Qualcomm最新チップ「Snapdragon 8+ Gen 1」「Snapdragon 7 Gen 1」はゲームを意識した高性能

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Qualcomm最新チップ「Snapdragon 8+ Gen 1」「Snapdragon 7 Gen 1」はゲームを意識した高性能
Image: Qualcomm

まさかARグラスまで。

先週、Qualcomm(クアルコム)が、スマートフォン・タブレット・AR関連(ヘッドセットなど)向けとなる最新モバイルチップ「Snapdragon 8+ Gen 1」「Snapdragon 7 Gen 1」を発表しました。近年注目されるゲームを意識した高性能チップとなっています。

Snapdragon 8+ Gen 1:「+」がついて速度10%アップ

まずフラッグシップチップとなるSnapdragon 8+ Gen 1。去年発表されたSnapdragon 8 Gen 1の強化版といっていいかと。「+」がついたぶん、CPUの速度は最大10%アップし、消費電力は30%減で省エネになっています。クロック周波数は最大3.2GHz、また最大で(一部の人しかまだ使えないだろうけど)5Gの10 Gbpsにも対応。Wi-Fi 6/6Eルーターと互換性ありで、最大3.6 Gbpsまで対応。

Qualcommは特にゲーマーに向けてアピールしており、いわく最新チップならバッテリーも気にせず、今までよりも1時間長くプレイできるそうです。また、AIエンジンにも注力しており、8+ Gen 1はAI系カメラ(人物トラッキングやポートレート系の背景ボケなど)のパフォーマンスを最大20%アップできるといいます。スマホのカメラを重要視する人は多いので、これはモバイルチップとしてはナイスな視点ですね。

Snapdragon 8+ Gen 1チップは、モトローラー、OnePlus、ASUSなどのスマートフォンに搭載予定。

Snapdragon 7 Gen 1:ミッドレンジシリーズ

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Image: Qualcomm

ネーミングを一新し、Qualcomm初のミッドレンジシリーズとなるSnapdragon 7 Gen 1。8 Gen 1と同じく、Adrenoフレームモーションエンジン(省エネで高フレームレートが可能)などゲーム向けの機能を搭載。グラフィックのレンダリング速度が20%アップし、Quad HD+との互換性もよくなるといいます。カメラ性能もしっかりサポートで、3つのカメラで同時に撮影できますし、最大200MP撮影も可能。4K HDR撮影もできます。AI性能も30%アップしているので、例えば顔認識はマスクしたままでも可。ミリ波とsub-6対応のQualcommのX62 5Gモデム搭載。

Qualcommいわく、Snapdragon 7 Gen 1チップ搭載端末は400ドルから600ドルの中価格帯を想定しているとのこと。

Wireless AR Smart Viewer:ラグなしAR体験へ

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Image: Qualcomm

Qualcommがモバイルプラットフォームに注力していく中で、今後需要が高まりそうなのがAR関連。ヘッドセットなどですね。ちょっとびっくりしたのは、チップと一緒にARグラスWireless AR Smart Viewerも発表したことです。これ、QualcommのFastConnect XR Software Suite上でラグなしのAR体験を実現するための開発者向けのレファレンス端末となります。前モデルのXR1よりも40%薄く全体のバランスがよくなっているのが特徴。実際に作っているのは中国のGoertekという企業なので、OEM製品です。

マイクロOLEDディスプレイの解像度は片目1,920×1,080ピクセルで、それぞれフレームレートは90Hz。モノクロデュアルカメラとRGBカメラ搭載で、6軸自由に頭と手のトラッキングも可能。Wireless AR Smart Viewer最大の利点は、QualcommのARプラットフォームにてワイヤレスの強みを十分体験できること。Qualcommいわく、採用しているFastConnect 6900ソリューションなら、Wi-Fi 6/6EとBluetoothと密に繋がるので、あっちの世界をワイヤーフリーで思う存分楽しめるとのこと。ちなみに、アピールしているラグフリーですが、ヘッドセットとスマホ間で起きるラグは3ミリ秒だそう。

Qualcommは今後どうなる?

新しいチップが発表され、搭載予定の端末まで言われちゃうとどうしても気になるのが、あちこちで進む自社チップの流れ。Apple(アップル)のM1チップを皮切りに、Google(グーグル)のTensor、Samsung(サムスン)のExynos。自社端末には自社チップが流行中です。SmasungはSnapdragonも使いつつ、中価格帯のGalaxy A53にはExynos 1280を搭載しているので、いつまでSnapdragonが続くのかは謎。

とはいえ、何もApple、Google、Samsungが(めちゃ強いけど)すべてではありません。世界のスマホ業界で、多くの企業と提携しているQualcomm。今後、Qualcommと自社チップがどういうレースを見せるのかも楽しみです。

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