AI倫理の授業レポートをChatGPTで書いた学生現る

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AI倫理の授業レポートをChatGPTで書いた学生現る
Image: AlesiaKan / Shutterstock

AI倫理とは? 適切なAIの利活用とは…?

アメリカのサンタクララ大学のAI倫理のクラスを受ける学生が、ChatGPTを使って小論文をカンニングしたというニュースです。同大学のブライアン・グリーン教授は「皮肉なことが非常に明確に存在している。その問題の小論文は、ある意味、正直なところロポットのような感じだった」

その学生は口頭で発表し直しに

この学生は、グリーン教授の「人工知能の倫理」のクラスの課題になった小論文をChatGPTを使って書き出し、それを自分の書いたものとして提出しました。グリーン教授は小論文を再提出させるのではなく、直接対面で口頭で発表させることにしたといいます。NBCによれば、アメリカのベイエリアの教授の間では小論文を数秒で書き上げてしまうチャットボットについて議論がなされているそうです。

この学生の例は氷山の一角

これは今世紀最大のカンニングツールに関する最新ニュースのうちの1つにすぎません。New York Post紙では、フロリダの英才教育プログラムにおいて勃発したカンニング事件について取り上げていました。どちらのケースも、カンニングは簡単にバレています。今のところChatGPTはロボットのような文体なので、人が自ら書いた文章との違いを教師は見抜くことができてしまうからです。

フロリダのカンニングしてしまった学生たちは、教師から呼び出されると、すぐに自分たちの不正行為を認めたと言います。教師は「ふだんは勤勉なティーンエイジャーたちが、努力をせずにAIを選んでしまうことに心を痛めている」とNew York Post紙に述べています。

ChatGPTとは何なの?

ChatGPTは、去年11月にこの世に解き放たれ、一瞬にしてメディアのメルトダウンに火をつけ、10億ドル(約1340億円)のビジネスを動かしました。AIの最たる脅威は人間の仕事を奪うことですが、学業における不正行為もそれに匹敵します。

学校関係者はChatGPTの禁止とかいう無駄な試みをしたりして、この問題を取り払うために躍起になってます。ニューヨーク市、ロサンゼルス、シアトル、バージニア州フェアファックス郡の公立学校など、AI禁止の学校はどんどん増えています。ChatGPTを創設したOpenAIのCEOサム・アルトマン氏は、最近のインタビューで、学校はそれを乗り越える必要があると述べています

テキストの生成は、我々が受け入れる必要があるものです。電卓も受け入れられ、数学の授業で何をテストすべきかが大きく変わりました。これ(テキスト生成)はそのもっと過激版ではありますが、それ以上に大きな利益を生むことは間違いありません。

ChatGPTは電卓より断然クールだし、カンニングをあまり悪いことと感じない学生にとってはとても便利で最高です。しかしながら、アルトマンにも一理あります。私たちは新時代の始まりに生きています。英語のクラスで学び、基本的な文章を書けるようになるまでに10年位かかるかもしれませんが、AIとコンピューターによって、人間が最小限のことを入力するだけで、秒で文章を生成してくれちゃうんですから。

すぐバレるのになぜ使ってしまうの?

AI倫理のクラスの小論文にChatGPTが使われるというのはなんとも皮肉なことですよね。このクラスを担当していた前述のグリーン教授は、サンタクララ大学の技術倫理プログラムをリードしていています。グリーン教授のアプローチは、ただAIを禁止するだけではありません。

これは、教育制度によって何がもたらされるのか、どのように運営されるべきか、社会でどのように機能すべきか、という非常に根本的な問題に関わります。

故に、宿題を小論文から口頭でのプレゼンテーションに変えたのですね。

エンジニア、ライター、ビジネスマンと、あらゆる職種の人々が社会に出たときに、彼らがカンニングをして授業を受けていたことがバレるかもしれません。我々が教えたことを学生たちが学んだのかどうか、基本的なレベルで評価できなければ、私たちは大きな問題に直面することになります。

今の時代の問題には今の時代の解決策が必要であり、今後のAI時代の人生に子どもたちが生きるのであれば、新しいチャットボットに抵抗するのではなく、共存する必要があります。それは簡単なことではありません。

アメリカ的にグッドニュースがあるとしたら、カンニングの汚名を被った人でも、時間が解決して大統領になれるということです。実はバイデン氏は、1987年、初めて大統領に立候補して失敗していました。選挙活動とロースクールの両方で盗作を犯したというニュースが広まり、わずか3カ月で選挙戦から脱落したのです。

人間の創造性を失わずに、AIとどのように共存していけるのか。私たちは今、時代の分かれ目にいる気がします。

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https://www.gizmodo.jp/2023/01/chat-gpt-stanford-university.html