ゲーミングPCに関する「?」って気持ち、全部ぶつけてきました。
みなさん、ゲームはお好きですか? Nintendo SwitchやPS5などの家庭用ゲーム機やスマホゲームも楽しいけれど、僕はそろそろPCゲームってヤツを始めたいな〜と考えています。
でも、ゲーミングPCってかなり高い買い物になります。こうなると失敗したくないし、詳しい人から納得いくまで話を聞いた上で購入に踏み切りたい…!
というわけで、僕はゲーミングPCに詳しい人に会いに行きましたよ。向かった先は…
ご存じビックカメラ! ここなら、さまざまなモデルのPCから周辺機器までゲーミングコーナーが充実してるし、現場で働く販売員さんに話を聞けば間違いないはず。
というわけで、ビックカメラ池袋カメラ・パソコン館の4Fにあるゲーミングコーナー担当の酒井望さんに案内していただきました。
最新のPCが勢ぞろいするこの場所で、「ゲーミングPCってなんですか?」レベルの基礎的な部分から、じっくりお話をうかがってきましたよ。僕と同じく、これからゲーミングPCの世界に足を踏み入れたいと考えている人は、接客されている気分で読んでもらえるのではと思います。
普通のPCとの一番の違いはグラフィック性能
── ずーっと疑問に思ってたんですけど、ゲーミングPCって普通のPCとどこが違うんですか?
酒井さん:PCとしての基本的な性能は同じです。主に違うのはグラフィックボードと呼ばれるパーツの有無ですね。GPUとも呼ばれるのですが、これは映像処理を専門とするパーツになります。
── 映像を処理するためだけのパーツなんですね。
酒井さん:ビッグデータ処理や科学技術計算など、一部特殊用途にも使われますが、基本はそうです。 GPUを搭載していると、きれいなゲーム映像を描画できます。他にも動画編集や画像加工のように、映像に関する処理が得意になるわけです。普通のPCよりも映像に関する性能が高いものがゲーミングPC、と考えていただければ良いかなと。
── なるほど、PCでゲームを遊びたければGPUが大事になってくると。
酒井さん:そうです。さらに遊びたいゲームによってGPUに求められる性能も変わってきますので、例えば『原神』『VALORANT』『Minecraft』あたりを楽しみたいならNVIDIAのGeForce RTX 3050、GeForce RTX 3050Ti搭載のモデルをおすすめしています。
その他、CPU、メモリー、ストレージなどの性能も関係してきます。これらのパーツの役割を簡単に説明すると、まずCPUは人間でいうところの頭脳になります。ゲームをプレイしたい場合は、インテルならCore i5以上が望ましいですね。ゲーム実況配信もしたい場合はCore i7以上がよいと思います。
── 頭脳の性能が高いと、いろんなことができるんですね。メモリーは何に関わってきますか?
酒井さん:メモリーは作業スペースの広さのようなものです。16GBや32GBなどがありますが、ゲームだけを楽しむなら16GB、配信など他の用途も併用したいのであれば32GB以上あると良いですね。ストレージはスマホの容量などでもおなじみですが、PCだとハードディスクドライブやSSDと呼ばれるデバイスが内蔵されていて、これがいわばデータを保存するための倉庫になります。PCの場合は外付けのストレージを使うことでサイズを増やすこともできますので、ストレージはPC購入後に融通がきく部分ともいえます。逆に、CPUやGPUはそうはいかないので、購入時は特にチェックしたいポイントです。
── 価格面に最も影響が出るのも、CPUやGPUの性能ですか?
酒井さん:そうですね。特にGPUは最も予算がかかる部分にもなってきますが、ゲームプレイにも大きく影響してくる部分なので、予算と遊びたいタイトルに合わせて考えていただきたい部分です。
── 僕は、ゲームを楽しむのはもちろん、仕事など普段使いでも活用したいし、持ち運びもしたいです。そんな僕におすすめのモデルはどれになりますか?
酒井さん:それでしたらmsiのGF63 Thin 11U(GF63-11UC-062JP)がよいのではないかと思います。インテルCore i7、NVIDIA GeForce RTX 3050を搭載していて、メモリーは16GB、SSDは512GBの、15.6インチノートPCです。近年はノートPCであっても非常に高性能なCPUやGPUを搭載しているモデルも増えてきました。持ち運びをしない方ならデスクトップも検討されるとよいと思います。
ノートとデスクトップの違いって?
── そこ、気になる部分でもあったのですが、ノートとデスクトップのどちらを選ぶかのポイントって持ち運びの有無以外にもありますか?
