この価格はうれしい。OnePlus 11はカメラもバッテリーも秀逸

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この価格はうれしい。OnePlus 11はカメラもバッテリーも秀逸
Photo: Florence Ion - Gizmodo US

中国はAndroidユーザーが世界一多い国。

新作スマホのシーズン、今年の第1弾は中国から届いたOnePlus 11です。

Samsung Galaxy S23シリーズのような華やかさはないし、AIのTensorチップ内蔵のGoogle Pixel 7シリーズのような目立ったハードウェアでもないけど、価格では負けていません!

700ドル(約9万5000円)からのお値ごろプライスで高リフレッシュレート、長いバッテリー持ち、複数の望遠レンズが手に入ります。Pixel 7 Proと比べても遜色ないレベル。 ベーシックなPixel 7(※米国では本稿の原文公開後に大幅値下げされて499ドル=約6万8000円から)よりは高いけど多機能です。※(編集担当)初出時には「8万2500円から」となっていましたが、こちらは日本価格で現時点では据え置きです。米国では499ドルに大幅値下げされました。お詫びして訂正します。

去年Pixelを買ってGoogleに回帰したこともあって、OnePlus 11を使って改めてAndroidユーザーの持つ選択肢の幅広さを実感。ほんとに安くていいのが、いろいろあって目移りしちゃいますよね。

OnePlusはいわば「第3のベスト」。そのステータスは新作でも不動です。

OnePlus 11

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Photo: Florence Ion - Gizmodo US
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これは何?

OnePlusのフラッグシップAndroidスマホ

価格

700ドル(8GB/128GB)、800ドル(16GB/256GB)

好きなところ

通知スライダー、ほぼ丸1日持つバッテリー、夜景OKなカメラ、5年アップデート保証

好きじゃないところ

OxygenOSはまだ発展途上、充電は速いけど付属のケーブルが要る、ワイヤレス充電できない

プレーンな見た目

デザインは前世代のOnePlus 10 Proから若干アップグレードされています。一番の違いは背面のカメラハウジングが四角から丸になったこと。スマホというより、よりカメラに近い気がして自分は好き。これだけ「Hasselblad」と大書されてるんだから、OnePlusはこの路線のままでいいでしょう。

カラーはチタンブラックとエターナルグリーン。どちらも今のスマホのトレンドカラーですね。グリーンはGoogle Pixel 7もSamsung Galaxy S23もフィーチャーしています。テスト機はチタンブラックでプレーンそのもの。これといった特徴は感じなかったんですが、エッジの辺りをよく見ると、地味な改善を施したのがわかります。

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Hasselbladの文字が躍るリアカメラ
Photo: Florence Ion - Gizmodo US

ボリュームボタンは温存です。セーフ。場所は右の電源ボタンの上です。OnePlus 10Tにもあったらなあ。Google Pixel 7にも付いてないので、毎日あったらなーって思う日々です。

画面は6.7インチの2K Super Fluid AMOLEDで、HDR10+とDolby Visionをサポート。OnePlus 10 Proと同じサイズ感ですね。 リフレッシュレート120Hzというのは、この価格ではうれしいですね(Pixel 7は90Hzぽっち。もっとスムーズだったらいいのに!)。

ロック画面は、たった1Hzの常時オンディスプレイになります。

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使わないときは1Hzの常時ONディスプレイ
Photo: Florence Ion - Gizmodo US

スピーカーは「デュアルリアリティ」なるもの。かなりの迫力サウンドです。SpotifyでTeen Dazeと未来っぽいシンセを大音量でかけてみたら、Teen DazeではOnePlus 11の底力を実感できました。まあ、もっと音に没頭したかったらスピーカーにつなぐほうがいいですけどね。ボーカルサウンドはOKレベルで、スマホを上向きに置くとビートサウンドにかき消されてしまいます。

優れた処理性能

クアルコム最新のSnapdragon 8 Gen 2プロセッサをテストするのは、このOnePlus 11が初めてです。RAMは8GBと16GBの2通りありますが、提供されたレビュー機は100ドル高い方の後者でした。競合のPixel 7は8GB、Pixel 7 Proは12GBです。

昨年のSnapdragon 8 Gen 1に比べると進化しましたが、Apple A16 Bionicにはまだ水を空けられています。Geekbenchで計測したらシングルコアが1,174、マルチコアが4,860で、昨年のOnePlus 10 Proからシングルコアわずか200ポイント、マルチコアは約1,700ポイント増に留まりました。

処理性能のスピード向上だけを求めて昨年モデルから買い替えるほどの機種ではないです。比較までに書くと、Google Pixel 7 Pro(12GB、CPUは自社製Tensor G2)はシングルコア1,010、マルチコア3,079。

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本年モデルは冷却装置が入った。テスト中も発熱なし
Photo: Florence Ion - Gizmodo US

