AndroidもiPhoneばりに、衛星経由で非常時の緊急通報が可能になりそう

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AndroidもiPhoneばりに、衛星経由で非常時の緊急通報が可能になりそう
Photo: Florence Ion - Gizmodo US

日本での提供も気になる。

iPhone 14には携帯電波の届かない場所でも衛星通信でSOSを発信できる機能があり、欧米で提供されてますが、Androidにも同じような機能がやってくるかもしれません。

The Vergeによれば、デベロッパーのNeil Rahmouni氏が、Androidのコードの中にそれっぽいサービスの存在を匂わせる部分を発見したそうです。また、そのサービスはGPS機器メーカーGarmin(ガーミン)の協力で提供されるらしいことも、コードから読み取られています。

Garminと連携か

Rahmouni氏が見つけたのは、Google(グーグル)のメッセージアプリのコードの中の、Garmin Responseサービスとの何らかしらの連携を示す部分です。

Rahmouni氏がコードから抜粋した緊急時に表示されるらしいダイアログには、「衛星によるメッセージング終了:緊急事態に関するお問い合わせは、Garmin Responseにご連絡ください」とあります。

Rahmouni氏は今月、Googleのメッセージアプリの中で、衛星接続機能を匂わせるUIも発見していました。

アプリの中には、「SOSの質問事項」に言及した部分もありました。Rahmouni氏はこれらを総合して、Androidの緊急サービスは、Garminが現在サービス提供している150以上の国で利用可能になるのではと推測しています。

Garminは2021年に緊急事態監視企業のGEOS Worldwideを買収し、自前の緊急対応センターを立ち上げていました。

彼らはイリジウム衛星ネットワークを使ったinReach衛星通信で緊急サービスを提供しています。ただ、このサービスを使うには、通常は月14.95ドル(約2,200円)〜の利用料が必要です。

Qualcommも衛星通信機能発表

ちなみにアメリカの半導体企業Qualcomm(クアルコム)も、イリジウムネットワークを使ったAndroidでの衛星通信を発表してはいます。

Qualcomm to Roll Out Satellite Connectivity for Android Devices Later This Year

It's unclear how well it will work compared to Apple's Emergency SOS, as the tec...

https://gizmodo.com/qualcomm-snapdragon-satellite-connectivity-for-android-1849955257

同社が今年1月のCESで発表した「Snapdragon Satellite」を使うことで、SMSまたはWhatsAppのようなメッセージングアプリから、140文字以内のメッセージ送信が可能になります。ただし、もちろんAndroid端末でこの機能を使うには、Snapdragon Satellite対応のチップを搭載している必要があります。

今回見つかった機能の場合、AndroidユーザーはGarminのSOSサービスを多少縮小したものを無料で使えるのか、またはGarmin Responseのサブスクリプションを普通に有料で使えるというだけなのかなどは不明です。

米GizmodoからGoogleとGarminそれぞれにコメントを求めましたが、すぐに回答はありませんでした。

Appleの緊急サービスってどう?

それに対し、Apple(アップル)が米国やカナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドで提供している衛星での緊急通報サービスはどうなんでしょうか?

iPhone 14やiPhone 14 Proなら、携帯電波が届かなくても、Globalstarの衛星経由で緊急通報サービスにテキストメッセージを送れます。どんな緊急事態か伝えるためのテンプレート的なものも用意されてるし、ヘルスケアアプリのメディカルIDに持病とか常用薬といった重要情報を入れておけば、通報のときに併せて送れます。

といっても、Appleの緊急通報サービス全体としての実績にはかなりのムラがあり、iPhone 14では激しいダンスハードコアなスキーを衝撃として誤検知することがあるようです。

iPhone 14の衝突検出機能で出動要請→ジェットコースターでした

iPhone 14と新Apple Watchでは、事故を検知して10秒以内に応答がなければ自動で救急を呼ぶ機能が装備されましたが、米国ではジェットコースターの急...

https://www.gizmodo.jp/2022/10/iphone-14-crash-detection.html

検知のアラートにユーザーが20秒以内に反応しなければ、自動で緊急電話に発信してしまうので、警察や救急にとっては迷惑な話です。

でも、そんな失敗談は、本来の役割を果たしたケースを考えたら全然無視できます。

iPhone 14のおかげで、アラスカの荒野ロサンゼルス近郊の渓谷で遭難した人が助かったこともあったし、最近ではある家族のマウイ島山火事からの脱出にも役立ちました。そんな恩恵、Androidユーザーも早く受けられるようになるといいですね。

ハワイのマウイ山火事、iPhone 14で助かった人たちがいた

Appleの緊急SOS衛星通信機能が登場したのは昨年11月。約1年ですでにすばらしい救助の役目をこなしています。ロサンゼルス郡の渓谷で道に迷ったハイカーを救出...

https://www.gizmodo.jp/2023/08/maui-fires-apple-iphone-emergency-sos.html