MSI Creator 15レビュー:ゲームと仕事に良バランス

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MSI Creator 15レビュー:ゲームと仕事に良バランス
Photo: Joanna Nelius/Gizmodo

米Gizmodoのゲーム大好きJoanna記者から、MSI Creators 15のレビューが届きました。MSIといえばゲームPCですが、今回はゲーマーよりもクリエイターよりの端末です。


クリエイター向け端末とゲーマー向け端末は、ぱっと見差別化が非常に困難です。高グラフィックゲームを高速ロードするため、そして動画のエンコードも高速で行うためにハイスペックは当たり前。ストリーミング系機器をあれこれつなげるために、そしてカメラからRAW画像を転送するためにポートが充実も当たり前。最近では4Kディスプレイも搭載されてますね。しかし、今回レビューしたMSIのCreator 15は、その名の通りゲーマーよりもクリエイター向け。高音質スピーカーとタッチ機能ありの色鮮やかなディスプレイによって、動画クリエイターやミュージシャン向けによりフォーカスしたマシンです。

MSI Creator 15

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Photo: Joanna Nelius/Gizmodo

これは何?:MSIのクリエイター向けノートPC(価格抑えめ)。

価格:1,900ドル(約19万8000円。最上位モデルは2,900ドル=約30万2500円)。

いいところ:価格、デザイン、薄ベゼル、キーボード、パフォーマンス。

残念なところ:ディスプレイの明るさがいまいち&色のリッチ感が同レベルの他ノートと比べるといまいち。

価格はお安めでハイアマチュア向け

MSI Creator 15の位置づけとしては、ハイスペックな割にはお手頃価格。とは言っても安いわけではなく。レビュー端末のスペックは、プロセッサがIntel Core i7-10875H、グラフィックがNvidia RTX 2060、メモリは16GB (8GB x 2) DDR4-2666MHz、ストレージ1TB NVMe SSD。そして、15.6インチのタッチスクリーンディスプレイ(1080p/ 60Hz)。NTSC規格では色域72%、RGBの約100%相当。明るさは最大360nitsで、これはクリエイター向け端末としてはちょっと暗めかも。これで価格は1,900ドル(約19万8000円)。ちなみに、4Kタッチディスプレイ搭載で、RTX 2080 Super Max-Qが乗った最上位モデルは2,900ドル(約30万2500円)。同じくクリエイター向け端末のHP ZBook Create G7のベースモデルが2,750ドル(約28万7000円)からなことを考えると、スタートラインが低めに設定してあるのは魅力かと。

ただ、ZBookに比べるとディスプレイの色のリッチさや、ベース音の重さは出ていないと思いますが、そこは「プロ的には」と一言足したいところ。機材にお金をかけられる・かけるべきプロは、もっといい端末を選ぶでしょう。となれば、Creator 15は学生やアマチュア・セミプロ、クリエイティブな活動を始めたばかりという層に適していると考えます。ディスプレイ画質では負けますが、2800ドルの16インチMacBook Proとだって機能的にはやりあえるレベルにはいると思います。

ボディデザインがかっこいい

Creator 15のボディデザイン、かなり好きです。もしかしたら今までレビューしてきた端末の中でトップレベルに好きかも。個人的に好きなのは、スポーツカーのデザイン意識しましたって感じじゃないやつなのですが、Creator 15は特にいいです。そのシンプルさがいいです。Razer端末や同じくMSIのGS66 Stealthも大好きなのですが、Creator 15も同じくらいいいですね。マットブラックのデザインにロゴがブレンドしているのも洗練された印象。マットなので指紋がつきにくいのもうれしいですね。キーボードのキーが大きめで配置間隔がゆっくりしているところも好き。テンキーがないのは個人的には残念。

端末全体にずっしり感ありますが、実際の重さは4.6ポンド(約2キロ)なので、最軽量ではないけれど騒ぐほどでもなく。ずっしり感の原因は、たぶんその厚さだと思います。厚さ0.72インチ(約1.8センチ)なので、こちらも最薄とはいいませんが、持ち歩けるクリエイティブ端末としてはある程度の安定感が欲しいのでこれはこれで逆によし。

性能はお値段以上

性能も上々。Intel Core i7-10875HとNvidia RTX 2060なので、悪くなるはずがないんですけどね。そりゃ、IntelのIris Xeグラフィック搭載第11世代プロセッサが各社ノート端末に搭載され始めましたし、Nvidiaは新しいグラフィックカード発表しましたけど(とはいえRTX3000シリーズがノートに搭載されるのはもうちょい先かな)、それでも注目したいのは実際の動き。なんと、Creator 15のCore i7(Intel第10世代)は、11世代i7よりもターボブーストが上! 2,000ドルを切る端末でこのパワフルさは頼もしいですよ。

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Photo: Joanna Nelius/Gizmodo


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Photo: Joanna Nelius/Gizmodo


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Photo: Joanna Nelius/Gizmodo


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Photo: Joanna Nelius/Gizmodo


Gizmodoのレビューで行なう一連のベンチマークは以下こんな感じ。Blenderでの3D画像レンダリングが8.5分。Handbrakeでの4K動画から1080p (30fps)へのエンコードが8.75分。バッテリーもちは6時間10分(使い方にもよりますが、公式では9時間)。Dell XPS 15やmacBook Pro 13インチのバッテリーテスト結果は、8時間ちょいだったので、Creator 15はまぁそこそこ。

クリエイター向けですが、もちろんゲームプレイも上々。ウルトラ設定1080pでプレイして、『Total War: Warhammer II』が平均65fps、『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』が70fps、『ファークライ5』が83fps、『オーバーウォッチ』が187fps、『メトロ エクソダス』が44fps(レイトレOFF)。そして、『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI』のターンタイムが平均7.6msでした。Creator 15のスペックを考えると、どれもRTX 2060の予想値に乗ってると思います。ディスプレイが60Hzなので、そもそもこれ以上のグラフィック性能はいらないでしょうし。

熱問題はそれほど心配なし

第10世代Intelプロセッサ搭載端末では、個人的に熱問題が気になっていたのですが、Creator 15は同プロセッサ搭載の他の端末に比べそんなに熱くなりません。冷却システムと端末の素材のおかげか、キーボード周辺で50度ちょい。キーボードの中心部が最も熱くて54度ほど。Core i7は、マックス98度ほど行ってしまうので随分マシなほうかと。キーボードに数分指を置いたままにしておくと汗ばみはしますが、それでもゲームやめようというほどの不快感はありません。キーボード中心の54度は熱いですが、これが原因でゲームやクリエイティブ仕事で困ることはないかと。

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ディスプレイの180度ヒンジ。
Photo: Joanna Nelius/Gizmodo

グラフィックカードがなぁという人は、問答無用で予算アップで他の端末を考えたほうがいいでしょうけれど、それでもCrator 15はクリエイター向け端末として他のマシンに並んで購入選択肢にいれるべきプロダクトです。MacBook ProやRazer Blade 15 Advancedでできることはほぼできる上に、価格は抑えめ。洗練されたデザイン、他モデルよりも熱トラブルもない。全方位的にバランスのとれた端末だと思います。

まとめ

・他のクリエイティブノートPCと比べて攻めてる価格。

・USB 3.0、USB-C、SD含むポートの充実がよき。

・デザインがいい&キーボードの感覚がいい。

・ディスプレイの色がもっとリッチならなぁ。

Source: MSI