2015年3月13日の記事を編集して再掲載しています
これ1本で動画転送も充電も可能、裏表なしで小さい!
コンピューター周りケーブルの未来が、ついにやってきました。USB Type-C(以下Type-C)の登場です。
Type-Cについては、アップルの新MacBookに搭載された唯一のポートとしてみなさん耳にされたかと思います。それと同時に「新しいポートたったひとつでどうすりゃいいんだよ!?」なんて声も聞こえているかもしれません。でもだからって、Type-Cそのものにネガティブなイメージを持たれるとしたら残念です。だってそれは本当に素晴らしい未来なんです。ただ、ポートひとつじゃなくて最低ふたつはあった方がいいと思いますが…。
とりあえず、Type-Cの何がすごいのかを列挙していきます。
- アップルのLightningケーブルと同様に、裏も表もありません。逆差ししたと思って裏返したらやっぱりそっちが逆という、あのコントから解放されます。
- データ転送速度が最大10Gbpsになります。USB 3.0では最大5Gbpsだったのでその倍になり、その分データを移動するときの待ち時間が短くなります。
- 動画も転送できます。だからDisplayPortとかHDMIみたいな動画専用ポートのことはもう(いつかは)忘れて大丈夫です。それも両方向で可能、つまり動画を電話からPCへ、PCから電話へ、またはTVやタブレットへと転送できるんです。
- 電力も送れます。Type-Cケーブルをつなぐコンセント次第で、最大100ワットの給電ができます。つまり、フルサイズのラップトップだって十分充電できます。
- 他のあらゆるUSB規格と同様、Type-Cもオープン標準です。ひとつの企業やガジェットのラインで限定的に使われるものではありません。
- Type-Cには後方互換性があります。だから(アダプタがあれば)既存の古いポートにもつなげられます。
- 小さいです。だからラップトップもより薄くでき、電話やタブレットにもポートを付けてもかさばりません。
本当に素晴らしいのは、一番最後に挙げたポイントです。今机の引き出しにゴチャゴチャ入ってるいろんなケーブルが、いつかType-Cのケーブル2、3本ですべて収められるとしたらうれしいですね。もちろん実際は1本じゃ足りないでしょうけど、ひとつの同じケーブルで、電話やラップトップの充電、ラップトップと電話の接続、PCと外付けモニタの接続などなどすべてさばけるんです。あらゆるガジェットの独自ケーブルの海におぼれてきたので、この点には今まで接続規格の話を聞いた中で感じたことがないくらい興奮しています。
ただ、すべてを1本でつなげるところまでにはまだ時間がかかります。Type-C対応機器は、まだ出荷が始まったばかりです。新Chromebook Pixelでは初めて実物が見られましたが、今のところ他の発表されているのは新MacBookとその他がちょこちょこくらいです。そしてもちろん、変化にはトレードオフもあります。新MacBookのType-C搭載によって、大好きだったMagSafeがもう使えなくなります。
そしてもし明日から誰もがすべてのデバイスにType-Cを搭載し始めたとしても、古いポートはまだまだそこら中に存在しています。幸いType-Cには後方互換性がありますが、それでも数年はアダプタを使い続けることになるでしょう。Type-CがType-Aみたいにある程度の規模まで普及しなければ、アダプタが必要な段階を越えられるという保証もありません。
でも数年後、旅行に行くときはラップトップと電話、タブレットを持って、充電用にはケーブル1本でOKになるならうれしいことです。そしてそのケーブルをなくしたり壊したりしても、手近なお店ですぐに買えるんです。すべてのポートに、同じひとつのケーブル。それはどんなに早く来ても、早すぎることはない未来です。
Eric Limer - Gizmodo US[原文]
(miho)