青く輝く美しい星ここに在り。
地球が初めて宇宙から撮影されたのは1946年のことでした。それが遠い昔の出来事だと思えるほどの月日が流れ、宇宙探査は現在新たな局面を迎えています。今後数年、数十年のうちに、地球をさらに遠く太陽系の奥深くから撮影できるようになっているかもしれません。
人類が宇宙から地球を撮るようになって75年以上経ちますが、そんな中でも特に意義深い写真の数々を見てみましょう。
宇宙から地球を撮影した最初の写真
信じがたいですが、この写真が撮影されたのは1946年10月24日、ソビエト連邦がスプートニク1号を打ち上げる11年前のことでした。宇宙から見える地球を捉えた史上初の写真は、改良されたV-2ロケットに搭載されたカメラで撮影されました(そう、ナチスが第二次世界大戦中に英国などに発射したのと同じV-2ロケットです)。ヘルメス計画のV-2 No.13ロケットは、ニューメキシコ州ホワイトサンズにあるホワイトサンズ・ミサイル実験場から打ち上げられ、最大高度65マイル(約105km)を飛行。それまでの高高度撮影の記録の5倍の高さからの撮影に成功しました。
初めて月の近くから撮影された地球の写真
NASAのルナ・オービター1号は1966年8月23日に、月の近くから地球を捉えた史上初の宇宙船でした。オービターはこの画像を16周目の月周回軌道中に撮影し、スペイン・マドリード近郷のロブレド・デ・チャベラにあるNASAの追跡局に送信しています。
地球の出
前景にゴツゴツとした月の地表を収めた、とても印象的な地球の写真です。こちらは有人の月周回飛行を行ったアポロ8号ミッションの最中、1968年12月24日に撮影されました。
ザ・ブルー・マーブル(青いビー玉)
宇宙から地球を捉えた、最も有名な写真かもしれません。アポロ17号の乗員が1972年12月7日に撮影した1枚は、堂々と青く輝く故郷の星を見せています。NASAの宇宙飛行士らは月へと向かう途中、2万8000マイル(4万5000km)の距離から撮影しました。アフリカ大陸とマダガスカル島、アラビア半島に南極大陸も写っています。
地球と月のツーショット
NASAの宇宙探査機「ボイジャー1号」は1977年9月18日、地球とポツンと離れた月とが並ぶショットを撮影。ふたつの天体がひとつのフレームに収められた初めての写真です。当時、ボイジャー1号は地球から725万マイル(約1166万km)離れていました。この画像は3枚の写真を合成したもので、月を鮮明にするため明るさを補正しています。
史上最も遠いところから撮影された地球
1990年2月14日に撮影されたボイジャー1号のかの有名な「ペイル・ブルー・ドット(淡く青い点)」は、依然として探査機が捉えた最遠からの地球の写真であり続けています。このNASAの探査機は、当時27億マイル(約60億km)離れた位置にいました。カール・セーガンが著作『Pale Blue Dot(邦題:惑星へ)』にこう書いたことは有名です。「あの点をもう一度見よ。あれだ。あれが故郷。あれが私たちだ」
別の惑星から地球を撮った初の画像
他の惑星の地表から地球を捉えた初の画像をご覧あれ。NASAの探査ローバー「スピリット」が、2004年の頭に火星で撮影したモザイク画像です。
火星の地表から見えた地球と月
火星探査用ローバー「キュリオシティ」は、2014年1月31日、地球と月の両方をフレームに収めることで先輩ローバーのスピリットに差をつけました。この画像は日没のおよそ80分後、地球が夜空で最も明るい天体となったタイミングで、キュリオシティのマストカムが撮影。撮影時、赤い惑星と地球との距離は9900万マイル(1億6000万km)も離れていたとか。
こちらの注釈付きの画像は月も見えるよう、拡大して背景を暗くしたものです。NASAいわく、「一般的な視力の人間がもし火星に立っていたなら、はっきりと輝くふたつの星として地球と月を簡単に観測できる」とのこと。
土星と共に写る地球と月、火星、金星
この壮大なモザイク画像は、2013年7月19日にNASAの探査機「カッシーニ」の広角カメラと狭角カメラで撮影されました。探査機は撮影時に地球から8億9800万マイル(約14億6000km)も離れていたため、地球と月はまるでひとつの点のよう。
注釈付きの画像には火星、金星、地球と月の位置が示されています。左側にある明るい点は土星の衛星エンケラドゥスで、画面下側左寄りにある点はまた別の土星の衛星テティスです。NASAが141枚の画像を組み合わせたこの画像には、少なくとも15の天体あるいは天象が収められているとのこと。
Source: Johns Hopkins APL, NASA (1, 2, 3, 4)