タテ型マウス・ロジクール「Lift」は手首の痛みを救うか? 1カ月使ってみた

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  • author Florence Ion - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
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タテ型マウス・ロジクール「Lift」は手首の痛みを救うか? 1カ月使ってみた
エルゴノミックなタテ型マウス・ロジクールLift。(Image: Florence Ion - Gizmodo US)

たしかに、ペンを持つのと同じような手首の角度と動き。

ロジクールから、「自然な姿勢で作業できる」という触れ込みのタテ型マウス・Liftが登場しました。手首の痛みに悩んできた、米GizmodoのFlorence Ion記者がレビューしています。エルゴノミクスの効果やいかに?


手首の痛みで死にそうなんです。多分年齢のせいもありますが、長年の姿勢の悪さから、手根管症候群っていうのになってるんです。在宅仕事するようになって以来(コロナよりずっと前から)、前かがみでキーボードもモニターも変な配置のままだったし、マウスの選び方もデタラメでした。だからロジクールLiftがやってきたのは、私にとってこの上ないタイミングでした。

私はこういうタテ型マウスを使うのは初めてですが、エルゴノミクスをちゃんと考えた世界の入口にはぴったりだと思います。このマウスをレビューする前は手首が痛くてずきずきしてたんですが、今まで使ってたロジクールのG305からLiftに変えてから状況は一変しました。G305も真っ当なワイヤレスマウスですが、見た目重視だと体に負担がかかるんだなって現実を感じました。

でも幸い、Liftは色もかわいいしスタイルも今風なので、健康のために見た目を捨てるっていうほどでもないです。数週間使ってみた今、Liftで仕事を片付けるのが本当に楽しみになってます。ハンドシェイクスタイルの握り方で、指にゆとりができました。70ドル(日本国内税込価格7,700円)のLiftに唯一問題があるとしたら、汚れがつきやすいことです。どうしたらLiftをきれいにできるのか、これが次の課題です。

ロジクール Lift

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これは何?:タテ型のワイヤレスマウス。

価格:70ドル(日本国内税込価格7,700円)

好きなところ:静かなボタン、すごく使い心地が良い、バッテリーライフ長い、左利きバージョンあり。

好きじゃないところ:ソフトウェア周りがわかりにくい、手が脂ぎってるとゴム部分が汚れる、左利きバージョンは色が1色しかない


小さめデザイン

Liftはロジクールのタテ型マウスMX Verticalの兄弟分で、由緒正しい家柄です。Liftのほうが小さめで、手の小さい人に使いやすくなってます(ロジクールのWebサイトには、自分のグリップに合ったマウスを探せるサイズガイドがあります)。カラバリはレビューに使ったローズと、グラファイト(黒っぽいグレー)、ペイルグレーの展開です。左利きモデルもありますが、そちらはグラファイトしかありません。

Liftは左右のクリックボタンが静かで、それを売りにしてるわけじゃないんですが、押し心地がソフトなのは体に優しいっていう特長と合ってる感じがします。他のボタンはクリッカブルなスクロールホイール、私は人差し指でページをざっと見ていくときに使ってます。あとはその下の小さなボタンは、DPIの調節用。親指ボタンもあり、これはデフォルトではブラウジングの進む・戻るボタンとしてプログラムされてます。

Lift自体はほとんどの面でなめらかに動きます。私は布製のデスクマット上で使ってて、多分Liftはこういうマットの上で使うようにできてると思うんですが、数週間使ってみると細かい部分にゴミがたまってました

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ゴミが見えるでしょうか。(Image: Florence Ion - Gizmodo US)

ゴミといえば、Liftは1日中握り続けるものなので、数週間使うと手脂の跡も付いてきます。私はデスクでものを食べるので、それがいけないんだとは思います。それに考えるときに顔に手を当てるくせがあるし、顔には色付きのローションがついてるので、マウスが脂ぎるのも必然ですね。でも少なくとも、レビューするまではこのマウス脂問題に気づきませんでした。