最近クラウドゲーム漬けの毎日なんですが、XBox Game PassでストリーミングできるNintendo Switchのゲームもあるのは感動です。OnePlus 11を初代Razer Kishiコントローラーに取り付けて、ディズニーの『Dreamlight Valley』もプレイできました。1時間ぐらいですけどね。やっぱり6.7インチの画面だと字が小さくて目を細めちゃうんですよね。スマホでクラウドゲームって限界あるんだよねって、ひさびさに思い出しました。

『Asphalt 9』も動作は良好です。こっちの操作はタッチONLY。 ラ・フェラーリ・アペルタのカーブを切る操作はスマホ本体を傾けて操作するんですが、それも画面の反応は良かったです。

ステレオスピーカー内蔵なので、音源も効果音も臨場感たっぷり。しかもOnePlusはゲームランチャーも出していて、もう何代も改善を重ねています。ゲームしながら画面右上からスワイプダウンするだけで開く、この手軽さが好き。『ポケモン GO』の捕獲動画もこの操作を辿って撮れました。

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表示の充電スピードは、付属のケーブルとアダプタ使用時のもの
Photo: Florence Ion - Gizmodo US

OnePlus 11 のバッテリーは5,000mAh。ほかのスマホ発売の記事を書く間、スタンバイにしていたときにも長持ちだったので、もしかして実働テストでも20時間いくかなと薄々思ってはいたんですが、輝度約200ニトに画面を設定して、長さ24時間のYouTube動画を連続再生する編集部の毎度のテストでは20時間43分もいきました。

120Hzのリフレッシュレートでこれだけ持つとはなかなかのものです。前世代より3時間伸びて、iPhone 14 Pro Max(2022年自分がレビューしたスマホでは電池持ち最長)に約3時間届かないだけ。編集部がこれまでテストしたAndroid勢ではGoogleの廉価スマホPixel 6a(4,410mAh)に次ぐ好記録となりました。

充電テクノロジーは今回もOnePlus得意の「SUPERVOOC Endurance」採用。これは親会社Oppo独自の充電テクノロジーで、同梱の80Wのチャージャーを使えば超速で充電できるというもの。赤い専用ケーブルと充電アダプタを携帯しないと充電できないのが玉に瑕ですが、バッテリー持ちテストのあとに充電したら、ものの30分で満タンになりました。すごい!

贅沢をいえばワイヤレス充電も欲しいところですが、これには対応していません。せっかく50Wのワイヤレス充電ステーション「OnePlus Warp Charge」を持ってても使えないのは残念!

OnePlusでは昨夏の10Tから「cryo-velocity」という冷却装置を試験的に導入しています。素材に結晶グラフェンを混ぜ込むことで最大92%まで熱放射を高めたという触れ込みのもの。確かにいわれてみれば、独自規格の充電ケーブルを挿し込んで充電中も、ベンチマーキング中も熱くはなりませんでした。夏もこうだといいな。

カメラ性能は“ナチュラル”にこだわった

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OnePlus 11の3眼カメラは圧巻
Photo: Florence Ion - Gizmodo US

フラッグシップモデルだけに、OnePlusもカメラ性能の向上には力を入れています。それを加速したのがHasselbladブランドとのコラボです。

試し撮りしてみた印象では、OnePlus 11の「ナチュラル」なカラーバランスの方が、Pixel 7より好みだなって思うのもありました。半面、一部の写真はシャープになりすぎる嫌いもあります。

OnePlus 11の背面カメラは3眼で、メインは光学式手振れ補正を備えた5000万画素のIMX890センサー、超広角レンズは4800万画素・視野角115度、ポートレートレンズは3200万画素のIMX709(これは親会社Oppoが前世代の米国外モデルで使用していたもの)。

OnePlus曰く、メインカメラは画素数、1/1.56インチのセンサーサイズも増えて、f/1.8なことも相まって、動きながらでも安定感のある写真が撮れるとのこと。実際そうでした。安定感のある天気のときだけですけどね。

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午後早い時間に撮ったサンプル。ズームインしても建物などのエッジはシャープなままだ
Photo: Florence Ion - Gizmodo US

明るい日差しの中や、適度な照明がある状態でなら、OnePlus 11は何を撮ってもいけます。サンフランシスコ市街を撮り歩いてみたら、すごくキレイに撮れてハッとしました。拡大しても被写体がまったくボケないんですね。これなら撮ってからアプリで開いて補正するのもラクにできそうです。

SamsungとGoogleはパッとしない写真を撮っても、撮ってからアルゴリズムかけまくって補正してきますが、そういうのは極力減らしてるのがOnePlus。だから色も、撮ったときに肉眼で捉えた色をそのまま再現してくれます。

