GAFAM通信簿2021年版

  • 9,035

  • author satomi
  • X
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
GAFAM通信簿2021年版
Image: STATISTICA|2021年1~9月売上高の前年比較。

今のインターネットを支配するのは米国5強のGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)と中国4強のBATX(Baidu、Alibaba、Tencent、Xiaomi)。米側は親会社の頭文字で呼ばれたりもします。

ここでは来年への期待をにじませながら、米5強の今年の動きを簡単に振り返ってみましょう。

GAFAMの1年の売上は155兆円超

GAFAMは今年も景気のいい1年でした。

上のグラフは9か月間の売上の前年比較ですけど、9月末までの1年間の売上を見てみると、GAFAM5社で合計1兆3500億ドル(155兆円超)。利益は前の1年間と比べてMicrosoftが43%増、Amazon51%増、Meta(Facebook)59%増、Apple65%増、Alphabet(Google)98%増という驚異的伸びを示しています。

なかでも利益が厚いのがAppleで、1秒に3,000ドル(約35万円)という、よくわからないペースで利益を蓄積中。

一番利益が少ないのはAmazon(883ドル)ですが、これはこれで、儲からないように投資に回したり、赤字覚悟の廉売で競合を駆逐してきた過去を思うと、ある意味、ふつうに儲かってるより不気味な数値と言えそうですよね。

立ち上がる社員

社会的影響力という点では、10月のFacebookの内部告発がやはり大きかった…。Facebookは告発者フランシス・ホーゲンさんの勤続年数が少ないことや意思決定レベルの会議に出た経験がないことなどを挙げて信用失墜を図りましたが、議会やTVで赤裸々な内情が明らかになり批判が集中。Facebookは親会社を設けてMetaに社名変更するウルトラC的危機管理で、危機を好機に転じようと必死です。

Appleも内部告発が顕在化した1年でした。こちらは有志が女性や非白人の給与水準の低さを調べようとしたら上からストップがかかって握りつぶされてしまったという話。MeTooをもじった苦情箱のサイト「#AppleToo」には性差別・人種差別・性的暴行・自殺・年齢差別などに関する苦情が数百件集まったんですが、ティム・クックCEOは「リーカー排除」の警告で応じ、発起人のひとりが秋解雇になりました。

世界2万人ウォークアウトで2008年に社員アクティビズムの先鞭をつけたGoogleでも発起人は配置換えなどの報復を受けて続々と辞めたので、GAFAM相手に戦うのは本当に決死の覚悟ですね…。

さ、ではさっそく独断と偏見の通信簿を…どうぞ!

GAFAM通信簿2021

GoogleAmazonFacebookAppleMicrosoft
製品

サー
ビス
5
Chromebookが大躍進(残る課題は互換性)。Pixel 6神お求めやすいPixel 5aも魅力。
5
Fire TV Stickが驚きプライスで日本の茶の間に浸透。
4
若者離れ、デマ対応に追われた1年。FB臭を消したRay-Ban StoriesOcculus Quest 2周りの展開で意地を見せた。
4
発表多かった! ワクワクがないのが残念。RINGの元気がほしい。昨年まで同梱だったクロスが売れた。
4
今年のSurfaceは「ほぼ完璧」。買うつもりもないのに買い続けてしまいそう。
技術5
Tensorチップで長年貯めこんできたAIの底力が噴出!量子コンピュータと併せてフロントランナー。
5
倉庫従業員の事故減らしにロボ投入
4
ARでAppleの箱庭脱出を図りたいFB。メタバース/NFTに舵を切る。FB投資家アンドリーセンはTwitterのドーシーとWeb3.0で喧嘩
3
セキュリティ破られて槍玉に。でもM1 Pro/Maxは好調で、5Gモデムまで自社開発の動き。RISC-V勢も勢いづき脱RISKの動きを加速。眠れる獅子Intelを起こす。
4
EdgeでJava V8のJITをオフにできる「スーパーすごいセキュリティモード(仮)」を導入。年末のlog4j禍で泣く。
環境4
気象変動デマ説に広告を出さないと宣言。ただし実現で苦戦中。そして2030年までに24時間炭素排出ゼロの意気込み。
1
ホッケー場を「気象誓約アリーナ」と名付けてやる気を示したが、梱包ゴミが半端ない。未開封品や返品の廃棄をやめると2年前に宣言してからも大量廃棄していることが内部映像で判明。
1
気象変動デマ説の投稿の88%はノーチェックで垂れ流し
4
草むらのクックに1票。
4
海洋プラごみでできたマウスに1票。
道徳1
社内カーストは健在。正社員は17年から20年までに4割近く昇給したのに、臨時・契約社員は給与据え置きで、賃金平等化が義務の各国で訴えられている。
1
Apple税もぶっとぶAmazon税
1
近所の道にFacebookのマスクが無造作に捨てられていてモラルの低下を感じる。
1
Epic裁判で外部支払い方法へのリンクを認める判決に不服申し立てし、控訴が終わるまでApple税を死守。#AppleTooをねじ伏せようとする。
2
Amazonと軍需予算の奪い合いがヒートアップエシカルショッピングのサイト立ち上げはいい試み。
期待ビジター数世界一の座をTikTokに奪われたGoogle。挽回に注目!本屋が消えた街は寂しすぎるので、利益を地域活性化に回してほしい!包装ゼロ配送もぜひ!「世界をつなぐ」が「世界の憎悪をつなぐ」にならないよう今後に期待!製品買っても法廷の言葉遊びにそのお金が消えると思うと悲しい。歩み寄りを希望!大人の風格で、ネットが迷走しないようリードしてほしい!

まとめ

まったく悪気がなくても、成功しすぎて勝負にならなくなると、零細企業は体力を奪われて疲弊していき、社会全体から活力が奪われてしまいます。そういう弊害が街の隅々でひしひしと感じられるようになった2021年。そこまで目くばせをして社会全体が潤うような発展を夢見て、しめやかに年の瀬を迎えるとしましょう。

GAFAM通信簿2022年版 ほしい?

  • 0
  • 0

シェアするX