「デザイナーが抱える悩みが消える」。3DCGアーティストによるハイスペックPC「raytrek」の評価

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  • author ヤマダユウス型
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「デザイナーが抱える悩みが消える」。3DCGアーティストによるハイスペックPC「raytrek」の評価
Photo: Daisuke Ishizaka

ハイスペック=安定感=データクラッシュがなくて安心。

VR、AR、バーチャル。ほんの数年前まではゲームや創作物の中でしか見かけなかった言葉が、いまや日常的に飛び交うようになりました。先ごろ開催された東京ゲームショウ 2021では、VR会場なんてのも用意されていましたね。

僕らが見かけるデジタルコンテンツの裏側には、もちろん作り手が存在します。写真家の桐島ローランドさん率いるCyberHuman Productions(サイバーヒューマン プロダクション)もまた、3DCGやAIなどの先端技術を活用したクリエイター集団。過去には55台ものフルサイズミラーレスカメラを使った移動式3Dスキャンスタジオ「THE AVATAR TRUCK」の取材をしています。あれはすごかった…。

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Photo: ギズモード・ジャパン
移動式3Dスキャンスタジオ「THE AVATAR TRUCK」の内部

今回はそんなCyberHuman Productionsに、クリエイター向けPCブランドraytrek(レイトレック)のデスクトップPC「raytrek ZG 写真&動画編集向けモデル」を使ってもらいました。raytrek ZGは、CPUにCore i9-11900K、GPUにGeForce RTX 3080 10GB、メモリは32GB(最大128GBまで増設可)を搭載した本格的なクリエイター向けPCです。3DCGのようなデジタルコンテンツの制作現場にも、そんなハイスペックなPCが重宝されるはず。でも、具体的にどんな部分で役に立つか、作ってる人に直接聞いてみたくないですか?

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CyberHuman Productionsはどんな集団なのか、そして「raytrek ZG 写真&動画編集向けモデル」の使い心地はどうだったのか。自身もガジェット通という桐島ローランドさんと、同社の3DCGアーティスト・金 赫珍(キム・ヒョクジン)さんにお話を伺いました。

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写真左:3DCGアーティスト、金 赫珍(キム・ヒョクジン)さん 写真右:桐島ローランドさん

CyberHuman Productionsってどんな会社?

── 「技術(Cyber)」と「人間(Human)」の融合を目指すクリエイター集団と公式サイトに書いてありますが、CyberHuman Productionsはどんなことをやっている会社なのでしょうか?

桐島さん:要になるのは3DCG制作ですね。ARやVR向けのアセット、バーチャルライブなど、時代の流れに合わせて何でもやってしまおうと思っています。あとは僕たちの母体がサイバーエージェントなので、広告代理店の営業や広告クリエイティブの制作もあります。去年、特に成功したのはバーチャルライブ事業ですが、これから来るのはデジタルツイン(現実を精巧に複製し、さまざまな用途に応用できるデジタルデータ)だと思います。

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Image: CyberHuman Productions
モデルの冨永愛さんを撮影した、デジタルツイン。

──3DCGという大枠を軸に、AR方面やバーチャルライブ方面など、その時々で各方面に力を入れているのですね。

桐島さん:昨今はAIも重要ですね。広告代理店に関してだと自動化だったり、どんなコンテンツが当たるのかだったりと予測にAIを用いることがありますが、僕たちの場合はAIをCGに応用しています。

──CG制作はコンピュータを使うとはいえ、手作業の部分も多いですもんね。

桐島さん:とても多いです。その手作業の部分をAIを使って簡単にしたいし、3Dスキャン撮影によってCGを作るフォトグラメトリも効率化のための手段ですね。また、多くの人物の3Dスキャンのデータがあることによって、ディープラーニングにも応用できます。肌の質感や顔の凹凸などのデータを持つことで、さらなるCG制作の効率化を目指しています。

──フォトグラメトリのためのスキャンによるデータの蓄積が、よりCG制作を効率化させていくと。

桐島さん:そう。例えば海外でもたくさんの人物の顔をスキャンした3DCGのビッグデータはあるんですけど、白人やヒスパニック、黒人のデータを用いたビッグデータになってしまって、日本人と相性が良くないんですよ。アジア系の顔の平均値みたいなのは、自社で開発しないといけません。最近だとディープフェイクのような顔をスワッピングするアプリがあるじゃないですか。あれも白人寄りの顔になってしまうんですよ。

