動物保護の難しさ…マナティーの死因は同性交尾による結腸裂傷だった

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  • author Kyle Barr - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
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動物保護の難しさ…マナティーの死因は同性交尾による結腸裂傷だった
Image: Shutterstock

検死の結果、施設が適切に保護しなかった可能性も。

米フロリダ州にあるモウト海洋研究所にいる「ヒュー」と名付けられた38歳のマナティー。原因不明で4月に死んでいたのですが、先週なぜ死んだのかが判明しました。

一体何が起こった?

FWC Fish and Wildlife Research Instituteの海洋哺乳類病理生物学研究室が検死を担当し、先日農務省が発表した検死結果によると、ヒューの死因はなんと自分の弟「ビュッフェ」との激しい交尾によるものだったそうです。ヒューを海洋研究所が適切に守らなかったことから起こってしまった悲劇だと結論づけられました。

さらに農務省は、海洋研究所はその弟の激しい性行動を観察していたと指摘。

ヒューは直腸貫通の大怪我を負い、従業員は血の混じった糞をサンプルとして採取。結果的にヒューは結腸が14.5センチ切れ、その他多数の外傷も原因となり、死亡してしまいました。

性行動は1日中続き、午後5時15分ごろ、大きい方のオスがまた小さい方のオスへ性行動を起こし、しばらくして大きいオスが泳ぎ去ったあと、小さいオスはプールの下で動かなくなっていたそうです。

米ギズモードが農務省へのモウト海洋研究所に対する非難・申し立てについて取材をしたところ、Animal and Plant Health Inspection Serviceの広報から、「我々はすべての申し立てを厳重に受け入れ、動物愛護法に違反しているかどうかを審議いたします」と返答がありました。

ヒューはこの海洋研究所で生まれ、弟のブッフェとともに27年間研究所に住んでいました。フロリダのマナティーの平均寿命は60歳くらいですが、行動の違いなどで数カ月の寿命の差が出てきます。発情期は毎年春から9月くらいまで続くとのことです。

ヒューの死亡事故について研究所が発表した声明によると「これは自然界でも研究所でも起こるマナティーの発情期の自然な行動でした」としています。

また研究所は、スタッフが2頭の交尾を見つけたときは、2頭とも特に不快な様子なども見受けられなかったと証言していると主張しています。

2頭を離れ離れにすると不安がるので、一緒にして不安を取り除こうとしたと研究所の獣医は話しているそうです。

かわいそうな死に方をしてしまったヒューですが、フロリダのマナティー自体も食料や生息地がなくなってきていることから、どんどん頭数が減ってきています。

それもあって現在、アメリカの主要な保護団体が、マナティーの保護を怠っているアメリカ魚類野生生物局を訴えている状況です。

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https://www.gizmodo.jp/2023/07/dog-bites-increase-on-hot-smoggy-days-study-says-jpn.html