脅威ではないけど…アメリカ上空に“謎の気球”が飛行中

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  • author Jody Serrano - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
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脅威ではないけど…アメリカ上空に“謎の気球”が飛行中
Image: Ed Weiner / Shutterstock.com

また中国?それとも別の国から?

約1年前、アメリカ国内の上空に不思議な気球がフワフワ浮いているのが発見され、中国から送られたスパイ気球では?ということになり、アメリカ軍が撃墜。通信用のアンテナなどが付いていたという騒動、覚えていらっしゃいますか? そしてこの度、またまたアメリカに気球がやってきたのです。

また気球来たぞ!

CBSニュースは、先週金曜にアメリカ西部の上空を飛行している気球をアメリカの軍隊が追跡していると報じました。

気球は金曜早朝にコロラド州の上空を飛行しているところを発見され、軍の関係者のあいだには1年前と同じ不穏な空気が流れたとのこと。軍は気球を調査するための人員を送り込み、結果、気球は脅威ではないとの結論に至ったそうですが、どこからきたのか、そしてその目的は未だ不明のまま。

北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)の広報担当者は、約1万3100メートルの高度を飛行している「小さな気球」をアメリカ軍が検知したと米Gizmodoに語っています。

アメリカの判断は?

また、米空軍軍曹Benjamin Wiseman氏は以下のように述べています。

気球はユタ州上空で北アメリカ航空宇宙防衛司令部の戦闘機によって迎撃されましたが、機動性がなく、国家安全保障に脅威を与えるものではないと判断されました。北アメリカ航空宇宙防衛司令部は引き続き、この気球の追跡し・監視を続けます。


また連邦航空局も気球が飛行安全に危険を及ぼさないと判断しています。我々は連邦航空局と密接に連携し、飛行安全を確保していきます。

この気球の写真は今の所公開されていません。一部の報道によると、気球はマイラー樹脂でできており、小さな箱がぶら下がっているとのこと。

気球はジェット気流で東に漂い、CBSニュースによるとジョージア州上空を通過していくと予想されています。

去年の気球は?

昨年2月に起きた中国のスパイ気球の騒動はアメリカで結構な騒動となり、共和党はバイデン政権に対して撃墜を要求する声が上がりました。中国当局はその気球はスパイではなく気象研究の民間プロジェクトで、誤ってアメリカに入ってしまったと主張していました。

当時、中国外務省は「中国側は不可抗力による飛行船の米国空域への意図しない進入を遺憾に思います」と、すごく「意図してない感」を出した声明を出しています。

とはいえ、もちろんアメリカの関係者はその説明に納得しておらず、気球が衛星経由で通信を収集し、複数のアンテナと情報監視用と思われる装置なども備えていたと述べています。

去年の気球は、最終的にバイデン大統領がアメリカ空軍戦闘機に気球を撃墜する命令を出し、サウスカロライナ州マートルビーチ沖でF-22ラプター戦闘機に撃墜されています。