ガジェットをDIY修理する前に確認すべきこと

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ガジェットをDIY修理する前に確認すべきこと
Photo: Ashkan Forouzani/Unsplash

セルフ修理ってどうなのかな?

スマートフォンやスマートウォッチ、いわゆるガジェットが壊れた時の選択肢は3つ。1つ目は買い換える。2つ目は修理にだす。そして3つ目は自分で直す。1つのモノを長く使えるように修理できる構造や仕組みに変わってきている昨今、3つ目の選択肢=DIY修理について考えてみようと思います。できるの? 何を参考にできるか決めたらいいの?

まず、そもそもの話ですが、DIY修理するかどうかを考えるというのは、ある程度のガジェット知識がある人ということ。いわゆる普通の人(スマホの区別は「iPhoneかAndroidか」くらいの人)は、悩まずプロの修理屋さんに行く方が安全でしょう。(後述の公式が提供するセルフ修理プログラムなら普通の人もチャレンジできそうですが、日本はまだない。)

DIYできそう?

ある程度ガジェット好き・知識ある人の場合、DIY修理すべきかどうかの基準になるのがコストと時間。それを見極めるには、まずダメージの規模を把握する必要があります。修理すべきモノが自分の手に負えるかどうかということですね。ラップトップの画面割れから充電できなくなったスマホ、電源のはいらないゲーム機からスマスピの不具合まで、一言でガジェットの修理といってもそれは非常に多岐にわたり、修理にかかるコストも時間も大きく違います。

メカというのは複雑なので、「あ、コレはアレだな」と予想したこと以外も修理にからんでくることがあります。なので、DIY修理を検討しているアイテムに自分は詳しくないと思えば、無理せずプロの手を借りましょう。

できる・できないには、コストも含まれます。電子機器の価格は変動するので、過去の経験からこれくらいと思い込まず、今の参考価格をネットで調べること!

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Photo: Manuel Haeussermann/iFixit.com/Creative Commons BY-NC-SA

やっぱり頼れるネットの人々

時間とコストはどれほどか、それを知るにはやっぱりネット検索。特にテーマで人が集まるRedditなどのネット掲示板は、同じ問題を抱える人たちの体験談や情報があるので参考になります。逆にいえば、ネットで調べて自分と同じ状況の人がいない場合は、レアな故障、複雑な問題な可能性が高く、時間とコストも大きくなるかも…。

修理にかかる時間と費用の予想がついてやっと、自分でやろうかなという気が湧いてきます。ここで、修理の手順を考えてみましょう。調べてみるのはYouTube、ここはチュートリアル動画の宝庫ですから。Galaxy S22のスクリーン交換とか、PS 5の電源交換とか、MacBook Proのキーボードのキー交換とか、探せばいくらでもでてきます。修理系動画は非常に親切で、必要なツールや、使ったパーツとその価格なんかのリストが公開されていることも多いです。

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Screenshot: iFixit.com

基本、小さいガジェットの方がDIY修理が複雑で難しいもの。英語サイトになりますが、修理・分解でお馴染みのiFixitスマホタブレットラップトップと修理しやすさをスコアで公開してくれているので、非常に参考になります。ちなみに、画面のワレはリセットではもちろん直りませんが、その他の不具合は一度ソフトウェアのリセットを試してみるのもおすすめ。ハードと思い込んでいたことが、ソフトに絡んでいることも。バックアップを確認したら、フルリセットで初期状態に戻してみるのがよし。初期状態へのリセットは、これまたChromebookからiPhoneXboxなどなど、ネットに公式が出してくれているのが常。

プロを頼る選択肢も

コストと時間を調べシミュレーションまでして、やっとDIY修理とプロへの修理依頼を天秤にかけることができます。端末の保証期間や保険適用条件は当然チェックすべき。場合によっては無料で修理・交換の可能性もあります。そもそも自分はうっかり者だと自覚がある人は、端末購入時に保証プラン・延長プランを検討しましょう。

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Image: Samsung

自分で修理することに決めたら、フルDIYではなく、公式の修理プログラムを活用するのもよし。修理する権利の広がりで、公式修理キットが少しずつ広まりつつあります。AppleGoogleSamsungなどは、ユーザーが自分で修理できるよう専用プログラムを展開中(日本未対応)。同じDIY修理でも、パーツは公式から純正を買えるし、手順も公開されているのでハードルがぐっと下がります。

あれこれ調べた結果、プロに任せるというのも英断です。例えば、iPhoneならAppleに送る、正規修理店を探す、Apple Storeに持ち込むなど、同じ公式修理でもパターンはいくつかあります。

DIY修理に向いている人

コストOK、時間OK、シミュレーションOK、自分のスキルOK。それでもDIY修理に失敗することはあります。失敗して正規修理も受けられず、どうにもならなくなることもあります。自分でやった方が安いと思ったのに、めっちゃくちゃ高くなってしまうことだってあるでしょう。では、リスクをとってまでDIY修理をするのはなぜか。それは修理してみたいから。

ガジェットいじりが好きな人、成功したらラッキーだけど、そもそもこの手順が楽しいという人は、大手を振ってDIY修理してください。きっと、楽しさがリスクを上回るので。それ以外の人はDIYするなとは言いません。ただ、見切り発車はしないでね。また逆に、簡単すぎるタスクを外注してお金を無駄にしないためにも、豊富なネット情報をまずは見てみるのも忘れずに。