AI時代の教育現場は口頭試験に回帰すべきか?

  • author Stephen Dobson - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
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AI時代の教育現場は口頭試験に回帰すべきか?
Photo: Gorodenkoff / Shutterstock

ChatGPTが出てくるなら、対する口頭試験も。

想像してみてください。

あなたは学生です。教室かZoomのクラスに入ります。あなたの書いた作文や作品、答案をすでに見た試験官が中にいます。

回答などについていろんな質問をされて教室を出ます。口頭試験も併せて一緒に試験官は評価をして、最終的な点をつけます。こういった教育の評価方法、いかがでしょう?

こうすることでカンニングやAIに書かせた作文などで、上手に課題を切り抜けることができなくなるというわけです。

ChatGPTが大人気になり、試験や課題でも使われるようになってきた今、その人の学力を測るためには口頭試験が必要になってくるかもしれませんよね。

口頭試験の歴史

口頭試験の歴史は2000年以上前のギリシャに遡ります。

ギリシャの哲学者たちは公衆で自分の知識を説いてきました。10世紀に入ると、イスラム法や医学でも口頭弁論は重要な役目をするようになります。

13世紀にはパリ大学で学生が卒業試験として公衆での口頭弁論試験をするようになります。

しかし、17世紀に入ると、口頭弁論試験が筆記試験に変わっていったのです。

筆記試験は効率が良く、数値的に学生を1人ずつ評価できるからです。また筆記試験では試験官が自分の家で静かに点数や評価をつけることができるのもポイントです。

口頭試験の良さ

しかし、今でも口頭試験を行なっている国や大学機関はたくさんあります。

ノルウェーでは大学院以上の学位では口頭試験を採用していますし、最近までは4年制の大学でも口頭試験が採用されていました。高校でも1年と3年時に、最低でも1科目で口頭試験をすることになっているそうです。

質問に答えるスキルが磨かれるだけではなく、学生が提出した自分の課題について説明をする機会が与えられるのはいいことです。筆記試験ではなぜそう回答したのかを説明する機会が与えられずに正解・不正解が決められてしまいますから。

実際に口頭試験を大学で取り入れた例があります。

その大学では、1年生の文学のクラスで1週間以内で600の口頭試験の評価を行ないました。講師はそのおかげで週末に採点をすることから解放されたそうです。

口頭試験を評価するのって講師にとって疲れることではあるものの、学生が自分の考えを言葉にするところを見られるため充実感があったそうです。

学生にとっては、緊張の場であるのは間違いありませんが、同時に終わった後の達成感は大きいものです。また人間として成長する機会を与えられるという意味もあります。

もちろん、書くことは大切です。ただ自分が得た知識やスキルについて話すことの大切さも再確認できるのが口頭試験です。

ChatGPTの登場と共に、学生に対する口頭試験がこれから必須になってくるかもしれませんね。

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