まだなかったことに驚くわ~。
スピード違反すると監視カメラにパシャッと撮られて自動的に罰金のチケットが届くシステム。あれが、ついに21世紀のカリフォルニア州にも上陸する運びとなりました。
導入を認める法案645が州議会で9月に可決されて知事がサイン。年明けから都市圏で試験運用して、2032年には州内全域にカメラが取り付けられます。試験運用の対象都市では早くも悲鳴があがっていますよ。
ヘリの空撮によるスピード違反取締りはあるけれど…
現地に住んでいると「LA-サンフランシスコ間のI-5(州間高速道5号線)を爆速で走ってたら空からパシャッと撮られて500ドル罰金とられたー!」という経験者が身内や知り合いにひとり、ふたりはいるもの。
高速道の路肩には「上空から監視カメラ作動中」という標識もあるので、とっくの昔に一般道でもスピード違反カメラは設置されているものばかりと思っていました。
信号違反カメラはすでに山のようにある
アメリカはNY以外「赤信号でも車や人がこなければ右折OK」なんですが、人っ子ひとりいない赤信号でも、完全停止しないで右折すると罰金が500ドル近くとられて泣きます。そういう信号無視の違反取締監視カメラはあちこちの信号にあるのに、なんでスピード違反だけ後回しなのか。不思議。
いちおう反対派はプライバシー保護を理由に掲げているみたい。でも信号違反のカメラもそれは一緒なので、少し弱いかな…。
空撮ヘリはパイロットと見張り係の2人体制で、さらに地上部隊がいるので人件費がバカになりません(ヘリが違反車を見つけると、路肩で待ち受けるパトカーに連絡して捕える陸空連携プレー)。
その点、路上の監視カメラであれば、取り付けてしまえば全自動で罰金がチャリンチャリン。銃で襲われることもないし、係争になっても警官が出廷しなくてもいいのでみなハッピーというわけです。
罰金はいくら?
罰金の内訳は次のとおりです。
超過スピード | 罰金(ドル) | 円換算 |
---|---|---|
時速16~25マイル(約25~40km) | $100 | 約15,000円 |
時速26~99マイル(約41~160km) | $200 | 約30,000円 |
時速100マイル(約160km)~ | $300 | 約75,000円 |
時速160kmオーバーってどんだけ…。
金額的には日本とたいして違わない気もしますが、これはベースの罰金です。工事現場でスピード違反すると、100ドルの罰金はたちまち525ドル(約7万8500円)になったりするので油断なりません。
日本は、一般道が30km/h超過、高速道が40km/h超過で、オービスが光って最悪免停になりますが、カリフォルニアではスピードを出し過ぎただけでは刑事罰にならず、免停、免許取り消しになることもありません。制限速度160kmオーバーでも、罰金を払えばふつうに運転できるのが違い。
どの都市が対象?
試験運用が行なわれるのはサンフランシスコ、オークランド、サンノゼ、グレンデール、LA、ロングビーチの各都市です。シリコンバレーのあるサンフランシスコ湾岸3大都市(サンノゼ、サンフランシスコ、オークランド)もばっちり入ってます(自分の住むフリーモントは人口第4位で対象外でした)。
どこも運転が粗い都市なので、罰金自動請求はデカいぞ。シーチェンジ。とてつもない収入源になりそうです。
飛ばす人といえばあの御大
ちなみに、故スティーブ・ジョブズもスピード違反常習者で、一度、時速100マイル(160km)以上オーバーで止められたときにはチケット切る警官に「さっさとやれ」と急かせて、また時速100マイル(160km)で華麗に去っていったという伝説があります。1984年のできごとでした。
都市伝説と思いきや。友だちがクパティ―ノに通勤中、国道101号線から85号線へのカーブでまったく失速しないクレイジーなドライバーがいるので顔を見たらスティーブ・ジョブズだったそうですが。
似た人がゴロゴロいるので、ちょっと見もの?
Sources: SF Chronicle