町工場をアップデート。「オープン化」と「リモート化」でコロナ禍を乗り越えろ

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  • author 渡邊徹則
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町工場をアップデート。「オープン化」と「リモート化」でコロナ禍を乗り越えろ
Image: Mugendai(無限大)

底力を見せる!

新型コロナウィルスの影響で、われわれの生活は様変わりしました。在宅・リモートワークが当たり前になった方も多いかと思います。

そうした変革が、町工場にも起きているのをご存知でしょうか。

IBMのWebメディアMugendai(無限大)に、「日本の底力」である町工場のアップデートに挑戦する方が登場。コロナ禍を乗り切る戦略について語られていました。

相見積もり地獄からの解放。収益アップもコストダウンも実現したシステム

インタビューに登場していたのは、部品加工の受発注プラットフォーム「CADDi」を開発するキャディ株式会社の加藤勇志郎さん

CADDiをひとことで言うなら、発注元の大手メーカーと全国の町工場マッチングサービスです。

材料単価、技術力、加工時間など多くのデータがあらかじめ入力されており、メーカーがつくりたいものの希望を出せば、独自のアルゴリズムで最適の工場を選出。最速7秒の超高速で見積もりも作成されます。

加藤さんいわく、町工場の社長は「仕事の半分が見積もり作成」と言われるほどだそうで、しかも受注率はわずか2割。CADDiを使えば、見積作成の負担は軽減、収益は安定、メーカー側も10~20%のコストダウンと、まさにいいことづくしです。

町工場をアップデート。「オープン化」と「リモート化」でコロナ禍を乗り越えろ
Image: Mugendai(無限大)

町工場にも進化を。巨大サプライチェーンを支える新たな戦略

約180兆円といわれる日本のモノづくり市場。それを支えるサプライチェーンのどこかで新型コロナウィルス感染が起きたり、生産が止まったりすれば、製造業全体に影響が出ることは必至です。

これに備え、加藤さんたちが進めている施策のひとつが「オープン化」。その真意を以下のように語っています。

メーカーにとっては調達先の、また町工場にとっては販売先の分散化が必要になります。サプライチェーンの中の1社が倒れたらおしまい、では困るのです。

しかし、分散化すると当然取引コストは上がってしまうので、同時にそれを下げるための集約化が必要になります。すなわち分散と集約の両立、つまり集散両立化がオープン化におけるもっとも大事な考え方です。

加藤さんたちが実施したアンケートでは、町工場はコロナ禍の影響により、航空機系で90~95%減自動車製造系では一時50%減の打撃を受けているそうです。

しかし人工呼吸器部品の需要が急増した際には、受注が減っていた自動車や産業機械工場の力で乗り切るなど、オープン化は見事に機能しました。

もうひとつの施策である「リモート化」では、これまで紙や職人の頭の中にあった暗黙知をネットワーク上に置き、自由にアクセスできる環境をつくること、無人化できる仕事を増やすことなどを提案しています。

町工場をアップデート。「オープン化」と「リモート化」でコロナ禍を乗り越えろ
Image: Mugendai(無限大)

東京大学卒業後、コンサルティング会社のマッキンゼーを経て起業した加藤さんと、米スタンフォード大学大学院卒業、Appleなどでの勤務経験があるCTOの小橋昭文さんは、二人揃って「アジアを代表する30歳未満の30人」に選ばれるほど、注目の同社。

世界展開も視野に入れた未来、および日本の町工場の今後についての続きは、Mugendai(無限大)よりお楽しみください。

Source: Mugendai(無限大)