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Image: CyberHuman Productions

──アジア系のスキャンデータの母数が、欧米よりも不足しているゆえの現象ですね。

桐島さん:ディープラーニングのソフトも自社開発、データの収集も自社開発です。なので弊社にも研究系の人が多く在籍しています。

──となるとスキャンの機会を増やしていくことが重要ですし、移動式の3Dスキャンスタジオ「THE AVATAR TRUCK」は、そうした意味でも便利ですね。

桐島さん:そうですね。僕らの場合はタレントさんやアスリートをスキャンすることが多く、彼らは忙しいからなかなかスタジオに来るのも難しい。じゃあ僕らが出張しようという発想から生まれたのが「THE AVATAR TRUCK」で、どうせならこれをフラッグシップにしようと思いました。おそらく世界最高の移動式スキャニングトラックだと思います。個人でやってる人もいるかもしれませんが、スペキュラデータ(光の反射や肌のツヤなどの情報)まで撮れる出張型のスキャンシステムは無いはず。

──スキャニング以外にはどんな業務をしているのでしょうか?

桐島さん:広告制作が主になってきます。CG制作会社であればどこもやっているようなやつですね。あとはAR・VRコンテンツ、バーチャルライブ、高精細なCG背景を映せるLEDウォール、グリーンバックを使ったVRスタジオなどを展開しています。スキャンについても、最近は建物のスキャンなどを始めています。デジタルヒューマンに続く、環境のデジタルツインですね。

CyberHuman Productionsが手掛けた、バーチャルアーティスト・キズナアイのバーチャルライブ。

移動式スキャンスタジオの最高峰「THE AVATAR TRUCK」

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Photo: ギズモード・ジャパン

──「THE AVATAR TRUCK」では、デジタル一眼レフを60台以上用いて撮影しています。見た目にもすごくインパクトがあるのですが、1回のスキャンでどれくらいのデータが転送されているのでしょうか?

桐島さん:あれは一般的なRAWデータで撮ってるので、60MBくらいかな。それが1秒で9枚連写×60台くらいですね。

──僕が体験したときは3枚連写だったので、クオリティがアップしてますね!

桐島さん:3枚は今からすると初期の段階ですね。撮影したデータはUSB Type-Cで一気に転送しています。USB 3.0になったおかげでかなり転送が早くなりましたね。転送だけでなくストロボ同調の課題もあったんですけど、そこも解決しました。こうした問題はメーカーサポートも課題になってきて、僕もメーカーの顧問をしていた時に「こうしたスキャンのスタジオは世界中に何百とあるんです」って話しはしたんですけど、やっぱりフォトグラメトリはニッチなジャンルなので難しいですね。

──「フォトグラメトリモード」みたいなのがメーカー側から提供されるのは、難しそうですね…。

桐島さん:フォトグラ専用のカメラを出してくれればすごく助かるなとは思います。現状の3Dスキャンの使い方だと要らない機能がいっぱいあるので、とてももったいないんです。でも、現実ではスマホだけで3Dデータが撮影できる時代ですし、ディープラーニングが進化していけば数枚の写真から立派なフォトグラを生成できるようにもなってくると思います。特殊な機材が必要になってくるのは、あと5年くらいかなぁ。

──これも気になっていたことなんですけど、フォトグラメトリで制作したCGと、いわゆる映画などで見られるリアルなCGとで、なにか違いがあるんでしょうか?

桐島さん:現在のハリウッドでのプロダクションでは、どこもフォトグラメトリで役者さんのデジタルツインを作っています。もちろんゼロから作ったハイクオリティなデジタルツインもありますが、ゼロから作るのとスキャンするのとでは制作期間に大きな違いがありますね。

ヒョクジンさん:最終的なアウトプットのクオリティにもよりますが、人物をゼロから作るとしたら少なくとも1カ月、長ければ3カ月かかりますね。フォトグラメトリを使えばその半分以下の期間で作れると思います。

桐島さん:スキャンしただけのノイズ付きのデータであれば、「THE AVATAR TRUCK」でその場で作れますし、僕らはノイズの除去やスペキュラデータの生成も自動化できるので、髪の毛なしの状態であれば1日でデータを作れるのが強みですね。スカルプティング(粘土で人形を作るように3DCGモデルの形状を制作する方法)でゼロから作るのも早い人はいると思うんですけど、やっぱり時間はかかると思います。

