タンパク質ってすごい、しっかり摂ったらお腹があんまり空かない。2021年に変わった食の価値観

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タンパク質ってすごい、しっかり摂ったらお腹があんまり空かない。2021年に変わった食の価値観
体組成計で記録していた体脂肪率の変遷。4kg体脂肪が落ちた月も Image: かみやまたくみ

空腹は耐えるものだって思ってました。

2021年にもっとも真剣に取り組んだのはダイエットでした。自粛期間に体脂肪率がかなり増えたんですよね…。後半はずーっと食事制限をしていて、今も続けています。Withingsの体組成計によれば、たまにやってる長時間サイクリングのおかげもあって体脂肪は減少傾向、筋トレもやっていて筋肉量もある程度維持できてます。春にお腹周りがすっきりしてたらいいんですが。

さらっと書きましたが、食事制限を軌道に乗せるのはだいぶ大変でした。自分はかなり量を食べるタイプで、ラーメンなんかも大好き。MyFitnessPalという食事管理アプリで記録をつけ続けているのですが、今年半ばまでは摂取カロリーがだいぶ多くて、長時間運動しない限りはオーバーカロリー、ってくらい食べてました。とにかく空腹に耐えられなかったんです。ダメなのはわかってるんですが…お腹空くと大好きなジャンクフードについつい手が伸びちゃう。春くらいからあれこれ試していましたが、ことごとく失敗していました。

で、いろいろ試した中でうまくいったのが、摂取カロリーに占める、タンパク質の割合を増やすでした。これの何がすごいって、性質上あんまりお腹が空かない。腹八分目で食べてお腹が空かないって経験をしたのは…いつ以来だろ?

PFCバランスを管理してみた

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使ってる食事管理アプリ「MyFitnessPal」の目標設定画面
Image: かみやまたくみ

PFCバランスという考え方があります。1日に炭水化物・タンパク質・脂質でそれぞれ何g/kcal摂ると決めて、その通りになるように食事を用意して食べる、って感じです。

自分はこれをタンパク質(Protein):脂質(Fat):炭水化物(Carbohydrate)=3:2:5にしました。ボディメイクをしている人が採用している比率で、厚労省の基準がP:F:C=1.3〜2:2〜3:5〜6.5なのを踏まえると、炭水化物と脂質は抑え目、タンパク質を多めにって感じですね。今は1日1750kcal(除脂肪体重から計算した基礎代謝量)に収まるように食べています。

P:F:C=3:2:5の場合の内訳は、炭水化物が218g、タンパク質が132g、脂肪は39g。ご飯180gで炭水化物61gくらいなので、1食1膳ちょい食べられる感じですが、始める前は絶対続かないだろって思いました。だって、ふつうに2膳とか3膳食べてましたし、それでもお腹空いてたから…。

タンパク質132gを真面目に摂るとボリュームがすごかった

ところが、実際やってみるとふつうに続いて、今も続けてます。うまくいっている理由としてひとつ大きいのが、タンパク質30%・132gって実際摂ろうとすると相当なボリュームなこと。

近所のスーパーで売っててよく買ってる味付きの鶏胸肉ステーキはタンパク質が45gくらい摂れるんですが、重量は焼く前で210gくらい。これだけで1日分のタンパク質を摂ろうとしたら600gとか食べないといけない計算です。コンビニで売ってるザバスミルクには450mlでタンパク質が15g入ってるものがあります。もしこれだけで摂ろうとしたら4Lほど飲まないといけません。タンパク質132gを摂るために食べなきゃいけない量って想像以上でした。

ひとつの食材で摂ろうとするとどうやったって飽きるので、バリエーションを増やす方向に自然といきました。ご飯を1膳しか食べれないのは正直不満ですが、鶏肉やら魚あたりの主菜に、納豆やら卵やらヨーグルトで計3品ほどつけられるのでボリュームは十分で、空腹感はあまり感じません。

空腹を感じても、炭水化物中心の食事をしていたときよりも格段にマイルドで(炭水化物が抑え目で血糖値の上下もゆるやかだからでしょうか?)、十分耐えらるというかそもそもあまり気にならない。

高タンパクな食生活はコンビニで売ってる

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コンビニで買う高タンパク質食セット。おにぎり(日高昆布)、サラダチキン、ゆでたまご2個、ザバスミルク。546kcalで、炭水化物50.3g、脂肪12.8g、タンパク質58.3g。
Photo: かみやまたくみ

続いている理由としてもうひとつ大きいのが、サラダチキンやオイコス(高たんぱくなヨーグルト)、ザバスミルクなどのプロテイン食品を買えるコンビニの存在です。自分で用意するのが面倒なときはおにぎり1個、サラダチキン、ゆでたまご2個、ヨーグルトあたりを買って1食としています。

