世界を変えるのは基礎研究。
「多孔性配位高分子(PCP)」と聞いて、「はいはい。食品や医薬品、半導体、電池、それに宇宙開発まで変えてしまうかもしれないアレね」と答えられる人は、なかなかの情報通です。
IBMのWebメディアMugendai(無限大)にて、世界中のベンチャーが実用化を競う新素材が紹介されていました。たくさんの孔(あな)があることで、ありとあらゆることが可能になるんですって。
さまざまな可能性を秘めた孔。ガスボンベも手で運べるように
PCPは、京都大学の北川進教授が1997年に開発した物質。その特徴は「とにかくたくさん孔がある」ことで、なんと1立方ミリメートルに100京個と、小学生の冗談でもいわないレベルになっています。
その仕組みは、金属イオンと有機分子(配位子)を合成したもの。ジャングルジム、ボール、平面の形をした材料が構築されるそうですが、組み合わせは理論上無限であり、すでに10万種類が報告されているそう。
そんなPCPを応用すると、さまざまな分野でイノベーションが起こる可能性があるそうなのですが、インタビューに登場していた株式会社Atomisがまず手掛けるのはガス事業。
PCPが持つ膨大な孔にはさまざまなガスを貯蔵でき、種類や用途に応じてサイズも自由に設計できるそう。そのため、家庭などでもおなじみのあの大きなガスボンベが、1辺わずか29cmのキューブ型容器になってしまうんですって。
PCP関連では、砂漠で水蒸気を回収する装置や、環境中からリチウムイオンを取り出すといったベンチャー企業が世界中で立ち上がっているそうで、北川教授はノーベル賞候補の呼び声も高いとか。本当にとんでもないイノベーションが起きるかもしれませんね。
他にも、大企業からベンチャーにジョインした浅利さんのマインドなど、記事の続きはMugendai(無限大)よりお楽しみください。
Source: Mugendai(無限大)