フロリダでは、処方薬をドローンが配達してくれるようになるらしい

  • author Joanna Nelius - Gizmodo US
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  • R.Mitsubori
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フロリダでは、処方薬をドローンが配達してくれるようになるらしい
Photo: UPS via Gizmodo US

この未来感、すごい。

新型コロナウイルスの緊急事態宣言が続くなか、高齢者や持病のある人など、いわゆるハイリスク群の方々にとっては、食料品の買い出しや処方薬の受け取りも危険をともなうものになっています。

生活雑貨や食料は時間差でスーパーに行ったり、自宅に配送してもらうこともできますが、薬はそうはいきません。郵送できない薬もあるでしょう。実は現在、そんな事態の救済策が進行中だとThe Vergeが報じています。アメリカの配送会社UPSと大手薬局チェーンのCVSが共同で、ドローンによる処方薬配送事業をすすめているんです

フロリダ州にある55歳以上のシニア向けコミュニティThe Villagesでは、5月4日から処方薬のドローン配送サービスが試験的に開始されます。これはテスト運用に参加するCVS薬局から、UPSのドローンで患者宅まで薬を届けるもの

とりあえず1店舗からのスタートで、店から半径0.5マイル(約800メートル)未満の範囲までをドローンが運び、その先は配送ドライバーが引き継ぐとのこと。これが軌道に乗れば、さらに2店舗がプロジェクトに参加します。

UPSとCVSは新型コロナ騒ぎが起きる以前の2019年10月に業務提携を済ませ、ドローン配送サービスに関する研究をスタートさせていました。CVSファーマシーのケビン・ ヒューリカン社長は「私たちはスピードと価格、効率的な配送モデルを通じ、お客様により便利なサービスを提供できるよう、常に努力しています」と述べました。さらに、「イノベーションに力を入れる中で、医薬界の小売店としてはじめてUPSとともにドローンの配送サービスに挑むことになり、胸が高鳴る思いです」と話しています。

UPSはノースカロライナ州でも限定的なドローン配送サービスを運営しており、複数のシニアタウンに処方薬を届けています。同社のドローン運航部門は連邦航空局(FAA)からもすでに認可をとりつけており、「連邦航空局から、米国連邦航空規則(FAR) Part 135の認可を取得した、最初の」企業であるとのこと。

ちなみにこの規則は非常に厳しく、ドローン関連企業が取得できる最高レベルの認定です。これを取得したことにより、UPSは重量55ポンド以上の荷物を、人々の頭上で、夜間にも、操作者の視界外にまで飛ばすことができるようになったのです。

医療関連のデリバリーサービスに向けてタッグを組んでいるのでは、UPSとCVSだけではありません。GoogleのドローンサービスであるWingとアメリカの大手宅配サービスのFedEx、薬局チェーンのWalgreensは昨年、初の提携事業としてバージニア州クリスチャンズバーグでパイロットプログラムを実施。市販薬やその他の関連商品を住民に届けました。Wingは2019年4月、FAAから認定ドローン航空会社としての営業を承認されています。

ドローンによる医薬品の配送はまだテスト段階なので、すぐに大規模拡大するわけではなさそうです。ただ、これを機に有効性が確認されれば、近い将来、薬局で長時間待たされずに済むかもしれません!

ドローン配達の普及 ほしい?

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