2022年7月28日の記事を編集して再掲載しています。
サイズ感もちょうどいいんですコイツ。
見た目はちょっとカッコいい。頭脳はハイエンド。そんなイケメン羊の皮をかぶった狼的存在なスマートフォン「Pixel 6a」がリリースされました。Pixel 6/Pixel 6 Proと同じGoogle Tensorを搭載しながらお値段はGoogleストアで5万3900円というバーゲンプライス。しかも下取り価格は高め。コストパフォーマンスという評価軸重視でいくならコイツ、手にして損はありません。
特別な機能といったら、レコーダー使用時/動画/ボイスチャットの文字起こし機能や、撮影済みの写真から余計なモノを消し去ってくれるGoogleフォトの消しゴムマジック機能です。これらはAIを活用した機能として、Google Tensorのパワフルさをアピールすることに一役買っています。さらにGoogleフォトでカモフラージュ機能が使えるようになりました。まずはこちらの機能からご覧ください。
写真にカメレオンの魔法をかけるカモフラージュ機能
撮影した写真のなかに写り込んでいたカラーコーン。もともと注意をひくためのモノですからビビッドな赤色が派手で、景観の雰囲気を崩しがちです。Googleフォトで写真を表示して、「編集」→「ツール」→「消しゴムマジック」→「カモフラージュ」を選択して、カラーコーンを指でなぞって指定すると、コンクリ壁と同じ灰色に早変わり。
変更後の画像をみるとやや赤みが残ったグレーですが、パッと見ただけでは京都市街の商業カンバンのように違和感なく周囲に溶け込んでいるのがわかります。
画像レタッチアプリでコレをやるとなるとかなり面倒な作業が発生してしまうのですが、Pixel 6aはAIの力を用いてオフラインでもこういうことができちゃうんです。
ただ万能ではありません。色を周囲になじませたいモノを囲っても、Google Tensorが「ここにあるモノの形は違うんじゃない?」と余計なお世話をしてくれることもあります。
この例は、自転車の色を渋グレーにしようとしたら、背後の壁の一部もグレーに染まってしまったというもの。これはこれでカッコいいと感じますが、ごちゃっとしたシーンだとGoogle Tensorもテヘペロすることがあるのだと理解してください。
カメラ機能そのものは日常的な使い方なら十分なクオリティ
Pixel 6aに搭載されているカメラは、広角が1220万ピクセルで超広角が1200万画素。Pixel 6の5000万画素/1200万画素と比べるとやや見落とりしますが、使ってみるとええ、気になりません。ていうかみなさまご理解していますよね。スマホにおける超高画素センサーって、4画素をまとめて1画素として扱ったときの低照度撮影品質がグーになるというメリット以外は、あんまり恩恵を感じないって。
1インチのようなビッグサイズなセンサーを使っているならまだしも、1220万画素で十分。そう感じるクオリティです。
映えよりやや真面目に寄っちゃうけど、正確なホワイトバランスは何を撮るにも頼れます。普段からミラーレスを持ち歩いている方が、コンデジ代わり、メモ撮影代わりに使うにもいいんじゃないかな。
ポートレートモードのボケ方も自然です。他社製品になりますが、P20 Proのころの疑似ボケ機能は不安定でドキドキしながら使っていたものですが、現世代は何気なく使ってもOKなんだなあと思うと感慨深い。
自分の周囲を1枚1枚撮影してつなげる360°写真モードもあり、これもなかなかおもしろい。多用しないことは確実なんですが、大人数で集まれたときなどに使うと強烈な思い出となる写真が撮れるんですよね。コロナ禍が段落ついたらあっちこっちで使ってみたいと思わせる魅力があります。
microSDカードスロットねえ、イヤホン端子ねえ、でもまあいいんじゃない?
6.1インチで適度に大きく適度に握りやすい。インカメラはパンチホール式で目立たない。バッテリー容量も4410mAhあるからそこそこ安心。防塵防滴性能もIP67です。普通にいいスマートフォンといった作りです。
ただしベーシックからミドルレンジのAndroid機の多くに備わっている、microSDカードスロットやイヤホン端子がありません。ワイヤレス充電機能もありません。コストをかけてまで搭載しなくてもいいだろうという合理的な判断というヤツでしょうか。おサイフケータイ機能はあり。
バックパネルは色っぽいけど、そこ以外の外装は地味めです。
でも日常でともにある道具って、そういうのでいいんじゃないかなとも感じます。キラッキラに磨いた工具は愛でて楽しいけど、梨地の工具だっていいじゃんね。
特別感はなくとも、手に馴染みやすい。Pixel 6aはそんなスマートフォンです。同時期に似たような価格帯で外装のインパクトが強烈なモデルが出るから見比べられちゃうと思うんだけど、実は世の中を回していくのって、こういう普遍的なものだったりするんですよね。