27年間ずっと学歴詐称?
イーロン・マスクは「大学物理学部卒業」ということになっていますが、実際には大学は中退しており、卒業証書ができたのも卒業年のずっと後だという疑惑がTwitterユーザーCapitolHuntersさんの調べで浮上しました。これが事実なら、アメリカ入国時の就労ビザ取得要件にある大卒の条件を満たさず、当初は不法移民だった可能性もあります。
イーロン・マスクが発表している学歴
氏が公にしている学歴にはこうあります。
・カナダのオンタリオにあるクイーンズ大学に入学
・米ペンシルバニア大学に編入して物理の学士号(BA)を取得
・ワートン・スクール・オブ・ビジネスで経済学の学士号(BS)を取得(TeslaとSpaceXを創業)
・スタンフォード大学のマテリアルサイエンス博士課程に入学して中退
実際の学歴
ところがCapitolHuntersさんが資料にあたって調べてみたら、どの大学にも卒業した形跡はまったく見当たらなかったのです。スタンフォード大学の合格についても学士をスキップして博士課程なんて普通では考えられないことから、もしかして投資家サイドが大学にお金を払って、どれも後付けで買ったのではないかとの見方が強まっています。
裏付けとなる証拠はCapitolHunterさんがGoogleDrive上にまとめて公開してるんですけど、けっこうな分量で執念を感じます。CapitolHuntersさん、何者なんだ…。要旨を整理した連続ツイートでは、こんな風に書かれていますよ。
Someone has to say it: Elon Musk has lied for 27 years about his credentials. He does not have a BS in Physics, or any technical field. Did not get into a PhD program. Dropped out in 1995 & was illegal. Later, investors quietly arranged a diploma - but not in science. 🧵1/ pic.twitter.com/ziuOMblwLJ
— capitolhunters (@capitolhunters) November 17, 2022
もうだれかがはっきり言わないと。イーロン・マスクはこの27年、ずっと学歴を偽ってきた。物理学はもとより、ほかの理系の学部においても、学士号(BS)を取得した事実はない。博士課程に入学したこともない。1995年に中退した不法移民だった。卒業証書はあとになって投資家たちが裏取引で用意したもの。しかも理系の学士号ですらない。
詐称が疑われる主なポイント
イーロン・マスクの発言が事実と食い違う点はほかにもいろいろあります。以下がその一覧です。
イーロン発言のおかしなところ
「ペンシルバニア大学で1994年に学士号を取得した」[x]
「ペンシルバニア大学で1995年に学士号を取得した」[x]
「ペンシルバニア大学で1997年に学士号を取得した」[〇]
「H1-B(特殊技能職)の就労ビザだったので大学で学位号を取得しなければならなかった」(H1-Bビザの申請には特殊技能職の4大卒もしくは短大卒+実務経験6年以上が必要だが、氏の場合、特殊技能職の理系学士号は取得していない」
「ペンシルバニア大学で取得した学士号は物理学だった」[x] 「ペンシルバニア大学で取得した学士号はコンピュータサイエンスだった」[x] (そんな学部は存在しない)
「カリフォルニアにはスタンフォード大学博士課程進学のため引っ越した」と言うときもあれば「カリフォルニアには投資家を探すために引っ越した」と言うときもあって一貫しない
「スタンフォード大学では博士課程に入学した」[x]
「スタンフォード大学では博士課程入学を延期した」[x]「スタンフォード大学では博士課程に2日通ったが、授業料を払う前にやめた」[x] (合格していないので通学はありえない)
「スタンフォード大学の学部はマテリアルサイエンスだった」[x]
「スタンフォード大学の学部はエンジニアリングだった」[x]
「スタンフォード大学の学部は応用物理学だった」[x]「スタンフォード大学の学部は物理学だった」[x] 「スタンフォード大学の学部は”応用物理学&マテリアルサイエンス”だった」[x] (そんな学部は存在しない)
「スタンフォードではウィリアム・ニックス名誉教授のもとでコンデンサおよびバッテリーの研究をする予定だった」[x] (ニックス教授は1995年当時いずれの分野も手掛けていない。教授の専門はマテリアルサイエンス&エンジニアリング)
「スタンフォード大学院の学長から学歴を審査のうえ合格とするとの通知が届いた」[x] (学長は法的文書のなかで「学歴の記録は見当たらなかった」と書いている)
「スタンフォードでは博士課程修了後もしくは履修中に学部課程を修了できた」[x](そんな話は聞いたことがない)
嘘の上塗りに上塗りを重ねているうちに自分でも大学を出た気になってしまったのか、2013年のSWSEカンファレンスではこう滔々と語っていますよ。
Catching Elon in a lie isn’t hard. In 2013: “I had to [stay in school]..otherwise I’d get kicked out of the country.” (This is correct.) Then “since I already had my undergrad, I could..get an H1-B visa” (That’s a lie). In 1995 he had no degree, so no visa. He was illegal. 3/ pic.twitter.com/Xn9UYCYjuI
— capitolhunters (@capitolhunters) November 17, 2022
イーロン「会社を立ち上げてしまったら大学には通わなくていいけど、自分の場合、在学しないと強制送還になってしまうので重要なことだった」
聞き手「でも修士号も取得されたんですよね」
イーロン「スタンフォードではEVのコンデンサとバッテリーの研究をする予定だったけど、会社をはじめちゃったので延期にしたんですよ。もう学士号は持っていたので、H1-Bビザとかも取れてたし。H1-Bビザは学士号がないと取れないからね」
あたかも学士号を取得して就労ビザ取得要件を満たしていたかのように振る舞っていますが、「1995年当時は学士号も就労ビザもない不法滞在だった」とCapitolHunterさん。世界一の大富豪になった人に対して今さら…とも思いますが、Twitterでは社員の半分がリストラされた翌週に契約社員も8割解雇になって、「ハードコアに働く」と100%服従を誓って残った社員はもはや「Twitterに愛着のある人か就労ビザの人だけ」(元社員)という状態。「もうリストラは終わりだ」と安心させた直後にも、書いたコードを毎週提出するよう求めて「コードが合格点を満たしていない」と多くのエンジニアを強制解雇しており、今度の退職金は最初のリストラ、忠誠テストの自主退職組に支給された退職金(給与3か月分)より少ない給与1か月分。忠誠を誓った人のほうが少ないなんて何かのいやがらせか神経戦か拷問かって言われてたりします。
サンクスギビングの華やかな連休の前夜に強制解雇を言い渡された残留組にはH1-bビザの人もいて、ビザサポート打ち切り後は60日以内に次の仕事を探さなければ強制送還です。それも当初リストラ組の3分の1の退職金で。ビザ取得要件(理系学位)も後付けで買えるという感覚の人には強制送還の怖さ、わかりませんよね。