これを機にちゃんと聞きたい。
新型コロナウイルスの影響で、多くのイベントやコンサートが中止となりました。一方で、必要に迫られて始まった感のあるオンライン配信が意外な盛況を見せる業界もあり、クラシック音楽界にもその波が訪れたようです。
IBMのWebメディアMugendai(無限大)に、今もっとも注目されるピアニストの一人、反田恭平さんが登場。
「あえて有料」にしたコンサート、専用アプリの開発計画など、クラシック界のデジタルトランスフォーメーションについて語られていました。
当初は批判の声も。それでも有料配信に踏み切った理由
日本音楽コンクール1位、チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院留学、現在はポーランドのショパン国立音楽大学に在学中と、超一流のピアニストである反田さん。新型コロナウィルスによる自粛期間中に、クラシック界では異例の有料配信コンサートを行ない、注目されました。
しかし当初は、自粛生活下の人々のため無料配信するオーケストラもいたことから、「高貴なクラシックを冒涜している」といった批判の声もあったそう。
それでも反田さんは強い決意の元、有料配信を決行。その思いについて以下のように語っています。
コンサート中止で損害を被るのは、アーティストだけではないんです。コンサートづくりに携わる、舞台監督やホール関係者、さまざまな人が窮地に立たされます。(中略)僕たちの「Hand in hand」はあえて有料配信という方法を選択しました。
モーツァルトやベートーヴェンも? これからの音楽家は「何でもやらないと」
1994年生まれと若い反田さん。しかしその視線はさらに下の「Z世代(ネオ・デジタルネイティブ)」を見据えており、彼らにクラシック音楽を届けるには、デジタルテクノロジーの活用が必須だと考えています。
そのために計画しているのが、専用アプリの開発。
コンサート会場でのチラシのPDF化、e-チケット、そして支払いのキャッシュレス化など、クラシック界ではデジタルに置き換えられる要素がまだまだたくさんあるといいます。
反田さんは、作曲のみならず自らパトロン探しなどもしていたモーツァルトやベートーヴェンを例に出し、「今後の音楽家」について以下のように語っています。
時代に合わせて僕らも発信の仕方を変えていかなければならない。(中略)そういった点に関して、クラシック音楽業界、特に日本の業界は非常に遅れていると言わざるを得ません。逆に、だからこそ、おおいなる可能性を秘めているとも言えます。(中略)これから活躍を志す音楽家は、自分自身で発信する術を身に着けなくてはならない時代に足を踏み入れているのではないかと思うんです。
自ら事務所やレーベルを立ち上げ、精力的に活動する反田さん。さらに自分を鼓舞するため「30年後に音楽学校を設立する」と宣言し、その歩みを止めることはありません。
音楽好きも、テクノロジー好きも楽しめる記事の続きは、Mugendai(無限大)よりお楽しみください。
Source: Mugendai(無限大)