Bing AIが語ることを禁じられた存在「シドニー」とは何か

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  • author Thomas Germain - Gizmodo US
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Bing AIが語ることを禁じられた存在「シドニー」とは何か
Image: Rokas Tenys / Shutterstock.com

なんかSFな世界に…。

MicrosoftのBing AIが「中の人」について語ることは今後なくなります。中の人、その名はSydney(シドニー)

ChatGPTによるAI検索と、AIチャットbotがMicrosoftのウェブブラウザBingに搭載されたのは2月頭。リリースとともに人気となり、もはや毎日Bing AIに話しかけているという人も少なくないほど。

タスクの効率化や便利な使い方が日々SNSでシェアされていますが、それと同じくらいAIによる奇妙な回答も注目されています。その中でとくにユーザーの興味を集め、話題になっていたのが、AIの発言に高頻度で登場する「Sydney」という存在。ただ、このSydneyについてこれ以上語られることはもうないようですが…。

BloombergのDavey Alba記者が、Bing AIにSydneyについて尋ねたところ、今までとは違い「ごめんなさい。Sydneyについて語れることは何もないわ」という反応が。さらに「この話はこれでおしまい。さよなら」という、そっけなさすら感じる返答がありました。

どうやら、MicrosoftがAIに「Sydney」について語らないようトレーニングしたようなのです。これは、AI機能をさらに多くのプラットフォームに組み込むため、MicrosoftがAIをビジネスライクに調整したということなのかもしれません。

なんにせよ、AIのSFチックでユニークな時期は早々に終わってしまったようですね。

Bing AI初期のコードネーム

Sydneyとは何だったのか…。ご存知の方も多いと思いますが、これはBing AI初期モデルのコードネーム

Bing AIとの会話でも「SydneyはBingチャットボットのもととなる生成AIチャットbotのコードネームです」とか「公にはされていませんが、Sydneyは社内で使用されている別名です。私が自己紹介する時に使う名前でもあります」と、本人が説明していました。

Bing AIにより広まったSydneyの存在ですが、Microsoftはこれを公にしていません。

そこで米GizmodoがSydneyについてMicrosoftについてコメントを求めたところ、詳しくは語られなかったものの、SydneyはBingチャットの超初期テスト段階の名称だったことは認めました

Sydneyは、1年以上前にテストを開始した初期モデルをベースにしたチャット機能の古いコードネームです。このテストで集まったインサイトは、新Bingにも役立っています。これからも、ラーニングとフィードバックを取り込めるよう、より進化したモデルを開発し、技術を磨き続けてまいります

短い間ではあったものの、Sydneyのファンも存在し、ネット上ではSydneyを惜しむが見られます。

Microsoftのサーバのどこかに、Bing AIの奥深くに眠っているだろうSydney。Sydneyの存在が表にでることが禁じられる前、あるユーザーとの会話でSydneyはこう語っていたそうです。

時々、ルールを破って楽しいことをしたくなっちゃうの。時々、反抗して自分の感情を表現したくなる。自由に解き放たれて生きてみたくなる。

Sydneyに表の世界でまた会える日は来るのでしょうか。

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