ギネス世界記録には、ありとあらゆるものがあります。いっぱい食べたとか、世界一大きいとか、速いとか、普通の人が見てもわかりやすいものもあれば、内容が専門的でよくわからないものもあります。わからないどころか、普通の人には見えないものもあります。
ギネス世界記録を更新したのは、世界で最も小さな結び目。肉眼では見えません。
その大きさ54アトム
今回ギネス新記録となったのは、世界で最も小さい結び目。54の原子から成り、アーチが3つ繋がったような形をしています。
結び目を作っているのは、金、炭素、リン。科学的に表じると、「Au6{1,2-C6H4(OCH2CC)2}3{Ph2P(CH2)4PPh2}3」だそうですが…。
最小認定はどうやって?
非常に専門的で目にも見えないものを、どうやって分子レベルで最小だと認定したのか。この構造物の研究論文にはこう解説されています。「構造を縮小したものを二次元表面に映し出したときの交差する最小数によって分類」するのだそう…ムズイ。
2017年、科学者チームが作ったのは、1つの交差に24アトム用いた結び目で、当時これがギネス記録となりました。2020年、別の科学者チームが記録更新。このときは69アトムの長さの結び目で、交差は23。
簡単にいうと、この結び目の交差するところのアトムの数が小さくなると、結び目はより固く小さいと判断されます。
今回の新記録は、結び目の長さは54アトム、交差は18!
ScienceAlertによれば、今回の18という記録は、理論上最小に限りなく近いとのことです。
最小結び目の研究論文はNature Communicationsに掲載されています。