ヒョクジンさん:人間の肌はアップして見るととても複雑で、それを手で描くのはすごく大変なんですよ。そうした質感の情報などをスキャンなら簡単に出せるので、アーティストはスキャンしたデータを元に手を加えるのが一般的な作業になると思います。

建物のスキャンはたった3〜4人、1日で終わらせる

──フォトグラメトリで人物のCGを作るメリットが、とてもよくわかりました。一方で建物のスキャンですと、サッカーチームFC町田ゼルビアのホームスタジアム、町田GIONスタジアムをスキャンしてバーチャル化したと伺いました。

スキャンデータで制作した町田GIONスタジアムと、LED WallのCG背景を活用して制作された「ZEL STAアプリ」プロモーション動画

桐島さん:昔からお城や重要文化財のスキャンなどはありましたが、ここ数年さらにクオリティが良くなってきています。町田GIONスタジアムではフォトグラメトリとレーザースキャナーを併用しています。レーザースキャナーにはフォトグラメトリにはない強みがあり、環境スキャンには重要ですね。昔はフォトグラメトリとレーザースキャナーのデータの組み合わせはハードルが高かったんですけど、僕たちも知見が深まってきたので可能になりました。

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Image: CyberHuman Productions
町田GIONスタジアムで使われたレーザースキャナー

──建物のスキャンとなると、どれくらいの時間がかかるのでしょうか?

桐島さん:データ化までは1週間、Unreal Engineで使えるレベルに持ち込むのに2カ月かからなかったですね。スキャン自体は半日作業が2日で、約1日かな。

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Image: CyberHuman Productions


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Image: CyberHuman Productions


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Image: CyberHuman Productions


──思った以上に早くて驚きです!

桐島さん:フォトグラメトリにはドローン(Mavic 2 Pro)と手持ちのカメラを使ってます。ドローンで60fpsの動画を撮れば、1フレームでも十分な画質のスチルが起こせるんですよ。昔はタイマーで少しずつスチルを撮ってたんですけど、動画になったおかげでそこも高速化できています。3パターンくらいの高さでスタジアムを一周すれば、フォトグラに必要なデータはほぼ集まりますね。それだけなら10分くらいで済みますね。

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Image: CyberHuman Productions
町田GIONスタジアムでドローンを使った撮影の様子

──ドローンの空撮に加えて、今度はスタジアム内を手持ちで撮影するわけですね。

桐島さん:そうですね。僕らの作ったアセットはスタジアム内やベンチの下、トイレの中まで全部入れるようにしてあります。最近は需要としてもそうしたデータが求められてきて、例えば災害シミュレーションで駅をスキャンして欲しいという話があります。人がどんな風に流れてどこで事故が起こりやすいか、そうしたシミュレーションに活用できています。群衆の行動シミュレーションも高精度になってきていますしね。

──カメラの高画素化がスキャンの効率化に、シミュレーションの高精度化が様々な実例の応用に繋がっているのですね。テクノロジーの進歩をとても感じます。

桐島さん:実際、スタジアムのスキャンは3〜4人でやったと思いますよ。今までならかなり気合いをいれないとできなかった大規模なスキャニングでも、ミニマムなチームでできるようになりました。

──数年前だと、重要文化財のスキャンなどはかなり大掛かりで大人数でやっていたのをテレビで見たことがあります。それが4人程度で済んでしまうとは。

桐島さん:とはいえ、スキャンしたデータはそのまま使えるわけではなく、データのクリーニングや専門的な技術を持った人が調整する必要があります。いま、こうした部分を自動化しようと頑張っている最中で、僕たちも研究開発をしています。現在はデータが足りないだけで、5年後か10年後には可能になると思いますね。

──スタジアムのスキャンデータ量はどれくらいになるんでしょう? 一体どれくらいのデータであのバーチャルな建物が作れるのかなと。

桐島さん:レーザースキャナーを含まない、写真や動画などの撮影データだけで1TB以上、データ化までしたものが2.5TBですね。

モデリングってどんな作業?

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──スキャンしたデータはモデリングでデータ化するそうですが、モデリング作業について簡単に教えていただけますか?

