ニックネームは「リアル下町ロケット」。ピンチの町工場を救ったのは、技術力とブランディング力

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  • author 渡邊徹則
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ニックネームは「リアル下町ロケット」。ピンチの町工場を救ったのは、技術力とブランディング力
Image: Mugendai(無限大)

よき先例になって欲しい。

高い技術を持っていても、従業員の高齢化や後継者不足などで廃業に追い込まれることも多い、町工場。一方で、そんな町工場を時代の変化に合わせてイノベートしていく人もいます。

IBMが運営するWebメディアMugendai(無限大)にて、小さなネジ工場を、宇宙開発を手掛けるまでに成長させた方が登場。その姿から「リアル下町ロケット」とも呼ばれる、復活の真相とは。

自社の強みを見つめ、伸ばす。音楽レーベルまで立ち上げたネジ工場の復活劇

ロングインタビューに登場していたのは、神奈川県茅ケ崎市にある株式会社由紀精密の3代目社長、大坪正人さん。「精密切削加工」を得意としている同社は、主にネジの下請け製造を事業の中心としてきました。

しかし時代の流れとともに、売上の柱だった公衆電話の発注が激減。スマホなど、現代の家電製品にネジを使うものは少なく、業績は厳しくなっていったそう。

東京大学大学院で機械工学を修め、別の会社に就職していた大坪さんでしたが、家業のピンチに駆けつけます。

大坪さんがまず行なったのは、自社の強みを徹底的に分析すること。長く続く会社にはそれなりの理由があるはず。そう感じた大坪さんは、顧客がなぜ発注してくれるのかを調べるアンケートを実施します。

結果、「品質の高さ」こそが信用の原点だと分かった大坪さんは、切削加工の技術をさらに伸ばしていくことを決意。努力を重ね、いまではJAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙部品から、航空機、高級時計の部品などを製造を手掛け、フランスに事務所を設けるほどに成長したといいます。

ニックネームは「リアル下町ロケット」。ピンチの町工場を救ったのは、技術力とブランディング力
Image: Mugendai(無限大)

大坪さんの挑戦は、技術力の強化にとどまりませんでした。インターネットや各サービスを駆使し、自社のブランディングにも精力的に取り組みます。

その最たる例が、音楽レーベルの立ち上げ。ものづくりが好きな若い世代に現場の面白さを伝えたいと、工場で聞こえるさまざまな機械音をサンプリングし、曲と映像を制作したのです。

これは、世界最大級の広告祭「カンヌライオンズ」のブロンズ賞を始め、さまざまな広告賞を受賞。同社の名を広めるきっかけにもなったそう。

ニックネームは「リアル下町ロケット」。ピンチの町工場を救ったのは、技術力とブランディング力
Image: Mugendai(無限大)

これまでのノウハウから、今後は、高い技術力を持ちながら経営が苦しい企業をバックアップしていきたいと語る大坪さん。多くの素晴らしい技術と経験が残ってくれると嬉しいですよね。

他にも、パリの航空ショーで好評を博した「精密コマ」や、次に開発を目指す「背骨を固定する脊椎インプラント」など、技術好きもそうでない人も楽しめるインタビューの続きは、Mugendai(無限大)よりお楽しみください。

Source: Mugendai(無限大)