壮大な宇宙への夢を実現することはできるか? 火星ではなく金星を目指す民間企業が登場

  • 5,192

  • author Passant Rabie - Gizmodo US
  • [原文]
  • 湯木進悟
  • X
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
壮大な宇宙への夢を実現することはできるか? 火星ではなく金星を目指す民間企業が登場
Image: Rocket Lab

これまた新たな宇宙時代です!

火星を目指す壮大なプロジェクトなどで、大いに民間企業の宇宙探査計画の知名度を上げているSpaceX。ところが、このほど新たに米国カリフォルニアのRocket Labは、民間企業として初めて金星へ宇宙探査機を飛ばすプロジェクトを実施すると、宇宙ジャーナルの「Aerospace」上で発表しましたよ。同社が開発したElectronロケットに探査機を載せ、来年5月に打ち上げ予定。順調にいけば来年10月には金星へたどり着き、金星の上空48~60kmの軌道へ投入して、観測データを収集するとされていますね。

民間企業による宇宙計画の発展

昔はNASAESA(欧州宇宙機関)など、国を挙げた巨大プロジェクトでもない限り、本格的な宇宙計画などあり得ませんでした。ところがいまや宇宙ステーションだって、民間企業の力を借りる時代です。ホットな火星を目指すプロジェクトでも、たとえば新たな民間企業のImpulse SpaceRelativity Spaceが共同で、火星を目指すプロジェクトを来年実施すると発表したほか、Rocket Labもカリフォルニア大学バークレー校のSpace Sciences Laboratoryと契約し、火星へ宇宙船を飛ばすプロジェクトを進めていますよ。

しかしながら、金星を目指すプロジェクトとなると、NASAも1989年に「Magellan」の惑星探査機を打ち上げたきり、もう何十年も遠ざかってしまっています。新たな「DAVINCI」ミッションによって、再び金星を目指すとしてはいるものの、まだ何年も先の話。やはり金星は摂氏471度という高温に達する地表面など、その厳しい環境ゆえにも火星より地球からは近くなるのに敬遠されがちです。とはいえ、上空の雲を調査するならば、大気中に生命の存在を示す証拠が見つかるかもしれないという期待もあったりするようですね。

Rocket Labが来年予定している金星探査プロジェクトで、そのようなデータが見つかるかどうかはともかくとして、民間企業でも金星をターゲットにした宇宙計画を担えることが実証されれば、その意義は非常に大きいといえるでしょう。驚きの発見につながったりすれば、さらに夢が広がっていいですよね。

金星に住むことは可能だったのか? NASA「DAVINCI」ミッションの詳細が明らかに

金星を探査するNASAのDAVINCIミッションは、2029年に打ち上げ予定です。惑星が灼熱地獄になった経緯や、かつての居住可能性を解明するかもしれない同ミッシ...

https://www.gizmodo.jp/2022/06/nasa-davinci-mission.html

Source: Aerospace