今までにないテーマでPCと触れ合えるイベントでした。
PCの中核といえば、CPU。CPUといえば、ご存知インテル。とっても精密な部品を作っている会社ということで、真面目でカッチリしたイメージがあるかもしれませんが、そんなイメージからは程遠いイベントが、インテル主催で開催されたんです。
それが、2023年3月21日に東京・ アーバンドック ららぽーと豊洲にて開催された「カスタムPCを体験してみよう! CUSTOM PC STUDIO -カスタムってたのしい!- 」。カスタムPCとはいわゆる自作PCのことで、デスクトップPC作りをその場で体験できるイベントなワケですね。
今回のイベントでは、ASUS、ASRock、MSI、GIGABYTEという、主要マザーボードメーカー4社がガッツリと協力。お客さんに実際のパーツを触ってもらったり、相談カウンターを設けたりと、「見て」「さわって」「質問して」カスタムPCの世界を知ることができるイベントになっていました。
「カスタムPC組み立て実演」で見たプロ技がスゴかった!
開催場所である アーバンドック ららぽーと豊洲は、休日ともなれば家族連れで賑わう大型ショッピングモール。「PC作りみたいにコアなイベントとはノリが違うのでは」と思いきや、予想に反して常に人だかりができる盛況っぷりでした。言われてみれば、カッコいい筐体デザインや珍しいPCパーツなどは、大人にも子供にも響く要素ですよね。
イベントでは、それぞれのメーカーによる組み立て実演の時間も。ASRockのスタッフさんはPCに詳しくない人にもわかるよう、CPUやGPUの役割などを丁寧に説明していました。最近はスマホが主流ですし、PCがどういうパーツでできてるのか知らない人も多そうですよね。
GIGABYTEのスタッフさんはそれぞれのパーツを細かく紹介。近くで観覧している子供には実際にパーツを触ってもらい、イベントらしいコミュニケーションが見られました。人によっては一生に一度もPCパーツに触れないでしょうし、こうした経験は貴重な思い出になりそう。なにより、これをきっかけにカスタムPCに興味を持つってパターンは大いにあると思うんです。
実際に「カスタムPC組み立て体験」してみた
僕はここ数年ずっとノートPCを使っていますが、CPUなどのパーツを選んで取り付けていく面白さはデスクトップならでは。その組み立てを体験できるブースもあったので、MSIのスタッフさんにカスタムを指南してもらいました。
「直接触っても大丈夫ですよー」と、優しく教えてもらいつつパーツをカチャカチャ。デリケートな印象があるPC内部だけに、どこまで触っていいか不安になりますが、プロに見守ってもらっているから安心です。マザボ触るなんて10年ぶりくらいだなぁ…。
組み立て体験では、CPUやメモリの取り付け、ケースへのマザーボードのビス止めといった一連の流れを体験できました。一見すると難しそうですが、それぞれのパーツでやることは意外とカンタン。丁寧に教えてもらいながら取り付けていきましたが、やっぱりPCづくりって楽しいですね〜。ちょっとプラモに似てるとこもある。
こうしたPCのパーツって独特のカッコよさがありますし、実際に自分の手で触ることで、自分だけの一台を作り上げる楽しさを感じた人は多いと思います(体験コーナーはずっと順番待ちでした)。ひさしぶりに自分用のPCを組みたくなっちゃいましたよ。
もっとプロに近づきたいので、「相談カウンター」に突撃相談
というわけで、今度はASUSのスタッフさんにPCの相談に乗ってもらうことに。PCの相談って専門店では定番ですが、そういうお店ってちょっと入りにくい感ありません…? こうしたイベントスペースのような明るく開放的な場所なら、相談もしやすいってなものです。
「さっきPC触ったら僕もデスクトップが欲しくなっちゃって。自分でカスタムPCを作ろうと思ったら、どういう点に気をつければいいですか?」と、めちゃざっくりとした質問をしてみました。
スタッフさん:まずはそのPCで何をしたいか、目的をはっきりさせるのが大事ですね。ゲームをしたいのか、動画編集をしたいのか、仕事で使うのか。目的によってPCに求める性能が異なるので、その性能に応じたパーツを選んでいくことになります。パーツによって価格も変わってくるので、目的選びは大事ですね。
とのこと。なるほど、じゃあやっぱりPCゲームを楽しみたいから、ゲームが目的になるかなぁ。
