パワフルだけど高価なコンパクトストリーミングボックス:エプソンEF12プロジェクター

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パワフルだけど高価なコンパクトストリーミングボックス:エプソンEF12プロジェクター
Photo: Catie Keck/Gizmodo

性能はたしか。

携帯できるプロジェクターで高性能なものは有機ELテレビと同じくらい値が張りますが、それだけの価値はあるのでしょうか?

EPSON(エプソン)のEF12はAndroid TVを内蔵することで、簡単にコンテンツをストリーミングできます。さらに、内蔵スピーカーは低音が十分に出ていて大音量での再生ができ、日中の時間帯でもある程度の投影ができるほどの明るさを実現しています。また携帯性に優れているため、持ち運べるストリーミングソリューションを必要としているユーザーや、映画やテレビをたまにしか見ないユーザーには、最適な選択肢でしょう。

EPSON EF 12は携帯型ながら、十分な機能を実現しています。また、他のプロジェクターにない機能も搭載されていますが、支払った金額に見合う最高の画質というわけではありません。そうはいっても、テレビの設置がしにくい部屋でこのストリーミングボックスを使うのは楽しいものです。

EPSON EF12

これは何?:Android TVに対応した1,080p解像度の携帯型レーザープロジェクター

価格:1,000ドル(国内参考価格 13万7500円)

いいところ:高い音質、狭いアパートでも使えるコンパクトな設計

悪いところ:高価、同価格帯のプロジェクターはより明るい

さて、この1080p解像度のプロジェクターには魅力がたくさん詰まっています。まず150インチの投影ができスクリーンを必要としないこと。映像のサイズは壁からの距離とほぼ等しくなり、壁から約26インチの位置に設置すれば30インチの映像、壁から133インチなら150インチの映像が楽しめます。プロジェクションは平面な床に置かれている限りは十分調整でき、最大9度まで上方に投影できます。また背面を向ければ天井への投影も可能です。

ただし映像が歪んでいるときの調整には、ビットをいじくり回す必要があります。しかしこの問題は手動だけでなく、プロジェクターのオンリモートアライメントボタンでも解決できます。EF12の本体は靴箱ほどのサイズで、コーヒーテーブルやベッドサイドテーブル、あるいは棚の上にも置けます。なお利用にはコンセントへの接続が必要です。

明るさは十分でしたが、場所によってはパフォーマンスに差が出ることに気づきます。これは1,000ドルのEF12の最大の問題となりそうです。EPSONによれば、白色なら最大1,000ルーメンでの投影ができるとしていますが、日中かつ南向きに大きな窓があるリビングでは(木製ブラインドを使っても)鮮明な映像が得られませんでした。

つまりこのプロジェクターは、1日のうちいつでも非常にクリアな映画鑑賞を行いたい人に最適な製品ではありません。もし明るさが携帯性よりも重要なら、2,700ルーメンを実現したEPSONの同価格帯のHome Cinema 2250という3LCDでフルHD 1,080p解像度対応プロジェクターを検討したほうがいいかもしれません。

このプロジェクターで気に入った点の1つは、ほとんどのコンテンツをストリーミングデバイスなしで視聴できるので、セットアップの手間が大幅に軽減されることです。ただし内蔵のAndroid TVとChromecastでは、Netflixが利用できず(EPSONの広報担当者によれば「ハードウェアの認証とライセンス契約に取り組んでいる」とのこと)、セットトップボックスを接続したほうがいいかもしれません。ストリーミングスティックやドングルは、2つのHDMIポートのいずれかに差し込むことができます(両方ともHDMI 1.4)。

HDMIポートといえば、2つのうち1つは外部オーディオに対応したHDMI ARCポートとなります。これも素晴らしいのですが、むしろ内蔵された5W/2チャンネルのYAMAHAスピーカーからのサウンドの質の高さに感銘を受けました。小音量でも深い質感の低音を再生できるのには、本当に驚きです。なお深夜に再生するときには、低音再生機能をオフにもできます。

また、高音の処理もうまくいっています。『アベンジャーズ/エンドゲーム』は外部スピーカーを使わなくても、素晴らしい音で楽しめました。さらにサウンドバーやサブウーファー、サラウンドシステムを使用すれば、より臨場感あふれるオーディオを手に入れることができます。なおプロジェクターをユーザーの横ではなく、正面または背面に配置したときに最もよく聴こえるようです。さらに製品はBluetoothスピーカーとしても機能します。それ以外の外部ポートに関しては、USB Type-AとUSB Type-mini-Bが用意されています。

結論として、EF12は近くに電源があり、主に暗い部屋や光があまり当たらない場所、夜だけ(あるいは屋外)に、音の良いストリーミングボックスを使いたい人がターゲットです。繰り返しになりますが、これは最高の明るさのプロジェクターを求めている人には向いていません。しかし、大きなテレビは使いたくないけれど大きな映像を楽しみたいという消費者にとっては、素晴らしいソリューションとなるでしょう。もし割引などで安く手に入れられるのであれば、この小さなストリーミングボックスは狭いスペースやディスプレイなしのテレビ体験を望む人々にとって、良い解決策だと思います。

まとめ

EF12はAndroid TVを搭載したポータブル1,080p解像度プロジェクター。

大きな映像を経験したいが、テレビを置く場所がないケースでも、150インチの大画面を提供してくれます。

小さな本体にも関わらず素晴らしいオーディオ品質で、Bluetoothスピーカーとしても利用できます。

高価で、同じ値段の据え置き型プロジェクターならより良い画質を得られます。

コンセントへの接続が必要ですが、携帯性は素晴らしいです。