ヒョクジンさん:モデリングはCG空間内において形状を決めること、かたちを固めてしまうことです。実はモデリングという言葉は日本と海外で認識が違っていて、海外だとモデリングサーフェーシングの2つの工程に分けられます。日本ではひっくるめてモデリングと呼ばれていますね。

──モデリングとサーフェーシングの違いは?

ヒョクジンさん:質感のついていない粘土の状態で形状を決めるのがモデリング、質感を起こす作業がサーフェーシングです。

桐島さん:海外ではハードサーフェスアーティストなんて呼び名もあって、サーフェスだけでも多くの分野があるんですよ。硬い表面の専門家、柔らかい表面の専門家など、各分野のスペシャリストがいます

ヒョクジンさん:日本でいうと、キャラクターを描く人と背景を描く人の違いが近いと思います。

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──なるほど、そう言われるとしっくりきます。アニメなどでもキャラクターを担当する人と背景を担当する人は違いますし、絵を描くのは同じでも専門とする分野が大きく違いますね。

桐島さん:海外でもジェネラリスト的な全体の作業ができる人はいますけど、得意な分野に集中した方が良いものはできるのは確かですから。もちろん予算や期間の違いなどもあるので、簡単には比べられませんが。

──スキャンとモデリングのあいだには、どんな工程があるんでしょう?

ヒョクジンさん:何度か話に出てきましたが、スキャンしただけのデータには色んなノイズが含まれます。例えば毛や服などの形状が複雑なもの、ひとかたまりでないものはデータ化できないので、これをクリーニングで除去します。そうしていったんクリーニングされたデータがCGアーティストに届きます。アーティストはそのデータを元にCG空間で再現するためにモデリングをする、という流れです。場合によってはアーティスト側でクリーニングすることもあります。

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──モデリングにはどんなソフトを使ってるんでしょう?

ヒョクジンさん:主に使ってるツールだと、「Maya」、「ZBrush」、「Mari」「Substance Painter」ですね。人によってはAdobe Photoshopで作業される方もいます。

Maya…3DCGモデリングの定番ツール。シェアが大きく素材や教材が豊富。

ZBrush…スカルプティングに特化したツール。粘土をこねるような独特な操作。

Mari…3Dペイントツール。UDIMという便利なテクスチャシステムで知られる。

Substance Painter…3Dペイントツール。質感などを描画できる。

──人物ではなく、町田ゼルビアのスタジアムのスキャンでは、モデリング作業というのはどんな流れになるんでしょうか?

桐島さん:あまり違いはありませんが、「ZBrush」は使わず「Maya」がメインになると思います。「ZBrush」は背景よりも人物向きですからね。あと、僕たちのデータは最終的にUnreal Engineに落とし込むんですけど、最近Unreal Engine自体にスカルプティング機能がついたので、そちらを使うのもアリだと思います。色んなプラットフォームで作るとエラーが起きやすいので、統一プラットフォームで作れるに越したことはないですね。CGの世界はそこのところがほんとに面倒なんですよ。

──インターフェースもソフトごとに違いますし、CGの人は覚えることが大変だろうなぁと遠くから見ていて思います。せめてショートカットなどを統一してくれれば…。

桐島さん:3DCGのソフトはそのへんが大変ですね。そこらへんはAdobeがさすがだと思います。

ヒョクジンさん:CGアーティストはそのあたり難しくてもやらなきゃいけないし、しかも新しいソフトの開発も早いんですよ。どんどんソフトが便利になっていくので、昔のやり方やツールを使い続けていると進化がなくなると思います。ツールを100%使いこなせる人っていないと思うので、重要な部分だけピックアップして「この作業のときはこのツールを使う」と、うまく扱っていかないといけませんね。

モデリングに求められるPCとは

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──モデリングには本当に様々なソフトウェアが必要になってくると思うのですが、ソフトを動かすPCにはどんな要件を求めますか?

ヒョクジンさん:理想は全部ですね(笑)。でも、使うツールによって求めるスペックも多少変わってきます。自分の使うツールがCPUベースなのかGPUベースなのか。日本で制作する分にはどちらも重要になってくると思います。レンダリングも最近はGPUレンダリングができるようになってきたので、やはりCPUとGPUの両方が必要になってきますね。

──CPUとGPU以外ではどんな要素を重視していますか?

