四角いマッスルカーが空を飛ぶ。
人間を乗せて空中での移動をスムーズに行うeVTOL(電動離着陸機)。世界中で開発されていますが、ほとんどはコックピットを囲むよう4カ所に下向きのローターがあったり、セスナ機のように翼があったりと、デザインが数パターンに分かれているように思います。
ですが、ハミ出したローターを覆うようにボディーを造ると、一線を画した装いになるのも確か。
中国ではUFOソックリの円盤型がありましたし、BBQグリルのような網目が乗用車のようなボディーになった「Model A」もあります。
ぶつかってもバンパーになる箱
オーストラリアの電動飛行機会社ACE VTOLが作っているのは、空飛ぶマッスルカー「GTスリップストリーム」。
一見すると四角い箱ですが、上や下から覗くとローターがあるのが分かります。
ローターはeVTOLの命ともいえる部品なので、もし事故があってもボディーが衝撃から保護する役目も果たしますね。
アメ車とSFのハイブリッド
マッスルカー的なボリュームも感じますが、SF映画やアニメにでも出てきそう。
2人乗りで特許取得済みの「次世代型アーク・リアクション・エンジン」を搭載しており、最高時速は約435km、フル充電で約483kmの距離を飛べるんですって。
またボタン1つで目的地まで自動運転する機能もあり、性能もSF映画のようです。
もう注文が入っている
カラバリは10色が用意され、1年以内に最初の試作機が完成する予定。
すでに連邦航空局との間で認証への話し合いが行われており、2027年米国デビューを予定しています。
現在はフロリダ州のAeroauto社より、2億5000万ドル(約351億円)分の注文が入っており、2040年までに最低でも100機が納品されることになっています。
ACE VTOLは2022年に設立されたので、信じられないようなシンデレラストーリーですよね。やっぱりこのデザインが気に入られたのでしょうか?