一気に涼しくなったので、水遊びはすでに1年後のお話ではありますが、こんなユニークなアイデアがでてきました。音波を利用して水中でメッセージを送る方法ですって。
水に弱いスマートフォンは今や昔。昨今のスマホの中には、耐水・防水性能が優れているものもあります。が、水中では、WiFiやBluetoothのシグナルが吸収され接続が切れてしまうのでスマホの使い勝手は半減。そこで、ワシントン大学は、水中である程度の距離があってもコミュニケーションが取れるツールとしてアプリ「AquaApp」を開発しました。
音波でメッセージの送受信を行なう
AquaAppがAndroidスマホ間のメッセージのやりとりのために使うのは、BluetoothやWiFiではなく、音波です。陸でも周辺の建物や電波などによって、接続状況が悪くなることがありますが、それは水の中でも同じ。船や周辺生物の音、水の流れによってシグナル状況は刻一刻と変化します。これに対応するため、AquaAppはまず「プリアンブル」と呼ばれる予告シグナルを送信。受け手側のAndroid端末は、これを専用アルゴリズムでキャッチし、その時々で適した周波数&ビットレートを割り出し、それを送り側端末と共有。そこで初めてメインのメッセージをやりとりするという方法です。
AquaAppのテストでは、ある程度動きのある水深15mで、距離30mを通信速度100bpsから1.8kbpでデータ送信ができました。速度を10から20bpsまで落とせば、最大100m離れても「SOS」などの簡単なメッセージなら送受信に成功。水中の様子をライブ配信とはいきませんが、ダイバーのハンドサインをより広域に拡張できると考えれば、十分活用できます。
AquaAppはは、無料のオープンソースAndroidコードがGitHubからダウンロードできます。詳細論文も(英語ですが)公開されているので、スマホ水中対応化したい人はチャレンジしてみて。
Source: Washington University