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夕景。左)OnePlus 11/右)Pixel 7
Photo: Florence Ion - Gizmodo US
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夜の街。左)OnePlus 11/右)Pixel 7
Photo: Florence Ion - Gizmodo US
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夕暮れの満月。左)OnePlus 11/右)Pixel 7 Pro
Photo: Florence Ion - Gizmodo US

夜景もOnePlus 11は合格点以上です。あまりにもイイので、Pixel 7でバックアップの写真を撮る必要性を感じないほどでした。OnePlus 11のカラーチューニングのほうがPixel 7より個人的には好みなことが多くて。

上の月の写真を見ても、OnePlus 11のほうが後ろの夕日の赤が再現できています。Pixel 7は月が消えちゃってて、白く照り輝く世界に。これもきれいなんですが、実際の空は左のOnePlusが捉えたディープブルーだったんですよね…。満月を美しく撮れるAndroidはPixelだけかと思いきや。強敵現る、ですね。

フロントカメラは1600万画素SONY IMX471センサー。TikTokとかInstagramみたいに、ARのエフェクトやフィルターを使うアプリとの相性もバッチリです。物置き状態の車庫(見るたびに自分の駐車スキルに我ながら感心する)でセルフィー撮ったら色合いのバランスが絶妙で、これまたハッとしました。

OnePlus 11は24fpsで8K、60fpsで4Kまでの動画撮影が可能。サムスンのプレスイベント「Galaxy Unpacked」の模様をTikTok動画にしようと思ってOnePlus 11で撮り歩いたときには、三脚にスマホを括りつけて持ち歩きましたよ。ズーム用スライダーは敏感に反応してしまうので、やや使いにくく感じました。

独自のAndroid「OxygenOS」を使ってみた感想

OnePlus 11のOSはAndroid 13がベースのOxygenOS 13(OppoのOSと同じOSです)。Googleの「Material You」みたいなクールなUIじゃないので、そこはもうひと頑張り欲しい。でも、アイコンはPlay Storeからダウンロードすれば、自由自在に変えられます。これはPixelランチャーも見習ってほしいです。

最近のOnePlus端末はどれもそうだけど、設定パネルのオプションの広さに目が回ります。自分は端末の設定が終わって1日も経たないうちに、ソフトウェアから通知が絶えず飛んできてビックリしました。

それで思い出したんですが、OxygenOSには独自のバッテリー最適化機能があって、バックグラウンドで動作するアプリがあるとこういうことになるんですね。例えば、ウェアラブルのアプリとダッシュカムのアプリが常時接続を試みるたびに、OxygenOS から最悪のタイミングでリマインダがポップアップするってな具合。通知はOFFにできるのが不幸中の幸い。

Android 13は優れた機能盛りだくさん。OnePlus 11と同時発売のOnePlus Buds Pro 2に装備されている空間オーディオ機能を有効にできるのもその1つ。Googleがソースコードに加えたセキュリティとプライバシー保護機能はすべて備えています。OnePlusはさらにソフトウェアアップデート保証期間を拡張。本年発売のスマホは4回のAndroidメジャーアップデートと、5年のセキュリティアップデートが保証されています。

OnePlus 11のアンロックは顔認証と指紋認証。使い方はOnePlus 10Tと同じですが、11では顔認証が終わるとロック画面にアイコンが出るようになってます。それをスワイプアップするとロック解除となります。iPhoneみたいにエラーが表示されるよりは親切に感じました。

なんだかんだいってもお買い得

昔はダイハードなAndroidファンが買うイメージだったOnePlusも、今は価格競争力が武器です。Oppoがバックに付いているので、画面も高リフレッシュレートになっていて、バッテリーもすごく持ちます。それでいてシステムは堅牢で、雑に省いたところがまったくありません。

ワイヤレス充電できたらもっと便利だとずぼらな自分は思っちゃうけど、こんだけ速く充電できて、ほぼ丸1日もつんだから、これ以上何を望もう? これぐらいのことは、フェアなトレードオフの範疇かと。

OnePlus 11はRAM8GB・ストレージ128GBで700ドル。自分はPixel 7のサイズ感が好きなので、これからもPixelですが(OnePlus 11は高さがありすぎて自分の手には合わない)、縦の長さが気にならない人は、100ドル足すだけでRAMが倍の16GBでストレージも倍の256GBのモデルが買えます。これは数あるAndroidのなかでもコスパ最強といえるでしょう。

監視大国中国の3大スマホメーカーの端末を複数の大学が調べてみたら、初期設定のシステムやアプリを介して通話記録や端末識別子などの個人特定情報が無断で収集されていることがわかりました。各メーカーにGizmodoからコメントを求めましたので、何かあればアプデします。

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https://www.gizmodo.jp/2023/03/android-xiamoi-oneplus-phones-personal-info-study-jpn.html

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