キュリオシティーの兄弟機。
NASAのPerseverance(パーサヴィアランス)探査機の打ち上げ準備が整いました。いよいよ本日(7月30日)の午後8時から打ち上げが中継されます。
探査機をホーマン遷移軌道に乗せられるこの時期は、火星に探査機を送り出すのに最適なタイミング。この軌道によって、探査機を火星へと効率的に運べるようになるからです(次にこのウィンドウが開かれるのは26カ月後)。アラブ首長国連邦が火星探査機HOPEを打ち上げ、中国が先週末に天問1号を打ち上げたのもそのため。
そしてついにNASAの番。次世代ローバーPerseveranceの火星への打ち上げに向けて備えます。
Perseveranceは日本時間の本日午後8時50分、ケネディ宇宙センターから発射予定。NASAは午後8時から、コチラで打ち上げライブ配信を始めるつもりです。その後2時間はローンチウィンドウが開かれているとのこと。
計画どおり進めば、PerseveranceはNASAにとってソジャーナ、スピリット、オポチュニティとキュリオシティ(現在も運用中)に続いて火星に到達する5つ目の探査機となります。
マーズ2020ミッションを背負うPerseveranceの主な目的は火星における過去の生命の痕跡を探すことで、探査機はかつて湖と河川デルタだったジェゼロクレーターを探査する予定です。2年近くのミッションの間、Perseveranceは火星の地質と気候を分析、岩石や沈殿物を研究、そして二酸化炭素から酸素を生成する実験も行なうとか。
そしてPerseveranceは採集した岩石や土壌のサンプルを小さなコンテナに入れて、地表に置いて行きます。これは先々のミッションで拾って地球に持ち帰ってもらうためなんだとか。この貴重な積荷を地球へと届ける2026年に打ち上げ予定のミッション用探査ローバーは、エアバスが開発すると発表されたばかりです。
またPerseveranceには、小型ヘリコプターIngenuity(インジェニュイティ)という旅のお供がいます。うまくいけば、同機は火星を飛行する人類史上初の航空機となります。このヘリコプターはカメラを搭載して自律飛行こそできますが、それ以外に余計なものはついていません。このミッションが成功すれば、もっと大がかりなプロジェクトへとつながるでしょう。
探査機とヘリコプターは7カ月間の旅路を経て、2021年2月18日に火星に到着予定。Perseveranceの打ち上げがうまくいきますように!