ロジクールの周辺機器掃除方法のページも見たんですが、私はまだLiftの汚れを取り切れてません。ガジェットレビュワーの友人に聞いてみると、その友人がレビューしてるガジェットにも汚れが付いてたそうです。ただLiftの場合、本体表面の半分がゴムなので、脂ホイホイみたいなもんです。実際ゴムじゃない部分には、ゴム部分の半分も汚れがありません。

動きはなめらか

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Liftのローズ、実物は手脂が付いてても可愛いです。(Imege: Florence Ion - Gizmodo US)

Liftの汚れは、しっかり握る部分、つまり親指と人差指の触れる部分ほどひどいです。タテ型マウスなので動きは手首よりもその2本の指に集中してきます。便利な道具で大きな絵を描いてるような感覚です。

Liftの使い心地に慣れるまで、少し時間がかかりました。初めて触った瞬間は、今まで慣れてた感触と違いすぎて後悔したくらいです。でも1週間くらい経つと、従来のマウスより動かしやすく感じられるようになりました。

Liftの使い心地は、ワコムのタブレットでペンを動かしてるような感じです。小さく微妙な動きのときに真価を発揮し、手首の小さな動きでもすぐに画面に反映されます。ブラウジングやその他もろもろの仕事でも使いやすいと思いましたが、Adobe Lightroomみたいなプログラムの中で細かいメニューを選んだり、スライダーを調整したりするときには若干やりにくく感じます。ゲームするときは絶対Liftゲームじゃなくて、手首にとっては天敵であるロジクールG203を使っちゃうと思います。

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スクロールは人差し指で。(Imege: Florence Ion - Gizmodo US)

わかりにくいソフトウェア

今までロジクールの周辺機器はいろいろレビューしてきましたが、ロジクールアプリがいろいろありすぎて、毎回どのアプリを使うべきか迷います。私のWindowsマシンには、ロジクール製アプリが6種類入ってます。G Hubはゲーミング周辺機器、CaptureはWebカム、Optionsは別のキーボードやマウス、といった具合です。LiftではドライバーがLogi Bolt、設定がLogi Options+となってます。

これだけソフトウェアが多いと、混乱するばかりです。私は以前ロジクールのPOPというキーボードをレビューしたときにドライバーのLogi Boltをインストールしてあって、なのでLogi Options+をインストールするように促すプロンプトを見ませんでした。このLogi Options+は、多分既存のOptionsの後継になっていく位置づけなんでしょうね。

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Logi Options+そのものは使いやすいんですが、アプリ多すぎなのは問題。(Image: Florence Ion - Gizmodo US)

Logi Options+そのものは使いやすくて、カスタマイズしたい部分をクリックしやすくしてくれます。左右クリックボタンの間のDPIボタンはデフォルトではプログラムされてないので、押してもカーソル速度には影響なくて、Logi Options+に入って調整しなきゃいけません。カーソル速度調整は100DPIずつできますが、ソフトウェアの中では%表示になってます。Liftの最大速度は4000DPIで、ゲーミング用に激しく高DPIにしたい人はそれも可能です。

優秀だけど汚れっぽい

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レビューまでにだいぶ使い込みました。(Imege: Florence Ion - Gizmodo US)

ロジクールいわく、Liftは単3電池1本で24カ月使えるそうです。私は約1カ月使ってますが、Bolt USBレシーバーでつないでいると、まだ残りは100%になってます。LiftはBluetooth接続も可能で、3つのコンピューターやタブレットを登録して切り替えながら使えます。

Liftのおかげで、私はオフィス環境を整えて、仕事終わりに体が痛くならないようにしようという気になりました。それ以来キーボードやキーキャップを変えて、小さいデスクから大きくて高さ調整可能なスタンディングデスクにしました。なので環境はだいぶ改善しましたが、もっと良くなる余地はいつもあります。Liftを使っても痛みは完全にはなくなりませんでしたが、腕を物理的に動かしてコンピューターを操作してるってことは、手首にかかる負担は軽減してます。

Liftは万人向けじゃありません。他のレビューを読むと、手の大きい人には、サイズやボタン配置に慣れるのがもっと難しいみたいです。でも私にとっては、在宅仕事ライフの生産性と快適性を爆上げしてくれました。色も私のデスク周りに合ってますしね。

縦型マウスLift ほしい?

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