可聴騒音の増加具合などを調べることもできる可能性も。

興味がある人は、Lecocq氏が地震計のデータの見方チュートリアルを公開(英語)しているので、お家で楽しめる(学べる)コトの1つとしてセットアップしてみても!