肥料や農薬を使わず、たがやさない。生態系の営みだけで食料生産を向上させる「協生農法」ってなんだ

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  • author 渡邊徹則
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肥料や農薬を使わず、たがやさない。生態系の営みだけで食料生産を向上させる「協生農法」ってなんだ
Image: Mugendai(無限大)

偉大なる自然の力。

世界的な人口増加とともに懸念される食糧不足。その解消のため、昆虫食なども注目されています。

IBMのWebメディアMugendai(無限大)にて、土地を耕さず、肥料や農薬も使わないのに高品質な農作物を育てる「協生農法」が紹介されていました。実現すれば、まさに夢のような技術ですが…。

「未来から盗む」生活に終止符を。自然界を超える環境づくりを目指す、新しい農法

インタビューに登場していたのは、ソニーコンピューターサイエンス研究所リサーチャーの舩橋真俊さん。東京大学卒業、獣医師の免許を持ち、フランスの名門エコール・ポリテクニーク大学院で物理学博士を取得した経歴をお持ちです。

その舩橋さんがアフリカのブルキナファソで実践したのが、多種多様な植物を密生させ、生態系の営みによって食料生産を向上させる「協生農法」です。

自然界では、複数の植物種が群生すると生産が効率化することが知られているそうで、同様の環境を人間が再現できるかが実験の目的だといいます。

「それで食物が育つなら苦労しないよ」なんて気もしますが、舩橋さんは「同じ環境で共存する動植物の多様性を高めることで、生産性などに大きなシナジーを生む」と確信。結果的にブルキナファソでは、平均国民所得の約20倍の売り上げを記録し、現在は六本木ヒルズの屋上でも実践を行なうなど確実な成果を残されています。

耕さない、肥料も薬もない。生態系の営みだけで食料生産を向上させる「協生農法」ってなんだ
Image: Mugendai(無限大)

舩橋さんが食糧問題に憂いを抱くのは、50年後の未来を見据えているから。環境資源に頼る現在の生活を「未来世代から生活資源を奪う、消耗生態系」と表現し、自然を超えた環境を人間の手によって実現する「拡張生態系」に移行すべきだと主張。その考え方の軸を、分かりやすく以下のように語っています。

当たり前のことですが、隣の家の資産を盗んで金持ちになる、これは同時代では許されないことです。しかし、未来世代の家に押し入ってする収奪は、誰にも気づかれません。物理学における相対論的な時空では、隣から盗もうが未来世代から盗もうが本質的には変わりません。

あらゆる面から総合的に文明を捉えたいと、医学や物理学以外にも、生物学、数理科学、複雑系科学など、さまざまな学問を学んだ舩橋さん。

高度な知性と洞察に溢れたインタビューの続きは、Mugendai(無限大)よりお楽しみください。

Source: Mugendai(無限大)