2100年には地球上は暑すぎて住めない場所が増加、20億人に影響

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  • author Angely Mercado - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
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2100年には地球上は暑すぎて住めない場所が増加、20億人に影響
Image: Shutterstock

年々夏が暑くなってきてますもんね…。

ジャーナル誌「Nature Sustainability」に発表された論文によると、2100年までに地球上では、20億人が今住んでいる場所では暑すぎて住めなくなってしまうと概算されています。

今回の研究では、現在は人が住んでいる場所で、数十年後には住居に適さない場所を分析しています。人が快適に住める地域の年間平均気温は13度ほど。それくらいの気温だと経済成長、農業、家畜も安定するんだそうです。

早急な対応が必要

しかし、年々気温が上昇していて、現在でも世界の人口の9%、およそ6億人がすでにその安定ゾーンから外れてしまう地域に住んでいることがわかっています。

このままの温暖化に対する政策を強めずに今の状態を続けると、向こう80年で地球全体の気温が2.7度上昇するそうです。そうなると人口の22%、およそ20億人が危険な気温にさらされることとなります。

パリ協定で目標とされている1.5度の上昇までに抑えることができた場合は、危険にさらされる人口がかなり減るとも論文では報告されています。

論文の著者Tim Lenton氏は語っています。

「地球温暖化は、経済的な打撃についてフォーカスされることが多いですが、我々の研究では人的損失について注目しています。たった0.1度上がるだけで、1億4000万人が危険にさらされるのです」

地球温暖化で打撃を最も受けるのは、現在世界の人口の40%が住んでいる熱帯地域。

特に人口が多く熱い気候のインドやナイジェリアは危険な状態なんだそう。平均気温が29度に達すると、感染症の増加、精神疾患の増加、また農作物の収穫率も低下するなど深刻な状況が待っているとのこと。

研究者たちは「今回の研究の結果は、これ以上の人的損失や気候変動を防ぐには決定的な政策が必要だということ表しています」と論文を締め括っています。

過去120年で最速。アメリカで海面上昇が進みまくってた…

海面上昇は、アメリカの海岸線を大きく変化させています。今回新たな研究によって、メキシコ湾や南東部の沿岸地域で海面上昇が著しく加速していることがわかりました。

https://www.gizmodo.jp/2023/04/fast-sea-level-rise-southeast-gulf-coast-usa-jpn.html