古材の価値は「歴史やストーリー」。古い木材を活用してサスティナブルな社会へ

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  • author 渡邊徹則
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古材の価値は「歴史やストーリー」。古い木材を活用してサスティナブルな社会へ
Image: Mugendai(無限大)

歴史があるってかっこいいこと。

全国的な空き家の増加や、リモートワークの普及などで注目される中古住宅のリノベーション

IBMが運営するWebメディアMugendai(無限大)に、古い建物から出た古材や古家具の販売を手掛ける東野唯史さんが登場。その活動と、住宅とSDGs(持続可能な開発目標)の関係について語られていました。

「解体現場で剥ぐ」から始まる活動内容とは

インタビューに登場していた東野さんは、解体に伴う廃棄物の削減や資源の有効活用などの事業を展開する、ReBuilding Center JAPAN(以下、リビセン)の代表です。

元々古材に携わっていた東野さんでしたが、新婚旅行で訪れたポートランドのReBuilding Centerに感銘を受け、すぐに交渉。名前やロゴの使用許可を得てリビセンを設立した行動派。

古材の価値はデザイン性だけではなく、「歴史だったり所有者の思いだったり、ストーリーを内包している」ことだと語っています。そのことに気づいてから、 元家主の思いに寄り添うリノベーションを取り入れることになったそうです。

古材に価値を。住宅のリノベーションが、SDGsを考え直すきっかけになりそう
Image: Mugendai(無限大)

「解体現場に出向き、古材を剥ぐ」といわれても、素人にはなかなか想像しにくいもの。記事では、活動の基本となる3つのチームが紹介されていました。

まず活動のベースになるのが、Builders Centerと呼ばれるチームで、古材や古道具の販売や提供を担っています。カフェやワークショップなどを通じ、リビセンの考え方を広める活動を行なっているのが、Culture Center。最後のDesign Centerは、古材の可能性を探り、空間のデザインなどを手掛けているそうです。

避けて通れないSDGsの課題。住宅と古材が考えるきっかけに

資源の枯渇、環境破壊などから近年よく耳にするのが「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」の言葉。古い木材を活用するリビセンの活動はまさにSDGs的といえそうですが、そこには日本の住宅事情に対する東野さんのある思いがあります。

一般的に、日本の住宅は新築時の価値が最も高く、年を経るほど価値が目減りすると考えられています。東野さんは決してそれを否定しませんが、一方で「いろいろな考え方があっていい」と感じているそう。

人口減少や税制といった日本独特の事情を鑑みてさまざまな選択肢があると、以下のように語っています。

たとえば新築物件を建てる時に、断熱性能が高い環境負荷の少ない家を建てようとしている人たちがいたら、それはそれで正義だと思います。一方で断熱性能は高くないかもしれないけど、化学系の物質を使わないで無添加住宅を作っている人たちもいて、それも正義です。みんなそれぞれの視点で環境問題に取り組んでいるので、一概にどの活動がベストと言うのは難しいです。僕らなりの正義としては、日本にこれだけ住宅のストック(空き家)があるのに活用できておらず、新しく家を建てるのは勿体ないというのがあります。

東野さんはほかにも、住宅のような大きなものではSDGsについて想像しにくい場合、身近なところから少しずつ意識しては、と語っていました。

古材に価値を。住宅のリノベーションが、SDGsを考え直すきっかけになりそう
Image: Mugendai(無限大)

ほかにも、「サポーターズ制度」と呼ばれるボランティア制度の話題など、環境問題を考えるきっかけになる続きは、Mugendai(無限大)よりお楽しみください。

Source: Mugendai(無限大)