酒井さん:あとは省スペースかどうか、ですね。場所をとってもいいので性能を優先したいという方にはデスクトップがおすすめです。CPUとGPUにはノート用とデスクトップ用のものがあって、同じCPUやGPUでもデスクトップ用の方が高性能なんです。
── 型番が同じでもですか?
酒井さん:そうなんです。ただし、発熱量や電力消費量もノートよりも大きくなってしまいます。そのため、デスクトップはCPUやGPUを冷却するための大型のファンを搭載しており、効果的に排熱させることで高い性能を保てるよう設計されています。
── ノートの場合は、ファンを搭載したとしても大きさ的に限界がありますもんね。
酒井さん:そうですね。ノートよりも場所は取ってしまうのですが、映像のきれいさや処理性能の高さ、高リフレッシュレートを求める方には、デスクトップをおすすめしています。
映像の滑らかさに直結するリフレッシュレート
── 画面のリフレッシュレートは、1秒間にディスプレイを更新する回数ですよね。60Hzなら60回、120Hzなら120回描画してくれる。
酒井さん:リフレッシュレートが高いと、それだけ映像が滑らかに感じられます。また、FPSゲームのような素早い判断が必要なゲームの場合、リフレッシュレートの高さが勝敗を左右することもあります。ただし、高リフレッシュレートを実現するにはPCの性能とディスプレイの性能の両方が重要になってきます。
── PCとディスプレイ、どちらかの性能が低いと真価を発揮できないのですね。
酒井さん:例えば240Hzを描画できる高性能なPCを使っていても、ディスプレイが120Hzまでしか描画できなければ、240Hzの恩恵は受けられません。その逆もしかりです。
──例えばこちらのディスプレイは、リフレッシュレートが165Hzとなっていますね。
酒井さん:こちらはmsiの27インチ曲面型ディスプレイG27C6P E2です。ミドルクラスのディスプレイですと、このくらいの性能になりますね。ハイエンドモデルですと360Hzのような高スペックを持っていますが、使っているPCの性能と相談して、PCの性能を引き出せるディスプレイをお選びいただくのがよろしいかと思います。
── このディスプレイのように曲面型のものと一般的な平面型のもの、選ぶポイントはどういった点になるのでしょうか?
酒井さん:曲面型は没入感が高いのが一番のポイントです。視野をゲーム映像で埋められるので、ゲームの世界観を味わいたいなら曲面型がおすすめです。また、横に長いディスプレイはディスプレイのセンターと端で目からの距離が大きく変わってくるんですよ。
── 映画館のスクリーンを間近で見ると、端の方は見えにくくなりますね。
酒井さん:その点、曲面型は横長であってもセンターと端とで目からの距離が大きく変わらないのが特徴です。なので、横に長いウルトラワイドディスプレイの場合は曲面型が選ばれることが多いです。
ゲーム実況配信の質を上げたいなら一つ上のマイクを
── ゲーム実況配信にも興味があるのですが、その場合はどんな機材が必要になってくるのでしょうか?
酒井さん:配信の場合は、クリアで聞き取りやすい音声をお届けするのが重要になってきます。そうなると、やはりマイクがあると良いですね。種類としては、USBケーブルでPCと簡単に接続できるUSBマイクと、PCと直接接続はできないけれどより高音質なXLR端子で接続するマイクの2種類があります。
酒井さん:この一番手前のモデルがXLR端子で接続するタイプの定番、オーディオテクニカのコンデンサー型ボーカルマイクAT2020です。
── USBマイクは簡単に使えそうですが、XLRマイクを使う場合はどうすれば?
酒井さん:このYAMAHA AG03MK2のような、オーディオインターフェースが必要になります。PCとオーディオインターフェースを接続し、さらにオーディオインターフェースにマイクを接続する形です。
── オーディオインターフェースがあると、どんなことができるのでしょうか?
酒井さん:このモデルがそうですが、オーディオインターフェースでボリュームの調節ができたり、エコーなどのエフェクトをかけたり、スマホを接続してスマホ内の音を配信に乗せたりと、ワンランク上の配信が楽しめるのが魅力ですね。
── なるほど。デスクにこうした専用機材があると、なんだか見た目もプロっぽくて気分が上がってきそうです。
酒井さん:HyperXのQuadCastシリーズのようにLEDライト内蔵で光るものも配信時の見映えをよくしてくれますよ。こちらはUSB接続のマイクです。
あればさらに効率アップになるデバイス
── このボタンの並んだデバイスは何に使うものなのですか?