コンビニで売っている食品にはざっくり、菓子パンやお弁当などの高炭水化物・低タンパク質・高脂質なものと、サラダチキンに代表される低炭水化物・高タンパク質・低脂質なものの2種類があります。前者を避けて後者だけ食べてるだけでも、体脂肪はちゃんと落ちました。とはいえコンビニ食は高くつくので、自然と自炊するようになってます。

活用してるツール

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バーミキュラのいいナベ
Photo: かみやまたくみ

PFCバランスを管理するにあたって重要なのは、食べたもののカロリー&成分を確認し、記録すること。また、日々の体重・体組成の変化を記録すると望み通りに身体が変わる食生活なのかが確認できます。そのため、

食事管理アプリ:「MyFitnessPal」や「あすけん」など

体組成計:オムロン、タニタ、Withingsなど

は事実上必須。

ちなみに、自分が使ってる体組成計はこれ。Wi-Fiに対応していて、乗ったら計測データを即アプリに送ってくれます。わりといいお値段ですが、体組成計はAmazonのセールで安くなってることがちょいちょいあり、そのタイミングで買いました。

運動も平行して行っていて、活動量をApple Watchで記録しています。

あとは、自炊を少しでも楽にするためにいいナベやフライパンも買いました。いい製品は火の通りが非常に良く、肉も野菜も短時間でしっかり火が通ります。密閉性も高く、無水調理も可能です。油を使わなくていい製品なので、焼き物などを作った後の片付けも非常に楽です。自分が選んだのはバーミキュラのハイエンドおナベアサヒ金属のオールパンですが、ストレスなく調理や後片付けをコンスタントにやれるのであれば何を使ってもいいと思います。

最近買ってよかったもの:意外と「料理がんばりたくない人向け」だった、バーミキュラのハイエンドお鍋

すごく効率がいい鍋。もともと外食中心の生活を送っていましたが、最近ずっと家で仕事をしている関係で「食事ごとに外に出るのはちょっとなぁ」と思うように。自炊したほう...

https://www.gizmodo.jp/2021/04/vermicular-ovenpod-round-18cm.html

無人島に持っていくなら「オールパン」。これひとつでなんでもできちゃうから!

ふっくらごはんも炊けちゃう!とつぜんですが、ここ5年間わたしが愛してやまない鍋について語らせてください。アサヒ軽金属工業のオールマイティなフライパンシリーズ『...

https://www.gizmodo.jp/2021/07/asahikei-alp.html

タンパク質ってすごい

実のところ、PFCバランスの管理はいちばんやりたくないことでした。調理の手間がなくておいしい外食が事実上NGになるからです。料理のカロリーがわからないお店がけっこうありますから。自分で材料を買ってきて作るか、きちんと栄養成分が表記されているものを買って食べるようにしないと厳しい。週に2回飲み会/外食を入れるとトータルでプラスなのかマイナスなのかわからなくなります(ちなみに、ほかの日に食事制限できていても体脂肪の減少はストップするので、たぶんオーバーなんだと思います)。

でも、あれこれ試していて食生活を変えないと太る一方だなぁと。インドアサイクリングや定期的な有酸素運動を長時間やって摂取カロリーに消費カロリーを追いつかせる、なんてことも試しましたが、むしろ大変でした。ラーメン二郎を食べたら自転車で数時間かけて100kmとか走らないといけません。理屈で言えば、消費カロリー>摂取カロリーにすれば体重は落ちていきますが、運動を軸にやるのは仕事をしながらだとあまり現実的ではありません。結局、摂取カロリーを落とす=食生活を変える、しか選択肢は残されていませんでした。

そうしてPFCバランスに(嫌々ながら)手をつけたわけですが、十分なタンパク質を摂るようにしたら思った以上に楽でした。タンパク質を重視した食事はボリュームがしっかりあって空腹感が薄いので、相当に意志の弱い自分でも続けられるんですよね。これまで自分はお腹が空いたら我慢するか食べるしかない、と思っていたのですが、今年はそれが変わりました。意外なところにお腹が空かない、無理もあまりない方法があった、という。

※健康に関する内容であり、万人に妥当するかはわかりません。試される際はあくまでご自身の責任でお願いいたします。ふだんと摂取カロリーはあまり変えずにタンパク質の割合だけ増やすなど、無理のない設定からスタートするなどし、必要があれば専門家に相談するようにしてください(自分は2000kcalで始めて、様子をみながら少しずつ落としていきました。ちなみに、2000kcalを3:2:5で食べるのは大変でした。量がマジで多い…)

Reference: 農畜産業振興機構