ヒョクジンさん:メモリは64GBは欲しいですね。モデリングの作業をしながらテクスチャリングの作業をしたりとか、レンダリングの裏で別の作業をしたりとか、ツールの併用が多いので。あと重要なのはSSDですね。

──CG制作の場合、データ量も大きくなると思うのですが、ストレージはどう管理していますか?

桐島さん:OSやソフトの起動はSSDにして、セーブデータはHDDにするというのが効率的です。データはクラウドに上げてしまうことも多いので、OSはマストでSSDに、かつソフトもSSDに入れると良いですね。

ヒョクジンさん:一方で、最近は保存にかかる時間も短くできないかって動きがあって。ずっとSATA接続のSSDを使ってきたんですけど、今回使った「raytrek ZG」はNVMe接続のSSDじゃないですか。保存が早くて、びっくりしました。自動保存も早くなったので、今までだと保存中に誤って操作してクラッシュしていたのがなくなりました。

──ちなみに「raytrek ZG」を使う前の印象はどうでしたか?

ヒョクジンさん:早いだろうなとは思いました、スペックを見ても非常にハイエンドだったので。実際触ってみても早かったですね。

──特にどんな作業において早さを感じましたか?

ヒョクジンさん:レンダリングですね、めちゃ早かったです。長ければ何時間もかかる場合がありますが、これでレンダリングをしたら、通常の半分とはいかなかいものの、体感でいつもの70%くらいの時間になったと思います。「ZBrush」を触ってる時も、結構重いデータを動かしてみたんですけど快適に動きましたね。

──今回使っていただいた「raytrek ZG」には、Core i9-11900KのCPUや、GeForce RTX 3080のGPUといった、性能の高さを感じた場面はありましたか?

ヒョクジンさん:これもやっぱり「ZBrush」ですね。表示関係で重いものを動かすとディレイが発生することがあるんですが、今まで使ってたPCだと重かったシーンを動かしてみても、かなり早く動いてくれました。例えば人物を作る場合には、ディテールをどんどん追加していくんですけど、そうすると負荷がかかってきます。そんな時でも動作が遅くならないのは性能の高さだと思います。

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──お使いいただいた「raytrek ZG」のメモリを128GBへと、もはやストレージに匹敵する数値を積んでいます。さきほど64GBあれば十分だと言われていましたが、128GBはどうでしたか?

ヒョクジンさん:使い切れないでしょうね(笑)。 仕事用兼ゲーミング用としてならあっても良いかな、と。

──お二人に伺いたいのですが、今回「raytrek ZG」を使ってみて、まとめとしての印象はどんなものでしょう?

ヒョクジンさん:作業でいうと、普段やっていた作業から結構な削減ができました。それよりも印象深かったのは、色んな面でストレスを感じなくなった点です。例えば5〜6時間かけて重いモデリングをやったのにいきなりクラッシュしてデータが消えてしまうなど、そういうことがなくなると思います。これはデザイナーに限らず皆同じ悩みだとは思いますね。

桐島さん:自作マシンの課題って、パーツの相性があるじゃないですか。でも、こうしてメーカーがビルドしてくれたマシンは相性の良いものを揃えてくれているので、そこも安心ですね。弊社でも自作マシンを使ってるんですけど、頻繁にデータがクラッシュするんだけど理由がわからないとか、そういう声も少なくないんですよ。raytrekにはそこの安心感はありますね。

──最後に、「raytrek ZG」のようなハイスペックPCは、CyberHuman Productionsの事業にとって、どんな影響があると思いますか?

ヒョクジンさん:皆が笑顔で作業できるようになると思います(笑)。

桐島さん:僕たちは安定性、安さ、高速性などを重要視していますが、そうした意味ではめちゃめちゃクリアしているマシンだと思いますね。企業はもちろん、個人で使う場合もコスパ以外にも優先できる要素があると思います。

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クリエイターズブランドraytrek。3DCG制作において、最前線にいるCyberHuman Productionsの現場においても、そのスペックは多いに活躍してくれるものでした。

ハードな作業が多いCGアーティストにとっても、満足いくモデルといえそうです。


raytrek ブランドサイト

raytrek ZG 写真&動画編集向けモデル

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Photo: Daisuke Ishizaka

Source: raytrek