時代も生息地も種すらも違うのに、なぜかそっくりな生き物

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  • author George Dvorsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
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時代も生息地も種すらも違うのに、なぜかそっくりな生き物
Image: Andrey Atuchin/ טל שמע (Wikimedia Commons)

地球生命の不思議。

進化って不思議なもんですよね。便利だからこうなったんだろうなというのもあれば、突然変異もあったり。生きるために進化していくんですよね。

でも、面白いのが、時代も場所も種さえも違うのに同じように進化した動物がいるんです。では見ていきましょう。


イルカと魚竜

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Image: Andrey Atuchin

なんとドイツ語では「違う種なのに共通の身体的な類似点」を一言で言えるドンピシャな単語があるそうです。「Bauplan」って単語で、直訳すると「体の構図」みたいな感じらしいです(ドイツ語がわかる方、合ってますでしょうか?)。

まぁ、ということは、違う種なのになぜか似てるっていうのはあるあるってことなんでしょうか。

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Image: Shutterstock

最初はイルカと魚竜です。まず、哺乳類と爬虫類という違いがありますが、生児を出産すること、温血であること、そして姿も似ています

現代でもイルカには他にも似ている種がいます。そう、サメです。体の形、三角の背びれが一緒ですよね。

ヒクイドリとコリトラプトル

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Image: Zhao Chuang

2017年、古生物学者が中国南部で見つけた珍しい恐竜の化石がコリトラプトルでした。白亜紀後期の中国に棲息していた獣脚類で、オーストラリアのクイーンズランドに生息する現代のヒクイドリにそっくり!

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Photo: Summerdrought/Wikimedia Commons

体の形だけでなく、頭にある「カスク」と呼ばれるトサカのようなものも同じ作りですね。

イヌ科とタスマニアタイガー

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Photo: TMAG Tasmanian Museum and Art Gallery

絶滅してしまったタスマニアタイガー。でも、現代のオオカミ、キツネ、イヌなどのイヌ科にそっくりな体つきです。

大きく違う特徴もあります。タスマニアタイガーはカンガルーやコアラのように赤ちゃんを入れられる袋がお腹にあります。

ピラニアとピランハメソドン

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Photo: M. Ebert and T. Nohl

1億5000年前のジュラ紀に生息していたまさにピラニアのような魚、ピランハメソドン。ドイツ南部で発掘されました。最古の肉食の魚と言われています。

現代の同じ系統の魚はマス、ハタ、タラなどで、ピラニアではありません。

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Image: The Jura Museum, Eichstatt, Germany

ピランハメソドンはピラニアのような歯で、他の魚を食いちぎって食べていたようです。しかも食べるのは特にヒレなんだそうです。

Flesh-Eating, Piranha-Like Fish Terrorized Jurassic Seas Because of Course They Did

Piranha-like creatures capable of biting chunks of flesh from their victims appe...

https://gizmodo.com/flesh-eating-piranha-like-fish-terrorized-jurassic-sea-1829836398?rev=1591731713144

古生物学者のDavid Bellwood氏によると、ピラニアも同じように他の魚のヒレを食べるそうで、すごく賢い食事の仕方だそうです。

なぜかというとヒレは再生できるので、獲物のヒレだけを食べておけば、殺さずに生かしておけるため、また食べられるというわけ。すごいです。

ホモ・フローレシエンシスとホモ・ルゾネンシス

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Image: Kinez Riza

ホモサピエンスはヒト属で現存する唯一の種ですが、地球にはかつてネアンデルタール人、デニソワ人、ホモ・エレクトス、ホモ・ナレディなどなど、ヒト属は他にも生息していました。しかし、近年新しいヒト属が発見されています。

2004年にインドネシアのフローレス島で発見された化石人類ホモ・フローレシエンシスは、身長が1メートルほどで脳も小さい小型のヒト属です。

そして2007年にはフィリピンでホモ・ルゾネンシスというこれまた小型のヒト属の化石が見つかっています。

この2種は5万年ほど前の同じ時期に生息していましたが、住んでいた場所は遠く離れています

しかし、身体的特徴がどちらも小型であることから、生き延びる術が限られており、だんだんと絶滅していってしまったと考えられています。またどちらも島に住んでいたという共通点があります。

6本指のアイアイとジャイアントパンダ

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Photo: David Haring/Duke Lemur Center

2019年の研究で、アイアイには隠された6本目の指があることがわかっています。そしてジャイアントパンダも6本目の指があるんです。

モグラや絶滅してしまった爬虫類など穴を掘る動物に、6本目の指があることはよく知られています。しかし、ジャイアントパンダもアイアイも、6本目の指があることでしっかり握れるように進化したのだと考えられています。

コウモリとアンボプテリクス

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Illustration: Chung-Tat Cheung

コウモリとアンボプテリクスの翼は皮膜といって、指の皮膚が進化してできたものです。実はアンボプテリクスの翼については2019年にコウモリと同じような形状であったということが判明しました。

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Photo: Salix

フクロモグラとモグラ

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Illustration: Richard Lydekker

進化って信じられないほど枝分かれしていて、でも、同時に意外と限られていたりと面白いものです。

ほとんどは基本的な物理によるもの、そして生物学的に可能なものだけです。

なので、これまで見てきたように、種は違うのに生きるために必要な同じ進化をすることがあるんですね。外見は似ているのに違う種である現象を「収斂進化(しゅうれんしんか)」といいます。

フクロモグラはカンガルーやコアラと同じ有袋類。でもモグラは有胎盤類。同じモグラだけど系統が違うんですよね。

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Photo: Didier Descouens

チレサウルス

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Illustration: Gabriel Lio/University of Birmingham

チレサウルスは2015年に判明した恐竜で、カモノハシのようだと言われています。カモノハシはカモのようなくちばしと、ビーバーのような尾、そしてカワウソのような足といろんな動物がミックスされた特徴があります。

チレサウルスも同じで、鳥盤目のような骨盤、古竜脚形類のような後ろ足、獣脚類のような頚椎、そして歯は植物食動物のような特徴です。

ネアンデルタール人、巨大ゾウを倒して2500食をゲットする生活

今回、ヨーロッパに生息していたネアンデルタール人が巨大ゾウを狩猟し組織的に解体したあと、集団の数カ月分の食糧として保管していたという新事実が判明しました。

https://www.gizmodo.jp/2023/02/neanderthal-elephant.html