酒井さん:こちらはElgatoのStream Deck MK.2(10GBA9911-JP)、キーボードの左に置いて左手で操作することから「左手デバイス」と呼ばれるもので、それぞれのボタンに好みのショートカットキーを割り振ることができます。例えば配信時の設定やショートカットを割り振っておけば、配信時の作業を効率化できます。
── マウスやキーボードで操作せずとも、ボタンを押すだけでいろんなことができるのは便利そうですね。見た目もかわいいなぁ。
酒井さん:アプリケーション内の動作を割り振ることもできますし、もっとシンプルにYouTubeやSNSなどの呼び出しを割り振ってもOKです。必ずしも必要なデバイスではないものの、手元にあるといろんな作業がやりやすくなりますね。
── 配信といえば自分を照らすライトなどもよく見かけるのですが、こちらもあった方が良いですか?
酒井さん:配信スタイルにもよりけりですが、顔出し配信を想定しているならライトがあると見映えが大きく変わりますね。おすすめとしては、こちらのElgato Key Light(10GAK5400-JP)というモデルです。
── なんというか、ライトで照らされてると「配信してる!」という感じが一層強まりますね。これ、テンション上がってよいですねぇ…。
酒井さん:加えて、ゲーム時にボイスチャットを多用される方なら、ゲーミングヘッドセットを使うのもオススメです。
── マイク搭載のヘッドホンですね。どんな特徴があるのですか?
酒井さん:リスニング側の特徴としては音の方向性が分かりやすいことが挙げられます。ゲームの種類によっては足音一つとっても重要になるジャンルがありまして、ゲーミングヘッドセットならそうした小さな情報も聞き逃さずにプレイできます。マイク側の特徴としては聞き取りやすい声を届けられることが挙げられます。こちらのLogicool G PRO X(G-PHS-003)はマイクの音質もよくておすすめです。友達とゲームをプレイする場合でもコミュニケーションが取りやすくなりますよ。
ゲーミングチェアはゲーム以外の用途にも活用できる
── 長時間ゲームをプレイするなら、チェアにもこだわるべきだと聞きました。いわゆるゲーミングチェアというやつですね。
酒井さん:さまざまな点でゲームプレイ時のことが考えられているのが特徴ですが、例えばこのnoblechairsのEPIC(NBL-PU-BLA-003)の場合は、レザーの厚みを増すことで耐久性を向上させたり、座面にパンチング加工を施すことでレザーの弱点とされていた蒸れやすさを軽減したりといった工夫が施されいます。
── ふむふむ。
酒井さん:また、ゲーマーの方は肘置きの位置にこだわるケースも多く、このモデルは4Dアームと呼ばれる独自機構によって肘置きのポジションを細かく変更できます。
── 上下前後、それに向きも変えられますね。ここまで高性能なチェアなら、ゲーム目的だけでなくシンプルに「良いチェアが欲しい」というニーズにも応えられそうです。
酒井さん:おっしゃるとおりで、近頃はオフィスワークやテレワークでゲーミングチェアを使いたいという方も増えています。
延長保証もできる。ビックカメラならではのお得なポイント制度
── 今日は色々と教えていただき、ありがとうございました。最後に、ビックカメラのお得なポイント制度について教えてください。
酒井さん:ビックカメラでは、商品の税込価格の基本10%をビックポイントとして付与しております。
── このポイントがうれしいんですよねぇ。もらったポイントでマウスやキーボードが買いたいです。
酒井さん:また、PC製品に関しては付与されるビックポイントの10%のうち5%を頂戴しますと、長期保証サービスにご加入いただけます。
── 保証が延長できるのですか? いいですね。
酒井さん:1年間であることが多いメーカー保証(※)を同様の内容で3年間まで延長することができます。保証内容は自然故障のみとなりますが、通常通りの使い方をしていてトラブルが発生した場合は、ぜひビックカメラにお持ちいただければと思います。
(※)期間は商品により異なる場合があります。
いやぁ今回は、CPUやGPUの基礎的な部分から持っておくと便利な配信デバイスまで、すごく親切に教えていただきました。フワっと知ってはいたいろんな用語について「なるほどなぁ」が飛び出しまくりでしたね。さすが、その道のプロ…!
ゲーミングPCに興味はあるけど、どうやって選んでいいか分からないという人はビックカメラに行くべきですわ。納得して買いたいものが決まるはずですよ。
Photo: 小原啓樹
Source: ビックカメラ