スタッフさん:でしたら、GPUが重要になってきます。たとえばこちらのGPUを使うと、『ホグワーツ・レガシー』のようなグラフィックが美しいゲームも快適に遊べますよ。お値段も結構しちゃいますけどね。
おお、これは今年1月に発売されたばかりの「GeForce RTX 4070 Ti」! 確かにコイツがあればハイエンドなゲームも快適に動きそう。だがしかし、このパーツだけでお値段が6桁を超えるのは予算的に悩ましい…うぐぐ…。
スタッフさん:予算に応じてスペックを調整できるのもカスタムPCの利点ですね。皆さんそこは悩むところだと思います(笑)。
という感じで、予算とスペックという、カスタムPCでは避けて通れない苦悩を僕も体験してきました。それにしても、デスクトップは自分好みにカスタムできるのが面白いところですね。なんなら作ってしまった後からでも、ストレージやGPUを交換・増設することができますし。
メーカーの本気!ワークスマシン「カスタムPC展示」に見惚れる
最後に、今回登場したマザーボードメーカー4社が本気で作った4台の展示PCをお届けしましょう。クルマやバイクで例えるなら、メーカーによるワークスマシンたち。公式の本気をご覧あれ。
ASRockは、セガの『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』とコラボしたモデルを展示! 内部もカッコいいけど、ロゴやカラーリングまでこだわってるのがすごいですね。もはやインテリアですよ…。
MSIは、白いケースに水冷クーラーを組み合わせた近未来的なデザイン。PCといえば黒のイメージですけど、白一色も上品さがあって素敵だなぁ。
GIGABYTEはあえてのオープンフレーム。マザーボードむき出しの状態で展示していました。ケースがないこの見た目でもPCとしてきちんと動くのは、なんだか不思議な感じ。
「これぞゲーミングPC」と言わんばかりのスタイリッシュさが際立つ、ASUSのマシン。もうここまでカッコいいとあえて部屋の目立つ場所にどーんと置きたくなる。ならない?
PCづくりは「カスタム」を楽しんでもらいたい
ここまで読んで、詳しい人なら「どうして自作PCって言わないの?」と思ったはず。実はそこもインテルの新しい戦略なんですよ。インテルのマーケティング本部長・上野晶子さんに、今回のイベントのねらいについて伺いました。
─ アーバンドック ららぽーと豊洲という、PCとは縁遠そうな場所でイベントを実施したのはなぜですか?
昔からインテルの製品を楽しみにしてくれているお客さんがいる一方で、どうやって新しい人を自作PCの世界に呼び込もうかというのは、マザーボードメーカーさんとも共有している課題でした。一見難しそうな文化だとは思うんですけど、この楽しさをどうにかして伝えられないか。そう思って、いろんな人がフラっと立ち寄れる場所でイベントをやってみようと考えていました。
─自作PCではなく「カスタムPC」という呼び方にしているのはどうしてですか?
自作というと難しそうですが、すでに完成しているPCのメモリを増やしたり、GPUを変えてみたり、そうしたチョい足しも自作のうちだと思うんですよね。なので、私としてはチョイ足し感覚でPCに触ってほしい、カスタムを楽しんでほしい。今回のイベントでも、例えばメモリの取り付けだけやってもらえれば、そうしたことがご自分でもできるんだって知ってもらえます。そこから興味が広がって、次に繋がってくれれば嬉しいですね。
─今回のイベントやカスタムPCの今後の展開は、どういったものを想定していますか?
こうしたイベントはすぐに結果が出るものではないと思っています。でも、それぞれのメーカーさんも新しいお客さんと出会えたことで新たな発見があったと思うので、今回はインテルが場を用意しましたが、これからはメーカーさん独自でも展開できる可能性があると思います。むしろ、競合メーカーなのによく4社も集まってくれたなと思っています(笑)。PCもそうですが、なにかの沼にハマることはとても楽しいので、それを伝えていく場は探していきたいですね。
カスタムPCで、沼の楽しさに触れていこう
意外な場所でPCイベントを実施したものだとは思っていたものの、いざ始まってみると親子で見学したり、子供がかぶりつきで組み立ての様子をながめていたりと、大盛況でした。個人的にも、新しいCPUやGPUの実物に触れたのはテンション上がりましたね…!
自転車やインテリアを自分好みにカスタムするように、PCも自分が使いたいようにカスタムする。カスタムPCという新習慣が、未来のPCカルチャーに大きな変化をもたらすかも?
Source: インテル