日本での提供も気になる。
iPhone 14には携帯電波の届かない場所でも衛星通信でSOSを発信できる機能があり、欧米で提供されてますが、Androidにも同じような機能がやってくるかもしれません。
The Vergeによれば、デベロッパーのNeil Rahmouni氏が、Androidのコードの中にそれっぽいサービスの存在を匂わせる部分を発見したそうです。また、そのサービスはGPS機器メーカーGarmin(ガーミン)の協力で提供されるらしいことも、コードから読み取られています。
Garminと連携か
Rahmouni氏が見つけたのは、Google(グーグル)のメッセージアプリのコードの中の、Garmin Responseサービスとの何らかしらの連携を示す部分です。
Rahmouni氏がコードから抜粋した緊急時に表示されるらしいダイアログには、「衛星によるメッセージング終了:緊急事態に関するお問い合わせは、Garmin Responseにご連絡ください」とあります。
Looks like Google Messages may use Garmin Response for the Satellite Emergency SOS
— Neïl Rahmouni 🐢 (@neil_rahmouni) August 28, 2023
If true it could mean that Emergency Satellite messages would be available in 150+ countries👀https://t.co/egVqM6JaJV
(1st screen is a mockup, 2nd are the translations found in Google Messages) pic.twitter.com/Rza9BUxJwJ
Rahmouni氏は今月、Googleのメッセージアプリの中で、衛星接続機能を匂わせるUIも発見していました。
Looks like Google Messages is indeed preparing to add support for Satellite Connectivity. They've added UIs for conversations and SOS messages using satellite connection: pic.twitter.com/IDxse7QNCw
— Neïl Rahmouni 🐢 (@neil_rahmouni) August 17, 2023
アプリの中には、「SOSの質問事項」に言及した部分もありました。Rahmouni氏はこれらを総合して、Androidの緊急サービスは、Garminが現在サービス提供している150以上の国で利用可能になるのではと推測しています。
Garminは2021年に緊急事態監視企業のGEOS Worldwideを買収し、自前の緊急対応センターを立ち上げていました。
彼らはイリジウム衛星ネットワークを使ったinReach衛星通信で緊急サービスを提供しています。ただ、このサービスを使うには、通常は月14.95ドル(約2,200円)〜の利用料が必要です。
Qualcommも衛星通信機能発表
ちなみにアメリカの半導体企業Qualcomm(クアルコム)も、イリジウムネットワークを使ったAndroidでの衛星通信を発表してはいます。
同社が今年1月のCESで発表した「Snapdragon Satellite」を使うことで、SMSまたはWhatsAppのようなメッセージングアプリから、140文字以内のメッセージ送信が可能になります。ただし、もちろんAndroid端末でこの機能を使うには、Snapdragon Satellite対応のチップを搭載している必要があります。
今回見つかった機能の場合、AndroidユーザーはGarminのSOSサービスを多少縮小したものを無料で使えるのか、またはGarmin Responseのサブスクリプションを普通に有料で使えるというだけなのかなどは不明です。
米GizmodoからGoogleとGarminそれぞれにコメントを求めましたが、すぐに回答はありませんでした。
Appleの緊急サービスってどう?
それに対し、Apple(アップル)が米国やカナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドで提供している衛星での緊急通報サービスはどうなんでしょうか?
iPhone 14やiPhone 14 Proなら、携帯電波が届かなくても、Globalstarの衛星経由で緊急通報サービスにテキストメッセージを送れます。どんな緊急事態か伝えるためのテンプレート的なものも用意されてるし、ヘルスケアアプリのメディカルIDに持病とか常用薬といった重要情報を入れておけば、通報のときに併せて送れます。
といっても、Appleの緊急通報サービス全体としての実績にはかなりのムラがあり、iPhone 14では激しいダンスやハードコアなスキーを衝撃として誤検知することがあるようです。
検知のアラートにユーザーが20秒以内に反応しなければ、自動で緊急電話に発信してしまうので、警察や救急にとっては迷惑な話です。
でも、そんな失敗談は、本来の役割を果たしたケースを考えたら全然無視できます。
iPhone 14のおかげで、アラスカの荒野やロサンゼルス近郊の渓谷で遭難した人が助かったこともあったし、最近ではある家族のマウイ島山火事からの脱出にも役立ちました。そんな恩恵、Androidユーザーも早く受けられるようになるといいですね。