パタゴニアのビールにラガー初登場。地球を修復するビールって?

  • author Yohei Arai
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パタゴニアのビールにラガー初登場。地球を修復するビールって?
Image: Amy Kumler©2023Patagonia, Inc.

パタゴニアから「地球を修復するビール」というキャッチフレーズの「ロング・ルート・ラガー」が登場しました。ビールを飲むだけで、地球温暖化を防ぎ、地球を修復するらしいのですが……どういうこと?

炭素を地中に固定する「ロング・ルート」の穀物

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Image: Daisuke Hayashi©2023Patagonia, Inc.
パタゴニア「ロング・ルート・ラガー(355ml、アルコール分4.2%)」 682 円(税込)

現代の農業は産業化されていて、化石燃料に依存する工業型農業が世界の地球温暖化ガスの約4分の1を放出しているそう。工業的な方法で生産された穀物を使ったビールを飲むことは、地球温暖化をさらに悪化させるという考えのもと、パタゴニアは「カーンザ」という革新的な穀物を原材料とした「地球を修復するビール」を手掛けているのです。

すべての植物は光合成によって空気中の炭素を土の中に戻しますが、小麦などの一年生穀物は植え付け時に耕起が必要で、この耕起が土壌を破壊し、再び炭素を空中に放出してしまうのです。その点、カーンザは、3.6メートルもの長い根(ロング・ルート)を持つ多年生の穀物で、ほとんど耕起なし、農薬なしで複数年の栽培が可能。地中に炭素を固定化することができるのです。収穫後も根が土に残るので、土の中に炭素を固定することができます。

カーンザの長い根は、炭素を安定化させるだけでなく、何十億もの地中の微生物に栄養を与えることで、土壌の健康を維持します。さらに根は年間を通じて生育するため、近くの河川に伸びれば、水生生物に悪影響を与える窒素などを継続的に吸収するという優れもの。

つまりカーンザを使ったロング・ルート・ラガーは、飲むだけで地球温暖化を防ぎ、地球の修復に役立つというわけなのです。まさにパタゴニアらしいビールと言えます。

日本の夏にピッタリのすっきりしたビール

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Image: Amy Kumler ©2023Patagonia, Inc.

ロング・ルート・ラガーは、ラガースタイルのへレスというタイプ。ラガーというのは、下面発酵酵母を使ったのど越しのいいスタイルで、日本の大手ビールはほとんどこのラガーです。私たちに馴染み深いラガースタイルのなかでも、へレスは麦芽のうまみ、甘味をしっかりと楽しめるタイプ。ホップの苦み、アルコール度も抑えてあるので、夏の日にピッタリのすっきりした味わいが楽しめそう!

飲むだけで地球温暖化を防ぎ、地球を修復しちゃう一石二鳥なロング・ルート・ラガーは、2023年6月1日発売。限定醸造なので在庫がなくなり次第、販売終了です。パタゴニア直営店、オンラインストアで購入可能です。

なお、2023年6月3日(土)〜6月4日(日)にパタゴニア 東京・渋谷にて、2023年6月10(土)〜6月11(日)にパタゴニア鎌倉の店頭にて、それぞれ「ロング・ルート・ラガー」POP UPが開催されるので、ぜひ足を運んで、その味を楽しんでみて。

Source: パタゴニア