誰もが楽しめる宇宙空間へ!
AstroAccessは、障がいがある科学者、学生、退役軍人、アスリート、芸術家などからなるチームで、障がいがある人々の宇宙旅行実現に取り組んでいます。
同チームは、2023年のGizmodo Science Fairで、宇宙環境における普遍的なアクセシビリティの推進と、障がい者が支援を得て無重力で実験を行なうパイオニアとして表彰されました。
宇宙での障がい者支援の重要性
障がい者の支援は、社会的に正義のある未来を築くために必要不可欠です。
宇宙探査においては、障がい者も含めた人々がアクセスできるようにすることが求められます。
AstroAccessは、宇宙探査における障がい者の支援を促進するだけでなく、無重力のシミュレーション環境で障がい者と協力して実験を行ない、宇宙に全ての人がアクセスできる場所にするための洞察を提供しています。
無重力での実験
AstroAccessは、Zero Gravity Corporationにチャーターされた垂直飛行のパラボリックフライト(放物飛行)で、障害者とともに実験を実施しました。
特別に設定されたキャビンの中で、障がい者の乗組員は、B-727航空機が18回の垂直飛行を行ない、短い無重力状態で実験を行ないました。
これまでにAstroAccessは、2021年10月に最初のフライトを実施し、さらに小規模なパートナーミッションに参加しました。
この実験では、様々な障がいがある人々が無重力状態でどのように過ごし、推奨される支援策が適切であるかどうかを調査しています。
義足を装着している人は、無重力状態で大きな不快感を感じ、全く役に立たないことがわかりました。
また、キャビン内の騒音レベルが高く、聴覚障がい者の乗組員が音に基づく実験を実施することがほとんど不可能であったことが判明しました。
さらに、無重力状態であることによって、ある種の障がいが「消える」ことが判明し、また特定の障がいが優位性を持つことがわかりました。
ダブルアンプティー(両足切断者)であるDwayne Fernandesは、障がいと障壁との組み合わせとして障がいを説明し、
無重力状態で、私は障がいを持ったままでした。
しかし、障壁がなくなりました。これは私自身の再定義を引き起こすような、深遠で奇妙な感覚になりました。
と語っています。
次のステップ
AstroAccessのデモンストレーションは、益々科学的に探求され、研究される予定です。AstroAccessのアンバサダーであるJohn Kempは、
障がいがある人々が将来の宇宙旅行に参加する権利があると感じることが、疑いの余地はありません。
と語っています。Anna Voelkerは、より多くの企業と協力し、様々なアクセシビリティの解決策を探るとともに、引き続き無重力飛行を実施し、さらなる資金調達と宇宙旅行の機会を確保することを目指しています。
AstroAccessは、障がい者にとっての包括的なアクセスのために重要な仕事をしています。
人々が、どんな障がいがあっても宇宙旅行に参加する権利があることを実証することが重要です。
また宇宙探査において、より包括的で公正な未来を実現するために、アクセシビリティを中心に設計することが必要不可欠であることが、AstroAccessの仕事から明らかになっています。
さらに、AstroAccessは将来の商用宇宙ステーションの開発者と協力して、潜在的な設計について検討を行なっています。
この取り組みにより、宇宙探査に多様な能力と背景を持った人が参加できるようになり、宇宙開発がより包括的で公正なものになるはずです。
AstroAccessは、その革新的なアイデアと実験により、障害者の宇宙旅行の可能性を示してくれました。これからも、障害者の宇宙旅行に向けた研究や実験が続けられることを期待しましょう。