ゼンハイザー新型「HD 660S2」低音が劇的によくなったぞ

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  • author Andrew Liszewski - Gizmodo US
  • [原文]
  • Akane Ueno/Word Connection JAPAN
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ゼンハイザー新型「HD 660S2」低音が劇的によくなったぞ
Image: Sennheiser

名シリーズの新作。

ゼンハイザーは 1997 年、「HD 600」を発売しました。優れたサウンドと確かな品質、そして着け心地のいい設計のヘッドホンが、当時450ドル(約5万5000円)で手に入りました(現在でいうと832ドル(約11万円)に相当)。

修理ができるなど、ヘッドホン愛好家が望んでいた機能がすべてバランスよく搭載されたヘッドホンを、破産のリスクなくゲットできたんですね。もちろん、当時のオーディオマニア全員がヘッドホンにそれだけ費やせたとは言えません。特にインフレの状況下では難しいでしょう。

ゼンハイザーは現在でも、価格は400ドル(日本価格4万4000円)に抑えながら、HD 600の販売を続けています。Apple(アップル)が AirPod を550ドル(日本価格8万4800 円)で販売していることを考えると、それに比べてHD 600が破格の値段で販売されているとは感じません。

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Image: ゼンハイザー

27年ものあいだ、HD 600が販売され続けていることは、その機能がいかにすばらしいかを物語っています。その後、改良モデルの HD 650や HD 660Sがシリーズとして加わり、リケーブルの対応や原料の改善など、新機能も搭載。そして今回発売されたのが、ゼンハイザーHD 660S2 です。

HD 660SとHD 660S2を比べてみると、サウンドがほとんど同じじゃないかと思う人がほとんどかもしれません。ゼンハイザーによると、HD 660S2はシリーズの旧型モデルであげられた、低音域でのパフォーマンス面の不満を解消してくれるモデルだそうです。トランスデューサーを 300 Ω に改良し、さらに共振周波数を前モデルHD 660Snの110Hzから70Hzまで下げた理由はそこにありました。

これなら重厚なバスドラムの音も聞こえ、演奏しやすくなりますね。 またHD 660S2では、サブベースのチューニングが改良されたほか、トランスデューサーのエアフローも改善しているため、洗練されたサウンドを楽しめます

用途を吟味して購入の検討しよう

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Image: ゼンハイザー

最後の改良点ですが、600シリーズを購入したいと考えている人にとって重要なポイントになります。

600シリーズのヘッドホンはすべて開放型です。SonyやApple製品とは異なり、地下鉄でブリトニー・スピアーズをガンガンで流していたら周りの人に聞かれてしまうのでご注意を。

HD 660S2 の場合、その機能を最大限発揮できるようにわざと開放型にしてあるそうです。なので、オフィスやバスの中など、自宅以外のプライバシーがない場所での使用には向いていません。開放型の設計なので、ノイズキャンセリング機能が一切ついていないということになりますね。

あと、ゼンハイザー HD 660S2は有線ヘッドホンです。ステレオミニプラグが6.3mmと4.4mmのケーブルが付属でついてきます。どちらも長さは1.8m。そのほかには、6.3mm~3.5mm変換アダプターが付いていて、これでヘッドホンとアンプを接続すると、機能をフル活用できるのでおすすめだそうです。

まとめると、HD 660S2は「ソニーのWH-1000XM5」とか「AppleのAirPods Max」のような、機能盛りだくさんのヘッドホンに対抗するような製品ではありません。

HD 660S2は、600ドル(日本価格9万6800 円)の対価を支払い、通話やメッセージ通知に邪魔される心配なく、ハイレゾ音源の音楽を心ゆくまで楽しみたい人のために作られました。

また、リファレンスヘッドホンとしても機能するので、音響エンジニアが音楽の調整をするのにも一役買います。「HD 660S2はまさに探し求めていたものだ!」と感じたそこのあなた。ゼンハイザーのWebサイトから予約注文できますよ。

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https://www.gizmodo.jp/2023/01/sennheiser-tv-clear-set-review.html